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まさか“税務調査のお知らせ?”税務署から突然届く「時期外れの封筒」の正体【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月27日 12時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

確定申告シーズンでもないのに、税務署から突然「封筒」が届くことがあります。忙しいからと開封を後回しにしたり、そのまま忘れてしまったりする方もいるかもしれません。封筒の正体は何なのか、放置するとどうなるのか。税理士法人松本が解説します。

確定申告シーズンでもないのに、突然「封筒」が届いた!

前年に確定申告を行った人には、毎年1月下旬ごろ、確定申告についてのお知らせするハガキや封筒が届くことがあります。しかし、確定申告の時期とは関係なく、税務署から封筒が届いたら、税務調査のお知らせが来たのではと驚いてしまう方も少なくないはずです。

しかし、税務調査のお知らせは原則として電話により口頭で行うこととされているため、封筒で税務調査の事前通知が行われるケースは多くはありません。

では、確定申告の時期以外に税務署から封筒が届く場合、どのような理由で封書が郵送されてくるのでしょうか。

今回は、税務署から封筒が届くケースと封筒を受け取った後に取るべき対応についてご説明します。

税務署から封筒が届くケースとは?

税務署から届く封筒の中には、一般的に「お尋ね」と呼ばれる書類が入っていることがあります。確定申告の内容や納税について全く疑わしいことがなければ、税務署がわざわざ封筒を送ってくることはありません。税務署からお尋ねが届く場合、税務署から何かしらの疑いをもたれている可能性が高くなります。

税務署から封筒が届くケースとしては、次のような例が考えられます。

・記載された経費に不審な点がある

・経費が同業の平均的な額より突出して高額である

・取引先の情報と申告された売上額が釣り合わず、売上額に不審な点がある

・副業をしているのに、副業分の確定申告をしていない

・不動産投資によって不動産所得を得ていたのに、確定申告をしていない

・相続をしたにもかかわらず、相続税の申告をしていない

・不動産を購入した際に、贈与を受けている可能性がある

・不動産を売却し、売却益を得ているのに譲渡所得税を納税していない

・相続税の申告書に添付すべき書類が不足している

「税務調査」と、封筒による「お尋ね」の違い

お尋ねも税務調査も、確定申告の内容など、納税に関して行われる問い合わせや調査です。そのため、両者を混同してしまうケースもあります。しかし、お尋ねと税務調査には次のような違いがあります。

■税務調査とは…

税務調査とは、個人や法人を問わず、納税の義務がある者に対して、正しく申告を行い、正しく納税をしているかを確認する調査です。

税務調査には、いわゆる「マルサ」と呼ばれる国税局査察部が行う強制調査と管轄税務署の調査官などによって実施される任意調査の2つがあります。

強制調査は、裁判所の令状を得て強制的に行われる調査であり、悪質な脱税が疑われる場合に行われるものです。一般的な税務調査のほとんどは、任意調査となりますが、任意と名がつくものの、任意調査も調査を拒否することはできません。日程の都合が合わない場合などには日時の調整をすることができますが、税務調査自体を断ることはできないため、税務調査の事前通知を受けたら必ず税務調査を受ける必要があります。

税務調査では、調査当日に調査官がオフィスや店舗などを訪れ、帳簿などの資料を確認し、質問や指摘を行いながら調査をし、後日、調査結果が報告されることになります。

■お尋ねとは…

お尋ねは、申告内容や税金などについて確認をしたい点があり、それに対する質問が記載された文書が封筒で届くというものです。したがって、税務調査のように税務署の調査官が事務所や自宅などに訪問することもなければ、帳簿等の関連書類をチェックされることもありません。

後述しますが、税務署からのお尋ねを受け取ってもお尋ねに対して回答をしない場合などは、税務調査に発展する恐れがあります。そのため、お尋ねが入った封筒が届いたときには、適切な対応を取るようにしましょう。

税務署からのお尋ねが届いたときに取るべき対応

税務署から封筒でお尋ねが届いたときには、内容を確認したうえで、問われる内容に回答することをおすすめします。

●お尋ねが届いたら、期限までに回答する

⇒税務署からお尋ねが届いた場合でも、回答の提出義務があるわけではありません。しかし、お尋ねが届くということは何らかの点において税務署側が疑いを持った状態です。そのため、回答しなければ不審な点があるのではと、ますます税務署の疑いを強めてしまうことになります。文書内に記載されている回答期限までには、必ず回答をするようにしましょう。

たとえば税務署が相続についての情報を把握しており、相続税の申告が必要ではないかと考えている場合、相続税についてのお尋ねが送付されるケースがあります。相続発生から数か月が経過しているタイミングでお尋ねが届いたときには、税務署でも確実に相続税が発生すると把握しているわけではありません。相続税の計算をし、相続税が発生しない場合には、お尋ねに対し、相続税がかからない旨の回答をすれば問題ありません。しかし、相続税の計算後、相続税の申告が必要になる場合は申告書を作成して提出する必要があります。

また、相続発生から数年後にお尋ねが届いた場合には、相続税の納税が必要なのではと疑われている可能性が高くなります。その際には、相続内容を確認したうえで、適切な対応をしましょう。

●税理士に相談し、サポートを依頼する

⇒不動産投資などで不動産所得があったにもかかわらず確定申告を行ってこなかった場合や贈与を受けて不動産を購入したにもかかわらず、贈与税の申告をしていなかった場合などもお尋ねの対象となります。

確定申告を忘れていた場合や確定申告の必要性について知らなかった場合などは、税務署からの問いにその旨を正直に回答し、速やかに確定申告を行いましょう。ただし、税務署から送られてくるお尋ねには回答期限が記載されています。そのため、これまでに確定申告の経験がないような方は、期限までに確定申告書を作成し、提出することが難しい可能性もあるでしょう。

その場合は税理士に相談し、サポートを依頼することをおすすめします。税理士であれば、正しい申告書の作成方法を熟知しているため、申告内容にミスが生じ、再び税務署から指摘を受ける心配もありません。

お尋ねをスルーすれば「税務調査」や「追徴課税」の恐れ

もし、お尋ねが届いても、期日までに回答しなかった場合は、どのようなことが起きるのでしょうか。お尋ねを無視した場合のリスクについてご説明します。

■文書や電話による督促が行われ、税務調査に発展する可能性

期日までに回答しなかった場合、税務署から回答を迫る文書が再度送られてきます。さらに、再度のお尋ねにも応じない場合には、電話がかかってくることがあります。

そもそも、税務署からのお尋ねは、申告内容などについて気になる点があるために行われるものです。そのため、文書や電話で回答を促しても適切な返事を得られなかったときには、税務署側が直接、真偽を確認しようと考えても不思議ではありません。したがって、お尋ねに適切に回答しなければ、税務調査に発展する恐れがあるのです。

■追徴課税のリスクも

お尋ねが届いてからでも、自主的に確定申告を行ったり、申告内容の修正を行ったりすれば、過少申告加算税などの支払いを求められることはありません。

しかし、税務署からの封筒を無視し、お尋ねに回答しなかったために税務調査が実施された場合、税務調査で不備についての指摘を受けた後に確定申告を行ったり、修正申告を行ったりするとペナルティとして追徴課税が行われます。確定申告を行っていなかったケースでは無申告加算税、申告額が少なかった場合は過少申告加算税が加算され、本来の納税額よりも多い額を納税しなければならなくなるのです。

「税務署からの封筒」は必ず中身を確認

税務署から封筒が届いた場合、必ず開封して中身を確認するようにしましょう。今回ご説明したように税務署から封筒が届く場合、確定申告の内容に疑問がある場合や確定申告が漏れているのではと疑いをもたれている可能性が高くなります。

万が一、封筒を無視し、税務署に期限までに回答をしなかった場合、税務調査に発展し、追徴課税が行われるリスクもあります。税務署からお尋ねの封筒が届いた場合には、必ず中身を確認したうえで、期限までに回答するようにしましょう。

確定申告をしていなかった場合や申告内容にミスがあった場合など、対応に不安がある場合には早めに税理士に相談することをおすすめします。

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本

税務調査特化税理士法人として全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。税務調査相談実績は累計1000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。

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