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「この銘柄、2日間もストップ高だ。買おう!」は危険…株式投資のプロが〈釣られ買い〉を全力で止める、深いワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月12日 10時0分

「この銘柄、2日間もストップ高だ。買おう!」は危険…株式投資のプロが〈釣られ買い〉を全力で止める、深いワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資で儲けるか、損をするかの分かれ道は、どこにあるのでしょうか。ファイナンシャルアドバイザーの長谷川伸一氏は、「流れの変化をとらえることが重要」といいます。長谷川氏の著書『お金の動きに強くなる投資の入口』(総合法令出版)より、お金を増やす人の「銘柄を買うタイミング」について、詳しくみていきましょう。

投資の方法論にしがみつかない

株式投資の基本は安いときに買って高いときに売るという方法です。多くの個人投資家はこれを繰り返します。

もちろん、これが基本ですから、それでいいのですが、いつもそのやり方で儲かるとは限りません。上昇トレンドが長く続いた場合、従来のやり方に固執した人は、下がるのを待つしかありません。何ヵ月も指をくわえて待っているのです。下降トレンドが長く続いた場合も同じです。いつまでも下落していきます。いつ底を打つかわかりません。そんなときも、ずっと指をくわえて待つのでしょうか?

たとえば、1日で1,000円下がり、すぐに1,000円上がることがあります。多くの人は1,000円下がった翌日に1,000円上がったのを見ると怖くて買えません。これならまた下がるに決まっていると思うのです。

一方で、「これは流れが変わった」と新しい局面に気づく人もいます。「これはいよいよ下げ止まり上昇相場がはじまったサインかもしれない」と変化をとらえて儲ける人です。株式投資で儲けるか損をするかの分かれ道がそこにあると思います。インドの詩人タゴールに「海を見ているだけでは、海は渡れない」という言葉があります。ただ指をくわえて眺めているだけでは、儲けることも成長することもできないのです。

お金を増やす人は、今までやったことのない方法に挑戦しています。やったことのないことに果敢に挑戦するから、できるようになるわけです。もちろん、失敗することもあります。しかし、失敗するから学びがあるのです。勇気を持って挑戦するから成長するのです。

釣られ購入の危険性

急に値上がりする銘柄があります。2日間ストップ高になったりすると誰もが勢いを感じます。値上がりのピッチが早い銘柄であればあるほど、それに釣られて購入する人が出てくるのです。

この釣られて購入するというのが危険なのです。そこに自分の意志がないからです。

たとえば、チェックしていた銘柄が急に上昇したとします。見守っていたのですが、買い注文するのが遅れてしまい、出遅れてしまいました。いろいろ調べてみるとまだ上昇する気配がします。そんなとき、お金を増やす人は、買わないという行動はしません。感覚が鈍ってしまうからです。とりあえず最低限でいいから買っておくのです。そうすれば、下がってしまったときに、冷静でいられます。

株価が上がっているときというのは、もっと上がるのではないかという気持ちしかありません。しかし、買うと株価の上昇が止まるということがあります。まるで、自分の行動を神様が見ているように感じることが結構あります。

もしも、さらに上昇したら、最低限で買った分だけ利益は取れます。下がったとしても、冷静に買い足すのか、損切りして仕切り直すのか冷静に判断できます。

つまり、出遅れたときに焦って買うのではなく、事前に少額だけ買っておくのです。そうするとその後の動きを冷静に見極めることができるのです。冷静になれば、自分のペースを保つことができます。

たとえば、私が取引した銘柄で株価が3倍以上になった会社があります。それは、やはり業績の大幅上方修正という好材料があったからでした。そのときは日経新聞などにも業績が出てきますし、インターネットのサイトでも情報が流れます。そうすると当然買いが殺到して上昇しました。

出遅れたなと思った多くの人はそこで諦めてしまいます。これ以上は上がらないだろう、と考えるのです。

しかし、私はまだまだ伸びそうだと判断して、顧客にも薦めました。最初は3割ぐらいは上がって、しばらくもみ合っていたのですが、結局一番高く売った顧客が2.5倍ぐらいになりました。最終的には4倍ぐらいになったのです。

長谷川 伸一 ファイナンシャルアドバイザー

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