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部下「何しに来たんですか?」…完全アウェー状態。〈未経験部門を任された上司〉がやりがちな“ご法度”【ワーママ歴31年/60代現役女性管理職が助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月25日 11時0分

部下「何しに来たんですか?」…完全アウェー状態。〈未経験部門を任された上司〉がやりがちな“ご法度”【ワーママ歴31年/60代現役女性管理職が助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

上場企業に勤める傍ら、自らの経験が役に立てばとブログやX(旧Twitter)で情報発信をしている「いくみ@女性管理職&ブロガー」氏。どんなビジネスパーソンも直面しうる問題、その一つが「職種による文化の違い」です。自分の経験則が通用しない…そんなとき、どう向き合えばよいのでしょうか? いくみ氏の著書『女性管理職が悩んだ時に読む本』(2023年、日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

【悩み】未経験の職種を受け持つことになってしまった…

会社における職種とは例えば「事務職」「営業職」「企画職」「経理職」「人事職」「開発職」などになりますが、各分野によってもちろん、文化の違いがあるもの。それぞれ従事している人材の得意分野が異なる(ゆえに、各職種を選択されている)とも言えます。

私自身は事務職、営業職、人事職などの経験をしてきましたが、管理職として経験職種の部門のみに配属されるとは限りません。未経験の職種を受け持つことになった時に自分の経験則が通用しないこともある。そんな時はどうしたら良いのでしょう?

【向き合い方】オープンマインドでガッツリ入り込むべし

■「今まではこうだった」…最初から自分の経験則を押し付けるのは厳禁

まずは部門の様子をよく観察してみます。部下さんたちのコミュニケーションスタイルや、何を最も重んじているのか? 資料の作り方や保管管理方法…etc.ここでよく間違ってしまいがちなのが、以前所属していた部門と比較しようとすること。そりゃ、慣れている職種・部門であれば居心地が良いと感じるでしょう。しかし、同じ企業内だとしても、その部署が培ってきた文化は異なりますから、管理職がしっかり受け止めようとしないことには、新しい部下さんたちだってついていこうと思いません。

また、職種についての知識が不十分ならば、自己学習や部下さんに教えを乞うのも怠らないこと。内容的に自分が苦手分野な場合もありますが、任されたからには苦手を乗り越えようとする意気込みも大切です。

管理職をしばらく経験しつつあった最中でも、こうした点が分かっていなくて失敗してしまったこともありますが、とある時部下さんから言われた「いくみさん。私たちの職種のこと、もうちょっと知識増やしてください」。この言葉にハッと気付かされました。

少々長くなってしまいますが、この時の経験をさらにお伝えしますね。

当時、かなり急な人事異動があって、それまで全く担当したことのない業務・ほとんど関わったことのない部門の管理職に就きました。ある意味完全アウェー。もう1人別の管理職がすでに居たこともあり、部下さんのなかには「何しにきたんすか~」とあからさまに質問してくる人もあり。慣れない分野でただでさえ冷や汗ものなのに加えて、こんな状況でドンドン及び腰になってしまったのです。そうして数ヵ月が経とうとしていたところ、先にお伝えしたメッセージを別の部下さんからもらいました。

苦手だなどと逃げている場合じゃない、とにかく入り込もう。関連する講演会に参加してその場でもいろいろ質問してみたり、書籍を買ってきて学んだり。周囲の様子もよく観察しようと心がけているうちに、なんとなく肌馴染みや親しみが芽生えてきました。

■職種による文化の違いを知って、自分から入り込んでいくことが大切

その後、ある新しいプロジェクトが立ち上がることとなり、リーダーができる人材が全員ふさがってしまっていて、自分がリーダーをやらざるを得なくなってしまった出来事に遭遇。それまでの経験蓄積として、管理者としてはいろいろと身に着けてこられた感はありましたが、分野そのものの業務実施者は未経験。この時ばかりはもう無理――って何度も叫びそうになりました。しかしとにかくやるっきゃない。業務を覚えるのとプロジェクトを回すのと同時進行でしたが、幸い、ベテランの部下さんたちが助け舟を出してくれて、なんとか乗り切ることができました。

すると。

苦手意識などどこ吹く風、実業務の体験も加わってこの分野の醍醐味を知り、とても好きになったのです。部下さんたちとのコミュニケーションもよりスムーズに密に取れるようになったとも実感。

残念ながら、さらに人事異動でこの部署からも離れてしまいましたが、職種による文化の違いを知って自分から入り込んでいくことがいかに大切であるか。身をもって学ぶよい経験となりました。

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<ワンポイント>

「郷に入っては郷に従え」と言われるとおり、後からきた上司は、オープンマインドでガッツリ入り込むべし。コミュニケーションが取れてくるようになった時に、もし、「自分がこれまでやってきたやり方がよさそうだ」と思った点があれば、その時に初めてアドバイスすることにして、最初から自分の経験則を押し付けるのは止めましょう。

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いくみ@女性管理職&ブロガー  女性管理職専門家・ビジネス書著者 

1962年神奈川県生まれ。会社員歴39年、ワーキングマザー歴31年(2024年6月時点)。中小企業の事務員から始まり、女性管理職に憧れるも結婚を機に退職。出産、子育て、夫の転勤などによって非正規雇用の期間を経て40歳で正社員復帰。現在は上場企業で管理職歴19年。定年再雇用後も管理職を継続しており、部下の延べ人数は200名以上。 これまでの経験を背中にいる人たちに伝えたいと一念発起し、2017年からブログ「ねーさんらいふ」を運営。女性管理職の日常をメインに発信し、2024年6月時点で2,200記事を突破。公式X(旧Twitter)では、読者が元気になる朝ツイートを毎朝投稿、約1.6万フォロワー。

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