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ベテラン女性管理職「会社員生活はもういいかな~」…定年目前まで「リタイア希望」だったが一転、迷わず「再雇用」を選択したワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 8時20分

ベテラン女性管理職「会社員生活はもういいかな~」…定年目前まで「リタイア希望」だったが一転、迷わず「再雇用」を選択したワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

上場企業に勤める傍ら、自らの経験が役に立てばとブログやX(旧Twitter)で情報発信をしている「いくみ@女性管理職&ブロガー」氏。「定年退職するか、再雇用を選ぶか」というのは、多くのビジネスパーソンが直面する悩みの一つです。いくみ氏の著書『女性管理職が悩んだ時に読む本』(2023年、日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再雇用を選択した同氏の実感や判断材料を紹介します。

経済的な充足って何だろう?

「働く」ということは「収入を得る」ということでもあります。シニア世代に差しかかってくるにつれ、それまで企業の正社員として固定収入を確保していたことが「当たり前」ではなくなってきて、さりとて「年金収入」に頼ろうとしたところで、昨今の年金事情を考えるに無理なもの。定年後の資産形成をガイドする書籍も多数出回るようになってきましたが、「そもそも、経済的な充足って何だろう?」還暦を迎えて改めて考えるようになりました。

■現役時代と同額ではなくとも、固定収入が続く安心感は大きい

長年固定収入の生活を送ってきましたから、定年になって、「ノンビリしたい」などと考えたところで、いきなりその固定収入が途絶えてしまうのは心許なさすぎ。補足しますと、収入そのものだけでなく、企業の健康保険は国民健康保険に比べてのメリットも様々あるもの。

定年再雇用の制度はそれぞれの企業によって条件も異なるでしょうが、継続することで、少なくともある一定の経済的充足を得られる。実際に自分がその選択をしたことで実感しています。

さらに、改正高年齢者雇用安定法(2021年4月1日施行)により、65歳までの雇用確保が義務付けられたことに加え、65歳から70歳までの就業機会の確保が努力義務となり、高年齢者就業確保措置を講じることが企業に求められるようになった点も追い風です。

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<ワンポイント>

たかが会社員、されど会社員。

定年再雇用での固定収入継続(もちろん、正社員時とまったく同額とはならないことが多いですが)には安心感があります。ただし「会社にぶら下がっている」といったスタンスはご法度。あくまでも懸命に業務に従事することが大前提なのは言わずもがなです。

加えて、健康であることも必須条件。経済的な充足とは健康あってこそのもの。病気に罹ってしまっては元も子もないですから、そのための自己管理もより気を配るようにしましょう。

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定年退職の道を選ぶか否か

経済的充足は大きなポイントとなりますが、そもそも、定年退職の道を選ぶか否か? 悩みが尽きないもの。

実は私、正直に申しますと、ある時点まで「定年退職してその後は起業にチャレンジしたい」と考えていた時があります。「起業」といっても何か明確なビジネス目標を描いていたのではなく、「何となく何かしらやってみたい…」的なかなりお粗末な発想。「管理職ずっとやってきたから、もういいかな~新しい別の楽園ってあるのかな~」と、お恥ずかしながら「ないものねだり症候群」みたいなもので、自分には起業家の才能がないだろう…と自覚はしていたのですが、50代後半の頃にふとそんな気持ちが一定期間芽生えていました。

■それぞれの選択肢をシミュレーションしてみる

実際に定年退職するか再雇用を選ぶか? 決める時期が刻々と近づいてきた時に、前項でもお伝えした「経済的充足」も大事でしたし、この時点では「起業したいという妄想」がまったく根拠も現実性もないことに気付きました。かつ、定年1年前から新たな事業を受け持つことになってやりがいが再燃していたことも「再雇用を迷わず選択する」ポイントともなったのです。せっかく手がけたことを中途半端に放り出すのは私の信念にもとる。このまま走り続けようと決意した時は、なんだか肩の荷が下りたような気持ちになりました。

一方、同僚のことについても紹介させてもらいます。我が勤務先で共に苦労を分かち合ってきた盟友がいて、偶然入社年月もほぼ同じならば年齢も同じ途中で部署が分かれてしまったため、ここ数年かなりご無沙汰していましたが、たまにバッタリ廊下ですれ違ってはお互いに励まし合う間柄でした。その彼から最近になって久しぶりにメールが飛んできて、そこに書かれてあったことにビックリ。「定年を迎えることになって、私は会社を卒業することにしました。退職した後は孫育てのサポートや趣味のスポーツを楽しもうと計画しています」業務の最前線で管理職としてずっと頑張ってきた人だから、当然これからも活躍を続けていくのだろうと思っていたからです。

その頃には私自身、定年再雇用を決意したきっかけだった「新たな事業」からまたさらに異動が発生していて、やや悶々としていた時期でもあったため、彼の去り方が爽やかな風をもたらしてくれました。

「人それぞれに人生の選択がある。悩んでいないで自分の選択を粛々とやっていこう」改めて気持ちを整える出来事ともなったのです。「持つべきものは友」といいますが、盟友の第2の人生がさらに輝いているものであることを願ってやみません。

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<ワンポイント>

定年退職を選ぶか、再雇用を選ぶか。それぞれの選択肢があって悩む時に、各道を選んだ後は具体的にどう行動していくのか? 実現性が確かなものなのか? 経済的な基盤は? 家族との過ごし方は?…など思いつく項目を書き出してシミュレーションしてみましょう。もちろん、私のように「今の勤務先でまだやり続けることがある」と考える場合は後者を選べばよいのです。

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いくみ@女性管理職&ブロガー  女性管理職専門家・ビジネス書著者 

1962年神奈川県生まれ。会社員歴39年、ワーキングマザー歴31年(2024年6月時点)。中小企業の事務員から始まり、女性管理職に憧れるも結婚を機に退職。出産、子育て、夫の転勤などによって非正規雇用の期間を経て40歳で正社員復帰。現在は上場企業で管理職歴19年。定年再雇用後も管理職を継続しており、部下の延べ人数は200名以上。

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