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上京して3年の大学生(20)仕送り〈月5万円〉に減らされ窮地…1日ぶりの食事に涙する「苦学生の実情」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月28日 7時15分

上京して3年の大学生(20)仕送り〈月5万円〉に減らされ窮地…1日ぶりの食事に涙する「苦学生の実情」

(※写真はイメージです/PIXTA)

下宿をする大学生のベースになるのは「親の仕送り」。親のサポートで優雅な大学生生活を謳歌しているケースもあれば、困窮に瀕するケースも珍しくはありません。みていきましょう。

仕送り3万円減、アルバイトも増やせず…食費を削る毎日

――ありがたい、昨日は食事を我慢したので

ボランティア団体が行っている炊き出しの列に並ぶ、都内の大学に通う20歳の学生。空腹が満たされホッとしたのか、目にはうっすらと涙。この日は食料配布も行われ、袋に入った食料品も手に入れることができたと大喜び。

――レトルトのおかゆに、インスタントラーメン、袋詰めのロールパン……これで1週間は生きていける

――いまは耐えるしか……方法はなくて

上京してきて3年目。大学1~2年目は仕送りが8万円あり、1ヵ月の支出は家賃4.5万円、光熱費・通信費1.5万円、食費1.5万円……さらにアルバイトで月3万円ほどの収入があり、たまに友人と食事に行く程度の余裕もあったとか。また奨学金は「借金は怖い」という考えから、利用していないといいます。

株式会社ガクシーが一般の学生・保護者に対し行った『奨学金に関する実態調査2023年』によると、「奨学金に対する印象」は全体の半数が「借金なので怖い」と回答。さらに奨学金を受給していない学生では7割にものぼります。奨学金のネガティブな印象が、奨学金活用へのハードルになっているといいます。

そんな大学生活に変化があったのは、大学3年に進学するタイミング。祖父が介護施設に入居。その費用の一部を父が負担するようになると、かなり家計が厳しくなって……そんな状況を聞き、自ら「仕送り、減らしても大丈夫」と申し出たといいます。

――学費も払ってもらっているので

仕送りは「月8万円」→「月5万円」と3万円の減額。「その分、アルバイトを増やせばいい」と思っていたといいますが、大学3年に進学すると研究で忙しくなり、アルバイトを増やすという計画はすぐに崩れ去ったとか。むしろアルバイト代は「月3万円」→「月2万円弱」に。仕送りとアルバイト代で「月7万円」ほどの生活費。節約に節約を重ねて何とかやりくりするものの、あと削れるのは食費のみ……。

そのようなときに、炊き出しや食料提供を行っているボランティアの存在を知り、そこで食料を得る生活がスタートしたといいます。

――あと2年。大学を卒業すれば、こんな生活から抜け出せるはず

高度な教育を受けたいなら「自己責任」で…苦学生増加の背景

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』によると、下宿生の仕送りは平均7万0,120円。奨学金1万9,660円、アルバイト代が3万6,110円など、収入の合計は12万9,240円。それに対し、支出は平均12万7,750円。月に1.4万円ほどの余裕があります。平均値と比べると、前出の学生の困窮ぶりがわかるでしょう。

【大学生(下宿生)月の家計】

■収入

12万9,240円

(内訳)

小遣い:7万0,120円

奨学金:1万9,660円

アルバイト:3万6,110円

定職:420円

その他:2,940円

■支出

12万7,750円

(内訳)

食費:2万5,880円

住居費:5万4,130円

交通費:4,330円

教育娯楽費:1万2,840円

書籍費:1,500円

勉学費:1,260円

日常費:7,330円

通話通信料:3,190円

その他:2,290円

貯金・繰越:1万4,740円

また2023年、学生の暮らし向きは、「楽な方(大変楽な方と、楽な方の合計)」が63.7%に対し、「苦しい方(苦しい方と、大変苦しい方の合計)」が7.2%と、14人に1人の水準。割合にすると少なく感じますが、日本の大学学部生は250万人強といわれているので、数にすると18万人ほど。非常に多く感じられるのではないでしょうか。

これから冷房が必須の季節になりますが、ここにきて大手電力会社10社すべてで、家庭向けの電気料金が6月使用分から400円程度値上げとなるとされています。

――研究室に寝泊りする日が増えそう

支出を抑えるのに必死です。OECDによると、「政府支出に占める公的教育費(大学生)割合」はOECD平均で2.73%に対して、日本は1.56%。47ヵ国中43位です。さまざまなデータをみても、日本は公的な教育費を十分に支出しているか、疑問が残る結果です。

――高度な教育を受けるなら自己責任でどうぞ

そんなスタンスで進められる日本の教育。苦学生の存在は、今後ますます増えていきそうな予感です。

[参考資料]

株式会社ガクシー『奨学金に関する実態調査2023年』

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』

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