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学歴不問採用なのに「内定者、難関大生ばかり」になる理由…“落ちる就活生”が気づかない「大学名以外」のフィルター【キャリアコンサルタントが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月6日 12時15分

学歴不問採用なのに「内定者、難関大生ばかり」になる理由…“落ちる就活生”が気づかない「大学名以外」のフィルター【キャリアコンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍以降、早期化している採用活動。採用人数や選考時期といった基本的な情報は、説明会やインターンシップで集めなければ得られません。そのためいかに早く動き出すかが就活の肝となる一方、現在の就活生は、意識の差から「優秀層」「普通層」「うっかり層」へと三極化しています。事実上存在する学歴フィルターを突破し、激変した就活戦線を乗り切るにはどうすればよいのか。キャリアコンサルタント・森田昇氏の著書『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

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<三極化している現在の就活生>

①大学3年生春、夏のインターンシップ前から早期に就活して複数社内定GETする「優秀層」 ←実際に難関大生が多い

②大学3年生秋、冬のインターンシップ前から動き出して2、3社内定GETする「普通層」

③大学4年生春、就活解禁に合わせたら周りが内定GETしていて慌てる「うっかり層」

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「学歴不問」の真の意味

就活ではどの大学生であれ、「大学卒業見込み」であれば、よほどの専門業界や職種でない限り応募基準を満たします。これが就活における学歴不問の意味ですが、だからといって「Fラン大生でも採用してくれるよね、だって学歴不問なんでしょ?」ではありません。過去に多くの企業がES等の選考書類に大学名を記載しなくていい、学歴不問採用を実施した結果、難関大生ばかり採用してしまった、という笑えない話がありました。

その原因は、企業の採用ページを見ると何となく想像がつきます。経営層や社員の学歴を見てみると、ごく限られた大学名しか出てこない企業があります。これはあらかじめターゲット大学を決めていたわけではなく、創業から歴史の長い財閥系企業や経営層・採用部門全体の学歴が高い企業では、学歴を重視する採用担当者が多いこともあり、ESや面接で何となく出身大学に気付いてしまって偏りが生じた。そんなケースです。

そこで、大半の企業は大学名を明記する採用方法に戻しました。どうせ類似性バイアスで偏るんだったら、むしろ学歴を最初から参考にすればコスパもタイパもいい、ということでしょう。あくまで学歴は参考にしか過ぎない、とはどの採用担当者も言っていることなので信用していいでしょう。

具体的な大学名を出さなくても、ESや面接時の受け答え、特に自己PR系でなんとなく想像できてしまいますし、逆学歴フィルターとしてあまりに出身大学が偏り過ぎた場合は、多様性を確保するために敢えて応募少数の大学出身者に内定を出す場合もあります。そのため、学歴不問でも、そうでなくても実は大差ありません。

それよりも、卒業に必要な単位を取得できなかった、ではせっかく内定を獲得できても卒業できなくなった時点で内定取消になるケースがほとんどですので、就活と並行しても学業は決して疎かにせず、頑張って単位を取得して「大学卒業見込み」の肩書きだけは何としても死守してください。私は大学4年生のときは残り2単位のみ、と単位を取得することだけは「優秀層」でした。1年次の必修科目を取り忘れていた「うっかり層」でもありましたが。

就活生をふるいにかける「結果論としての学歴フィルター」7つ

前回記事で、採用担当者の偏り等で、結果論として学歴フィルターとなっているものがあるとお伝えしました(⇒関連記事:『「今すぐ就活へ動いて」…Fラン大学生が〈高学歴ばかりの難関企業〉から早期内定をもらう“意外な方法”【キャリアコンサルタントが助言】』)。ここでは、その他の学歴フィルター(となっているもの)について紹介します。決して門前払いはしない、それでいて結果的にフィルターとなっている要素を7つ、並べます。どれも対策は可能ですよ!

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1. WEBテストや適性検査の結果(SPIや玉手箱等、適性検査をESの書類選考前に課すことで、ふるいにかけてくるぞ!)

2. ESの不備・不満(中身以前に空白が多い、記入量が一行や一言のみ、そもそもフォーマットを満たしていない、では読む前に足切りされちゃうぞ!)

3. メールやチャット、会社説明会での基本的なマナー(友達同士のSNSや学内イベントではないのだから、受け手や参加者の気持ちを考えて!)

4. 企業独自のコミュニケーションツール導入(グループLINEや企業独自のエントリーページ、自社システムへの登録を呼び掛けられても、面倒くさいと放り投げないで!)

5. 朝活&早朝対応(セミナーや会社説明会が朝早いからって寝坊や遅刻、ドタキャンに無断欠席はしないで!)

6. 早期&長期インターンシップ(「優秀層」スケジュールで動きつつ、長期でも大丈夫なように学業やアルバイトは調整して!)

7. オンライン対応(オンライン会社説明会で画面オフ@耳だけ、ながら視聴は基本的にNG! 出席履歴やログイン回数、質問回数をチェックされていることを忘れずに!)

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これらは結果的に学歴フィルターになっているものですので、警戒する必要はありません。一つずつ対策していけば大丈夫です。

一方で、これらがまったくフィルターにもならずに、すいすいと選考を突破して内定をGETする就活生もいます。それが「優秀層」、難関大生です。彼らはなぜフィルターにかかることなく、ロケットスタートが切れ、最後まで持続できるのでしょうか。そして、そんな彼らに勝つためには、これまでの20数年間の人生を逆転するためには、「普通の就活生」はどうすればいいのでしょうか。

「1年だけ努力すること」で学歴フィルターは突破可能

就活は学歴不問、なのに難関大生の「優秀層」ばかり大手企業や外資系企業、大人気企業上位50社から内定を貰える。これって学歴フィルターじゃないの? と訝しむものではありません。難関大生は、「=努力をしてきた、これからもできると思われる人」なので、就活でも努力を惜しみません。その努力が結果に反映したに過ぎません。これこそが、難関大生が有利な理由です。

となると、その努力を真似さえすれば、たとえFラン大生でも「優秀層」と同じ企業から内定を取得することができる、ともいえますよね。

ここまで出た生涯収入最大化のための事項をまとめると、

●30社に「興味・関心」を持ってリスト化すること(⇒関連記事:『「就活生へ。『自分史』作りは絶対するな」…キャリアコンサルタントからの衝撃アドバイス【就活の技法】』)

●大学3年生春の時点でスタートを切ること。

●「優秀層」スケジュールで動くこと。

でした。これらはすべて努力でできることですよね?

同じように、生涯収入最大化のために必要不可欠な、結果論としての学歴フィルターを突破するための努力を説明していきます。

いわゆるFラン大生が「一発逆転」する方法はある

事実上、存在する学歴フィルターを突破するには、それ相応の努力が必要です。ですが安心してください。努力する期間は最長でも1年間であり、そこまで時間も労力も投入しなくて済みます。それは「企業の要望にすべて応える」という、意識の問題だからです。

結果的にフィルターとなっている7つの要素への対策を記します。

1. WEBテストや適性検査対策については、ある程度の時間と労力をかけます。対策のしやすさと採用している企業数から、優先順位はSPIが最上位です(適性検査を課している企業のおよそ7割)。参考書片手におよそ30~40時間かければじっくり対策ができますので、1日30分の対策を2ヵ月間続けられるよう、大学3年生の夏から半年かけてスケジューリングしてみてください。その他の適性検査対策は、企業がどんな適性検査を採用しているか知ってからでも十分間に合います。

残りの、

2. ESの不備・不満

3. メールやチャット、会社説明会での基本的なマナー

4. 企業独自のコミュニケーションツール導入

5. 朝活&早朝対応

6. 早期&長期インターンシップ

7. オンライン対応

については、意識さえすれば簡単に克服できるはずです。企業の採用担当者が不備を指摘せざるを得ないESを就活生から受け取ったら、どう感じてしまうのか? 不満を覚えてしまう対応を就活生に取られたら、どう思うのか? そうです、お見送りです。意識だけの問題なのに、対策しないのは本当にもったいないです。

「2. ESの不備・不満」については、どう書けばいいのかわからない、薄い内容しか書けない、そもそも書くネタがない、そう悩んでいる就活生向けに次回以降の記事で詳しく解説しますが、あとは心の内に潜む「面倒くさい」との戦いでしかありません。

寝坊や遅刻、ドタキャン、スケジュール調整しない、適当に扱うetc…。これは企業の採用担当者という、就活生を待っている相手がいる限り、社会人になる人間としていかがなものか、と評価されてしまう態度です。残念なことに、これらに対応できない就活生の大半がいわゆるFラン大生なのです。

こんな学歴フィルターで弾かれないように、努力を惜しまないでください。たった1年だけの努力で、難関大生に一発逆転できる可能性が出てきますし、社会人になってからのキャリアにも絶対に活きてきますから。

森田 昇(もりた のぼる)

キャリア開発・DX講師、ITベンチャー企業の外部人事部長

キャリアコンサルタント、中小企業診断士。一般社団法人リベラルコンサルティング協議会代表理事、日本能率協会マネジメントセンターパートナー・コンサルタント。

IT業界20年の経験と転職10回したつまずきを基に、キャリア開発・DXの研修講師として100社以上に研修を実施、再就職支援セミナーをハローワークで100回超開催。キャリアコンサルタントとして学生含めて約2,000人の転職と再就職・就活支援を行う。またITベンチャー企業の外部人事部長として新卒・中途採用に携わる。

著書に『売れる!スモールビジネスの成功戦略』(明日香出版社、2020年)、『年収300万円から脱出する「転職の技法」』『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(どちらも日本能率協会マネジメントセンター)がある。

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