〈プチ富裕層の資産運用〉日本の金融機関より商品豊富で、海外プライベートバンクより敷居が低い…知る人ぞ知る運用先とは【国際弁護士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月31日 11時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
富裕層の方のなかには、香港のHSBC、あるいは香港やシンガポールのプライベートバンクで資産運用をしている人が少なくありません。しかし、もっと手軽に、同等のパフォーマンスで運用できるところもあります。運用先の例として、香港の証券会社(P証券)のジャパンデスク担当者に話を聞きました。※本記事は、OWL Investmentsのマネージング・ディレクターの小峰孝史弁護士が監修、OWL Investmentsが執筆・編集したものです。
香港の証券会社、日本の証券会社とどこが違う?
小峰:山田さん(仮名)は、香港のP証券のジャパンデスクとのことですが、どのような商品を取り扱っているか、具体的に教えていただけますか?
山田:まず株式ですが、香港やシンガポールの証券取引所に上場している株式はもちろん、東南アジアや南アジアなど、どこの証券取引所に上場している株式も、お買い求めいただけます。
小峰:債券などは?
山田:もちろん債券も扱っています。ミドルからローリスクの債券で、年間利回りが5~6%のものもあります。リスクを抑えつつ、安定した利益を得たいという方にお勧めです。
小峰:会社を売却してリタイア・セミリタイアして暮らす方々によさそうな商品ですね。ETFのお取り扱いはどうでしょう?
山田:もちろん、ETFも扱っています。米国には多くのETFがありますが、日本では金融商品として登録されておらず、日本の金融機関では売っていないものもあります。しかし香港の場合、個々の金融機関の判断でETF等を売ることができるのです。そのため、幅広い商品を取り扱えるというメリットがあります。さらに、米国で上場の手続をした商品を日本でまた金融商品として登録する、といった二度手間が省けるため、無駄なコストが乗っていないというメリットがあります。
中小企業経営者の相続税対策に役立ちそうな商品もあるが…
小峰:ほかに特徴的な商品はありますか?
山田:生命保険でしょうか。香港では、生命保険の利回りがよいうえ、レバレッジを掛けて保険を購入できます。たとえば「1億円を預けて、3億円を借り、借りた3億円で保険料を払い、保険金10億円の保険商品を買う」といったイメージです。香港には相続税がないので、日本人向けの使い方になりますが、こうした商品は、相続税の支払に使えるでしょう。
小峰:たしかに、オーナー企業のオーナーが亡くなった場合、相続財産の大半が非上場の自社株だったりします。そうすると、多額の相続税が掛かるのに、支払う原資がないこともあります。そのような方が使うのによさそうですね。
山田:ただ、日本の保険業法の関係で、日本居住の方には販売できませんので、使える方は限られてしまいますね。
「証券会社にお任せ」の商品、聞いて驚くお手頃価格
小峰:個別株、債券、ETFといった商品を自分で選択して買う方がいらっしゃる一方で、証券会社にお任せしたいという方もいらっしゃると思います。「お任せ」希望の方によい商品はあるのでしょうか?
山田:われわれに一任していただく商品もあります。たとえば、株式・債券・コモディティなどを組み合わせたグローバル型の商品、中国株を中心(90%以上)とした商品などをお勧めしています。
小峰:購入金額の目安はどの程度でしょうか?
山田:1本10万米ドル(約1,500万円)です。
プライベートバンクより手軽だが、パフォーマンスは負けない
小峰:そちらに口座を開く場合、最低いくら預ける必要がありますか?
山田:30万米ドル(約4,500万円)を基準としています。プライベートバンクの場合、ハードルが低いところでも200万米ドル(約3億円)ですから、プライベートバンクと比較すると、ずっとハードルが低く、小回りが利く存在だと思います。
小峰:口座開設をして30万米ドルを入れ、先ほどおっしゃっていた1本10万米ドルの一任商品を3本買うというのが、ミニマムのイメージでしょうか。
山田:はい。まずは2本ほど一任商品を買っていただき、あとは個別の商品を買っていただくというのもよいでしょう。ちなみに、弊社の一任商品は、プライベートバンクの商品にもパフォーマンスで負けていません。
コマーシャルバンクでありがちな、商品売り込みは無い
小峰:香港では、普通のコマーシャルバンクもさまざまな金融商品を取り扱っています。そして、銀行員から商品を売り込まれたという話もよく聞きます。
山田:そういう話はよくあります。銀行の場合、金融商品の手数料で稼いでいるので、絶えず売り続ける必要があるのだと思います。しかし証券会社の場合、金融商品を販売する際の手数料だけではなく、継続的な管理報酬を得ることでビジネスが成立していることから、そのような売り込みはしておりません。
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チャイナリスク「気にしすぎる必要はない」といえるワケ
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小峰:香港の証券会社と聞くと「チャイナリスク」を懸念する方もいます。万一、中国の影響が一層強まるようなことになれば、接収されてしまうのではないか、といった心配です。その点はいかがでしょうか?
山田:香港の証券会社で商品を買ったとしても、原資産(証券が表している資産)が香港にあるわけではありません。たとえば、香港の証券会社で日本株を買った場合を想像してみてください。株式が表している資産はほとんど日本にありますから、中国政府が手を出すことはできません。
条件が合えば、有力な選択肢になる可能性
海外のプライベートバンクで資産運用するのに比較して、海外の証券会社で商品を買うことは、意外にもハードルが高くなく、驚いた方もいらっしゃるでしょうか。資産運用をお考えで、条件の合う方は、海外の証券会社を選択肢のひとつに加えてもいいのかもしれません。
小峰 孝史 小峰 Investments マネージング・ディレクター・弁護士
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