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大卒・大企業勤務のサラリーマン、定年退職金「2,200万円」に心弾ませるも…わずか2ヵ月で〈通帳残高ゼロ円〉になった「まさかの理由」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月31日 5時15分

大卒・大企業勤務のサラリーマン、定年退職金「2,200万円」に心弾ませるも…わずか2ヵ月で〈通帳残高ゼロ円〉になった「まさかの理由」

苦しいこともたくさんあったサラリーマン人生。そのラストに、多くの人がもらえる退職金は、サラリーマンにとって最高のご褒美。もらい方はいろいろありますが、一括でもらう方法を選んだら、一気に2,000万円程度の大金を手にすることになります。さらに退職金を一気に無くしてしまうことも珍しくなく、最近はそこに犯罪が絡んでくるケースもあるとか。みていきましょう。

大学卒業→「大企業勤続38年で定年退職」のサラリーマン…手にする退職金額は?

一定の年数以上働いた場合、働いた年数や在職期間中の業績などに応じて支給される退職金。厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、退職金制度のある企業は全体の74.9%。また企業別にみていくと、従業員1,000人以上企業で90.1%、300~999人企業で88.8%、100~299人企業で84.7%、30~99人企業で70.1%です。

また経団連『退職金・年金に関する実態調査(2021年9月度)』によると、平均退職金は大学卒(勤続年数38年)が2,243.3万円、高校卒(同42年)が1,953.0万円。また東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』によると、大卒の定年退職金は平均 1,091.8万円、高卒で 994.0万円でした。

退職金は多くの会社員が手にするものであり、大企業勤務であれば2,000万円強、中小企業勤務であれば1,000万円程度、期待できるといえそうです。

退職金制度は、一括で受け取る「退職金一時金制度」や、企業が毎月掛金を積み立てて従業員の退職後に一定期間に渡って退職金(年金)を支給する「確定給付企業年金制度」などありますが、もし一度に大金を受け取ったら。「老後のために多少は取っておくけど、少しくらい使っても問題ないだろう」と、夫婦で定年退職祝いに旅行に出かけたり、ずっと欲しかったコレクションを買ったり……。少し贅沢をした残りは、老後のために資産運用にまわすというのが、よくあるパターンでしょうか。

アドバイザーナビ株式会社が行った『退職金に関する調査』によると、 「退職金はどうしていますか?」の問いに「一部運用している」と回答した人が全体の39.8%。「全額預金している」が全体の38.9%と、ほぼ拮抗しています。また「一部運用している」と回答した人に、「金融資産のうち、資産運用に回している割合は?」と尋ねたところ、28.9%が「3割」と答えています。

大企業で38年間勤務してきたとあるサラリーマン。定年を迎えるとともに退職金、2,200万円を一度に手にします。何に使おうか……いろいろと思いを巡らしては、ウキウキした気分に。しかし2ヵ月後、退職金は口座に1円も残っていない……金額はさておき、退職金を一気に無くすようなまさかの事態に直面するサラリーマンは、決して珍しくないといいます。

退職金を一気に“溶かしてしまう”理由とは?

――退職金を溶かしてしまう

その主な理由として挙げられるのが「老後の資産づくりと思って」と、投資に回すこと。特に投資経験の浅い人ほど、多額、なかには全額を投資にまわしてしまうケースもあるようです。退職金で大逆転を目指す人もいますが、コツコツと資産形成を進め、貯蓄もそれなりにという人であれば、退職金はある意味、余裕資金。無理な投資で多少損をしても……そんな気持ちになるのかもしれません。

退職金に限らず、大金を手にした人、または元から大金を持っている人は、傍から見れば無理だと思うような投資をしてしまいがち。また、そこに付けこむ人たちも。

――被害額850万円(茨城県60代男性)

――被害額2,424万円(群馬県60代女性)

――被害額5,190万円(広島県50代男性)

――被害額2億3,000万円(京都府70代女性)

随分と多額ですが、これは何かというと、いま話題になっているSNS型投資による被害。SNSのメッセージ機能を通じて、メッセージのやり取りを行い、投資詐欺を行うというもので、あたかも著名人が勧めているかのように装い、現金を奪い取る手法が知られています。

警察庁の調べによると、今年1~3月のSNS型投資詐欺の認知件数は1,700件。被害総額は約219.3億円で、被害1件アタリ1,290万円と、被害が急拡大しています。ちなみに被害最高額は4億5,000万円。被害者は男性がやや多く、年齢層は男女共に50~60歳代が半数を超えます。

被害者との最初の接触は、「バナー等広告」が最多で49.6%。「なんかよく目にするけど……」「有名人が宣伝している、あれね」と、自然と刷り込みがされるという手法。当初の接触ツールとして使われるのは、男性の場合、「LINE」「フェイスブック」「インスタグラム」が20%前後。女性の場合は「インスタグラム」が最多で35%。「LINE」が18%と続きます。さらに被害時の連絡ツールとしては「LINE」の使用が最も多く90.4%、最終的に被害金の交付形態は「振込み」が89.5%となっています。

ちなみに被疑者が詐称していた職業として最多は「投資家」で32.1%。「その他著名人」19.0%、「会社員」3.5%、「芸能関係」2.5%と続きます。

カタチは変わっても、いつの時代でも同じような詐欺事件はあるもの。そしていつの時代も、被害者は「まさか自分が詐欺にあうなんて……」とコメントします。もちろん一番悪いのは詐欺師。ただ「自分は大丈夫」と過信することなく、用心過ぎるくらいで十分と、自衛を心がけたいものです。

[参考資料]

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』

一般社団法人 日本経済団体連合会『退職金・年金に関する実態調査(2021年9月度)』

アドバイザーナビ株式会社『退職金に関する調査』

警察庁『令和6年1月~3月におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』

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