誰かの意見を参考にする?それともツールを使う?どの銘柄を買うか迷ったときの「3つの探し方」【株式投資のプロが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月2日 14時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
株式投資の肝は、どの銘柄を選択するかにかかっています。しかし、株の種類は数えきれないほどあり、投資初心者は迷うこと必至です。そこで本記事では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、購入銘柄の探し方として代表的な「3つの方法」をご紹介し、それぞれが持つメリット・デメリットについて解説します。
1.「誰かの意見」を参考にして探す
まず、親しい人やメディアに登場する人など「誰かの意見」によって購入銘柄を探す方法があります。「今はあの株を買うといいと思う」という意見や、記事などに載っている「大幅上昇が期待できる銘柄5選」リストなどが、それに当たります。
この方法の利点は、自分で調べたり考えたりする必要がなく、手っ取り早いことです。しかし、以下の3つの理由から、あまりおすすめできません。
まず、その意見が本当に信頼できるかどうかわからないという点。次に、誰かの意見で買った株は売り時を判断しづらいという点。最後に、それで失敗しても後悔するだけで何も学べないという点です。
誰かの意見は参考程度にとどめて、最終的には自分で決断しなければ、株式投資はうまくいかないのではないでしょうか。
2.「スクリーニングツール」を使って探す
次に、スクリーニングツールを使って購入銘柄を探す方法があります。スクリーニングツールとは、「PERが15倍以下の銘柄」「株価が前日比5%以上下落した銘柄」など、条件を指定するとそれに該当する銘柄をリストアップしてくれるツールです。
さまざまなウェブサービスがありますし、証券会社も提供しています。そして、このスクリーニングツールが便利なものであることは、間違いありません。前述の「誰かの意見」にも、これを用いて手早くリストアップした銘柄のリストが使われていることが、めずらしくありません。
しかし、どういった条件でスクリーニングするかが重要であり、それは結局個人の判断による、という点に注意すべきでしょう。
確かにコンピュータは、人間よりもずっと速く正確に指定された条件を満たす銘柄をリストアップしてくれますが、本当に重要なのは「どういう条件を指定するか」なのです。指定条件を間違えてしまうと、意味のないリストが出力されるだけとなるでしょう。
そして、スクリーニングしきれない情報があるという点にも、注意すべきでしょう。たとえば「過去〇年の間に自社株買いを〇〇円以上おこなった銘柄」など、そのスクリーニングツールのデータベースにない情報は、検索できません。
また、データベースの更新が間に合わず、最新の情報で検索できない場合もあります。
3.会社四季報や有価証券報告書、公式ウェブサイトなどで地道に探す
最後に、会社四季報や有価証券報告書や公式ウェブサイトなどで地道に購入銘柄を探す方法があります。
会社四季報は「投資家のバイブル」として有名で、全上場企業の情報を一覧できる、歴史の長い株式投資ガイドブックです。有価証券報告書はいわば企業の公的な成績表で、隅々まで読めばその企業のことが相当理解できますし、EDINET(金融庁によって運営される開示書類の電子閲覧システム)で過去の分を読むこともできます。
そして企業の公式ウェブサイトも、その企業のことがよくわかる一次情報といえます。それらを用いて地道に調べていくことで、購入銘柄を探すことができるでしょう。
一番手間がかかりますが、やはりこの方法で購入銘柄を探すのが、最善ではないでしょうか。正確さと情報の多さが他とは違いますので、手間をかけた分だけ、有利な選択ができるでしょう。
なお、前述の「誰かの意見」や「スクリーニングツール」で購入候補銘柄を選び、この方法で細部を調べたうえで買うか買わないかを決める、というのもよいでしょう。
また、街で新商品や新店舗を見つけたとき、ニュースで気になる動きをする企業を見つけたときなどにも、この方法でその企業をよく調べたうえで、株を買うことを検討してもよいでしょう。
このように地道に調べれば調べるほど、購入に値する銘柄も、そうでない銘柄も、明確になっていくのではないでしょうか。
やはり手間をかけた分だけ有利になれる
親しい人やメディアに登場する人など「誰かの意見」によって購入銘柄を探す方法は、あまりおすすめできません。
スクリーニングツールを使って購入銘柄を探す方法は、確かに便利です。ただし、どういった条件でスクリーニングするかが重要であるという点、スクリーニングしきれない情報があるという点には、注意すべきでしょう。
そして、会社四季報や有価証券報告書や公式ウェブサイトなどで地道に購入銘柄を探す方法が、やはり最善でしょう。正確さと情報の多さが他とは違いますので、手間をかけた分だけ、有利な選択ができるでしょう。
川合 一啓 株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
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