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37歳のときに夫が突然死、夫の親族との財産争いも乗り越えて…“生涯現役”を胸に自ら「着物ブランド」を立ち上げた69歳女性【60歳からの生き方図鑑】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月15日 11時15分

37歳のときに夫が突然死、夫の親族との財産争いも乗り越えて…“生涯現役”を胸に自ら「着物ブランド」を立ち上げた69歳女性【60歳からの生き方図鑑】

グラフィック社提供

60歳でモデルデビュー、73歳で自分のお店を持つ、62歳で人生のパートナーに出会う……など、自分らしい生き方をしている60歳以上の女性51人をインタビューした『60歳からの生き方図鑑 いくつになっても「今がしあわせ」と言える女性でありたい』(百田なつき編著・グラフィック社)。本書の中から、「自分らしく生きている女性」を一部抜粋・編集してご紹介します。第2回目は、62歳のときに会社を立ち上げ、着物ブランド「WASOMI.」のオーナー兼デザイナーをしている、井上都裳子さん​にスポットを当てます。

<Profile>井上都裳子さん​ 年齢 69歳 出身地 福岡県 住んでいるエリア 福岡県 同居家族 ひとり暮らし 子ども 息子1人、娘1人 持ち家か賃貸か 持ち家 お仕事・職業 「WASOMI.」のオーナーデザイナー HP https://wasomi.co.jp 年金受給 有

はじめに

――まず、かんたんにあなたについて教えてください。

「WASOMI.」という会社を開業して着物のブランドオーナーとデザイナーをしています。この会社を立ち上げたのは62歳でした。それまでの人生は本当に紆余曲折ありました。

高校を卒業してから製薬会社で働いていたのですが、実家が美容院を営んでいたのもあり、21歳で美容専門学校に入学しました。卒業後はホテルのサカエビューティーサロンに就職。

25歳で結婚を機に退職したあとは、実家の美容院で勤務しました。子どもが生まれた後は夫が営んでいた工務店を手伝っていましたが、37歳のとき、夫が心不全で突然死してしまいました。

それからは夫の会社の代表を私がすることになったのですが、夫の家族と折り合いがつかず、40歳のとき、夫の会社と財産を全て手放して実家に戻りました。

シングルマザーとしてがんばり、47歳のときに二人の子どもはそれぞれの職を見つけて独立したので新しく何かを始めようと思い、立体裁断や立体縫製の洋服のように5分で美しく着られる着物の開発を始めます。

生地メーカーや縫製職人を探しながらクオリティを追求する日々。納得のいくものができるまでは10年かかりました。58歳のときに個人事業を設立。商標登録と国際特許を申請することに至りました。

そして61歳のときに一般社団法人日本起業アイディア実現プロジェクトが主催する「女性起業家チャレンジ制度」というビジネスコンテストでグランプリを受賞。賞金200万円で今の会社を設立できたんです。

<My History> 21歳 美容専門学校入学 22歳 ホテルのサカエビューティーサロン勤務 25歳 結婚を機に退職し、実家の美容院で勤務 26歳 長女出産 30歳 長男出産 33歳 夫が営む工務店に勤務 37歳 夫の突然死 39歳 実家に戻り、実家の美容院で勤務 56歳 着物の開発を始める 58歳 個人事業設立 61歳 ビジネスコンテストでグランプリ受賞 62歳 起業

「5分で美しく着られる着物」の開発に費やした10年間

――現在のあなたについて詳しく教えてください。

「WASOMI.」という会社を経営しています。5分で美しく着られる着物をコンセプトに、独自のデザインで立体裁断&立体縫製の3D着物を開発。オーダーメイドで着物を仕立てます。丸洗いができてノーアイロンでもOK。洋服ハンガー収納も可能です。

このオリジナルパターン(型紙)は、3000人以上の試着体験を繰り返し、私と縫製職人5名とパタンナー1名の開発チームで、10年の歳月を要しました。

67歳のときには、日本の良きものと良きことを世界に発信したいと、「一般社団法人グローバル和活和育®」を設立して理事となりました。

イベント開催も行なっています。会社を設立してからは、愛用してくださる方がランウェイするファッションショーを毎年開催。

2023年には世界遺産の宮島で「着物で漫ろ歩き&ファッションショー」を開催できました。

また、私は、母の介護中でもあります。母の介護は私が55歳のときから始まりました。認知症です。その5年前に父も重度の認知症になりました。母の老々介護も限界になってきたときに父は施設に入所しました。

母は軽度の認知症なので、一緒に暮らし、デイサービスに通っています。母の介護をしながら起業できたことは、私の誇りでもあります。

夫の親族からの仕打ち…財産をすべて手放し実家へ

――人生でいちばんつらかったことを教えてください。

37歳のとき夫が心不全で突然死したときです。子どもたちはまだ11歳と7歳でした。シングルマザーとなり、二人の子どもたちを育てながら経済的に自立するために必死でした。夫の会社は、私が代表取締役になって守っていくと思っていたので、その責任もあり、落ち込む暇なんてありませんでした。

しかし、夫の弟二人と、姉二人、そして義母のいじめが待っていました。財産争いもあったんです。それが嫌で、夫の会社と財産は全て手放して実家に戻ることにしました。

目指すは“年金に頼らない”経済的自立

――お金について将来に不安はありますか。

年金は月に7万円程度いただいていますが、年金に頼らない経済的自立を構築すると決意しています。 ですから、健康維持がいちばん。生涯現役で稼ぎ続けると決めています。そのためには覚悟と努力、知識が必要だと感じています。

ビジネスをしているので、経費がほとんど。個人消費の出費は少ないです。役員報酬はゼロですが、家賃は社長社宅としています。

ジャパンデイ出展を目標に邁進中

――夢や目標を教えてください。

生涯現役!

具体的には、国際特許を取得した国の主要都市で開催されているジャパンデイに出展したいです。また、大好きなロイヤル・カリビアン・クルーズに着物を10セット持って、営業を兼ねた船旅をしたいです。

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