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「多忙な人」こそ即実践!…長寿食〈ヨーグルト〉の健康効果を高める「最強のトッピング」【長寿研究の第一人者が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月13日 10時0分

「多忙な人」こそ即実践!…長寿食〈ヨーグルト〉の健康効果を高める「最強のトッピング」【長寿研究の第一人者が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

健康長寿のために欠かせない「たんぱく質」。手軽に摂取できる食材として「ヨーグルト」が挙げられます。医学者である家森幸男氏は、「乳製品を多く摂る人ほど認知症になりにくい」といいます。家森氏の著書『80代現役医師夫婦の賢食術』(文藝春秋)より、効果的な乳製品の食べ方について、詳しくみていきましょう。

「乳製品」=認知症になりにくい

「たんぱく質」は健康長寿の鍵となります。

日本では今、85歳以上の男性の17.2%、女性は27.9%が低栄養状態であり、筋肉の衰えたフレイルの状態になりやすいと言われています。それが健康寿命を損なうことにつながるのですが、その大きな原因がたんぱく質摂取の少なさです。

血液の中のたんぱく質量を表す血清アルブミン値の多い人から少ない人までを4群に分けて、追跡した調査では、アルブミンの少ない人ほど早く亡くなり、アルブミンの多い人は長く生存したという結果が出ています。

乳製品は手軽なたんぱく質源となりますが、実は、中でも、ヨーグルトはアルブミン値が上がりやすいことが判明しています。

牛乳に粘り気をつけたプラセボ群と比べると、ヨーグルトのほうが、発酵して吸収されやすいのか、アルブミン値がよく上がりました。

また、乳製品の摂取が認知機能をよくするというデータもあります。

九州大学が福岡市に隣接した糟屋郡久山町(人口約9,000人)の住民を対象に1961年から追跡調査した久山町研究では、乳製品を多く摂る人ほど認知症になりにくいということが分かっています。

60歳以上の男女1,081名を対象とし、乳製品の摂取量を多い方から少ない方まで4群に分けて調査したところ、アルツハイマー病は、乳製品の摂取が少ない群を100%とすると、乳製品摂取の一番多い群で63%、血管性認知症(脳卒中が原因で起こることが多い)では69%という低い発症率でした。

また、大豆、魚や海藻、野菜、乳製品を多く摂っているグループは、そうでないグループに比べて認知症の割合が6割程度に抑えられていました。特に脳血管性の認知症が半分以下に低くなっています。

大豆、魚、海藻、野菜と乳製品というのは非常に示唆的です。

大豆、魚、海藻、野菜は、和食の特徴でもある長寿食材です。ただし普通に食べると塩分が多くなりがちです。そこで、それらにプラスして乳製品を摂ることで、塩分の害を打ち消すカリウムやマグネシウム、カルシウムが摂れるのです。

ヨーグルトを自分で育てる

私も長年、家でカスピ海ヨーグルトを手作りしています。

ヨーグルトの種菌に普通の牛乳を加えれば、ヨーグルトは作れます。最近は種菌が食品メーカーのフジッコなどで通販されていて入手しやすいです。牛乳などを注ぎ足せば、ヨーグルトを繰り返し作れるのです。

手軽に作るには、開封した牛乳や豆乳のパックの中に、そのまま種菌を入れるとよいでしょう。器を殺菌する手間を省けます。また、専用のヨーグルトメーカーで作ると、温度管理や発酵後の冷蔵も自動でしてくれますので、非常に便利です。

私は長年、牛乳を入れて作ってきましたが、最近では豆乳で作ることもあります。そうすると、ヨーグルト自体にすでに大豆が入っていることになりますので一石二鳥なのです。いろんな豆乳で試してみましたが、おからの成分も入った無調整の豆乳だと、ヨーグルトの種菌と相性がよく、粘り気のあるいいヨーグルトができます。

いろいろなもので試して作りたいので、もととなる牛乳を加えたヨーグルトの種菌はつねに手元に残しておくようにしています。

手作りではなく市販のヨーグルトを選ぶ場合は、無糖のものを選んでください。甘いヨーグルトは意外に多く糖分が加えられています。

そして、少なくとも一週間くらい同じ種類のものを食べ続けてみるといいと思います。腸内細菌叢は、個人差が大きいので、ヨーグルトの菌との相性にも差があります。1週間食べ続けても、お通じがよくなるなどの効果が感じられない場合は、別の種類のヨーグルトに替えてみましょう。

自分にとって効果の感じられるものを探すのがおすすめです。

また、ヨーグルトを摂るのは、私は朝ですが、私の友人で夜にヨーグルトを摂るようにしてから20年、毎朝快便が続いて喜んでいる方もいます。

最強のトッピングは?

私は朝にさまざまなものをトッピングしたヨーグルトを食べます。牛乳のヨーグルトでしたら、大豆の粉である、きな粉を加えます。また、タウリンなどの海の成分を摂るために、じゃこやとろろ昆布などを加えます。バナナや、レーズンなどのドライフルーツを入れたり、最近では乾燥野菜を入れたり、クルミやアーモンドなどナッツ類を加えたりして楽しみます。

どうしても甘味がほしい人は、はちみつがスローカロリーなのでおすすめです。

このようにいろいろなものをトッピングすれば、健康によい「ま(大豆など豆類)・ご(ごまやナッツなど種実類)・わ(ワカメなど海藻類)・や(野菜)・さ(魚介類)・し(しいたけなどきのこ類)・い(いも類)」食材のうち、「ま・ご・わ・や・さ」の5種類を摂ったことになります。

朝の一食だけで、非常にバランスのよい食事になりますから、時間のない現代人にぴったりですよね。

朝にヨーグルトをきちんと摂っておくと、昼夜に塩分(ナトリウム)を多少摂っても、その害を打ち消してくれるカリウム、マグネシウム、カルシウムなどが多く摂れるので、とてもありがたいところです。

ヨーグルトはお料理や、お酒を割ったりするのにも使えます。私は以前、「死ぬ前に飲んだり食べたりしたいものは?」という取材を受けた時に、「赤ワインのカスピ海ヨーグルト割り」を挙げました。ロゼのような色で、やわらかい味となり、アルコールの吸収を抑え健康にもよいと思います。

日本では、ヨーグルトはデザートのように思われている方が多いかと思いますが、マサイ族にとってはそれこそ主食ですから、食事として考えればいろんな食べ方のアイディアが湧くと思います。

結局、世界最強の長寿食というのは、東洋と西洋の知恵の融合だと思うのです。大豆とヨーグルトを合わせた「豆乳のヨーグルト」も一つの可能性ですし、また、大豆を西洋でも摂りやすく加工した大豆ミートなども、さらに広まれば、世界の人々の健康寿命を延ばすことに役立つのではないかと期待しております。

家森 幸男 武庫川女子大学健康科学総合研究所 国際健康開発部門長

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