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40代の転職ハードルはまだまだ高い…「会社を辞めたい」という苦悩をキャリアチェンジのエネルギーに変える方法【転職のプロが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月12日 7時45分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

若い世代にとっては転職のハードルはそれほど高くなく、いまや1つの会社に居続けるほうがめずらしい時代といえるかもしれません。しかし40歳以上のサラリーマンにとっては、転職というセカンドキャリアへのチャレンジはまだまだハードルが高いといいます。そこで本記事では、数多くのキャリア相談に取り組む木村勝氏による著書『会社を辞めたいと思った時に読む セカンドキャリアの見つけ方』(ビジネス教育出版社)から一部抜粋し、「会社を辞めたい」という気持ちを「転職」のためのエネルギーに変換するコツについて解説します。

セカンドキャリア推進には強力なエンジンが必要

転職を前提に会社に入社してくる新入社員がいる一方で、新卒一括入社のもと入社してきた多くのミドルシニアサラリーマン(40歳以上のサラリーマン)にとって、セカンドキャリアチャレンジはまだまだハードルが高いものがあります。

入社後は、同期横並びで受講する新入社員研修を手始めに3年目研修、主任研修、課長前研修と段階を踏んだ手厚い層別研修を受けていきます。こうした研修では、新卒で入社した今の会社でいかにキャリアを積み上げていくかに教育の焦点が当てられています。

知らないうちにキャリアは今の会社で積み上げていくものというマインドが植え付けられていきます。こうした研修を受けてきたミドルシニア層にとっては、(大げさではなく)まだまだ自分でキャリアを変えることは「清水の舞台から飛び降りる」覚悟が必要です。

大企業ほどこうした層別教育が精緻に組み込まれていますので、ご自身が大企業に勤めている場合には、セカンドキャリアの踏み出しに関しては、高いハードルが無意識のうちにセットされていることを意識しておく必要があります。

また、年齢が上がるほどセカンドキャリアへの踏み出しのハードルは高くなります。

30代までは、自分だけのキャリアを考えておけばいいですが、40代になると結婚に伴いパートナー(配偶者)という役割や親という役割も付加されてきます。30代のように自分の事情だけではキャリアを考えていけなくなるのです。

また、新卒で正規従業員として入社したサラリーマンの場合、今なお20代より30代、30代より40代の給与が高いという年功的賃金の〝恩恵〟をまだ受けています。

専門性を持たずに一社専従型キャリアを歩んできたサラリーマンほど年齢が上がるにつれ、キャリアを変えることによる収入面でのダウンリスクが大きくなります。

「会社を辞めたい」というエネルギーは強力な推進力を持つ

新聞や雑誌の特集で現在組織のトップとして活躍する経営者の若手時代を紹介する記事をよく見ることがあります。

多くの場合で、若手時代にはキャリアについて真剣に悩み、「会社を辞めることを真剣に考えた」「実際に会社を辞めた」ことによって新たなキャリアを切り開いていったことが紹介されています。

キャリアチェンジを果たした多くの先人も「会社を辞めたい」からその第一歩は始まっています。次のキャリアを考える際に「会社を辞めたい」という思いほど強い原動力になる力はないのです。

振り返ってみると、筆者の場合も真剣にキャリアに向き合ったのは、「もう今の会社に行きたくない」「今の会社を辞めたい」と思ったタイミングです。

夜も眠れないほど今の仕事・会社について真剣に悩み、頭から湯気が出るほどキャリアについて考えたのもこうしたタイミングです。

こうして沸き上がってきた思いは、セカンドキャリア推進の大きな力になります。その際には、蒸気機関と同じように沸騰した蒸気(辞めたいエネルギー)そのままでは使い物にはならず、蒸気を前に動かす動力に変えていくことが重要です。

以下に「会社を辞めたい」という思いをネガティブからポジティブなエネルギーに変換するためのポイントをまとめておきましょう。

【エネルギー変換のポイント】

①「会社を辞めたい」という思いを妙な罪悪感で捉えない

②まずは熱を冷ます→「辞めたい」思いを黒白の色をつけずにそのまま受け入れつつ、その一方で第三者目線(冷静な目線)を持つ

③「会社を辞めたい」という思いをきっかけに、必ず1つの具体的な行動に落とし込み、確実に実行する

まず①についてですが、心の奥から抑えきれずに沸き上がってきたこうした思いですが、どうしても「自分が弱いから辞めたいと思うのに違いない」「周囲のみんなも頑張っているのに自分は頑張りがまだ足りない」という〝妙な罪悪感〟を感じがちです。

沸き上がったせっかくのエネルギーを心の奥に抑え込むことは負のエネルギーを蓄積することになり、セカンドキャリア推進のブレーキになりかねないので要注意です。

次に②についてですが、「会社を辞めたい」と思ったときは、怒り・不安・絶望感など様々な思いが交錯しどうしても冷静さを欠けがちです。こうした時ほど大きく息を吸って冷静な第三者目線を持つことが重要です。

キャリア相談をする場合でも、身近な社内の同僚、上司ではなくではなく客観的に状況を見ることができる利害関係のない社外の人に相談することもポイントになります。

③に関しては、良い意味で自分のキャリアにおける「背水の陣」を敷き、一過性の感情の沸き上がりにとどめることなく、常に「健全な危機意識」を持ち続けることが重要です。

「会社を辞めたい」という思いが沸き上がってきたのは、自分に対して「立ち止まって考えろ」「(その上で)行動を起こせ」というシグナルが出ていることに他なりません。

「会社を辞めたい」をきっかけに「自分のキャリアは自分で決める」という覚悟を持ち、「会社を辞めたい」という思いを強い推進力としてセカンドキャリアにつなげていくことが、「人生100年・現役80歳時代」を生き抜いていくために必須のスタンスです。

木村 勝 行政書士 リスタートサポート木村勝事務所 代表

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