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「保険料が安くなります」←保険会社はそれでも儲かる恐い理由…保険外交員に〈狙われやすい契約内容〉の共通点【CFPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月15日 11時30分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

保険外交員からの売り文句として「保険料が〇〇円安くなります」と加入中の保険の見直しをおすすめされたことのある人は多いでしょう。では、保険料が安くなるのに、営利企業である保険会社が儲かるのはなぜなのでしょうか? 本記事では保険を検討・見直しする際、保険会社の思うつぼと陥らないよう、契約者として考慮すべきポイントについて、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。

保険会社「保険料が安くなります!」

生命保険は契約者全員が保険料を出し合い、ある契約者が万が一の状態となったときに保険金を支払うという相互扶助の仕組みをとっています。

契約者が支払う保険料には一定の利益を見込んだ率を組み込んでおり、契約者が死亡したときに支払う保険金や、解約をしたときに支払う解約返戻金、保険会社の運営のための費用などさまざまなものを予定率として計算しています。

一定程度の利益を見込んだ保険料設定を行っているため、保険会社としては保険を続けてもらうほど運営上有利ということになります。

とはいえ、保険料を安くしてまで見直すことにどんなメリットがあるのでしょうか?

予定利率の高い保険から低い保険への見直し

予定利率とは、保険会社が保険契約者に対して将来の保険料の一部を運用する際の利率のことです。これは、保険料の一部を預かって運用することで生まれる利益を見込み、その分を保険料から割り引いたり、解約した際の積立金の返戻率という形で設定されます。

簡単にいえば、保険料や契約返戻金の戻り率を決める際に使われる利率のことです。予定利率が高い保険のほうが、低い保険と比較して保険料が安く、積立型の保険の場合は返戻率が高い(増える割合が大きい)ものになります。

一般的にバブル直後の1980年後半がピークで、それ以降は下降傾向となっています。積立型保険を例にとると、1980年後半ごろには予定利率5%といういまでは絶対にあり得ないような高利率の保険も販売されていました。保険会社からしたら、いまの状態では儲けのない商品となっていても、約束された利率で増やさなければならないため、高利率の保険は負担となるわけです。

高い予定利率から低い予定利率への保険契約の見直しは、保険会社から見たらメリットとなります。見直しの結果、たとえ保険料が安くなってしまったとしても現在の予定利率を鑑みればメリットのほうが大きいのです。

契約者が注意すべき点は、上記のような見直しを行った場合、戻り率が下がるなど、見直しに対してメリットを受ける可能性は低くなることがあります。保険料が安くなるとはいえ、これまでと比べて低い予定利率の保険だった場合、一般的には将来の解約返戻金の返戻率が下がるのです。

「保険料を下げることができる」という考えのもと、高い予定利率の保険を見直しする際は注意が必要です。

保障内容の見直し

保険料が下がるということは、その分保障内容が変わるということが考えられます。たとえば、お子様が社会人となることで大きな保障は必要なくなったり、定年を迎え年金生活となり死亡メインの保障から病気・ケガがメインの保障へ見直したりする等です。

一定年齢に達すると更新を迎えるタイプの保険の場合、加入時の保障内容のまま継続を行うと一般的に保険料は増えていきます。更新時の年齢で保険料が再計算となるからです。ある程度のライフステージが進むと、どのご家庭でも必要保障に変化は生じます。

結果として保障内容を調整することで保険料が下がることもあります。見直しの際は、自分にとって必要な保障内容となっているかを確認しましょう。不必要と感じる保障がついていたり、逆に望む保障がついていなかったり、足りない保障額、積立部分を取り崩した見直し等、さまざまな見直し方法があります。

見直しによって保険料が下がる理由を確認することが大切です。

見直しが「悪」というわけではない

前述のとおり、どのご家庭でも出産、住宅購入、お子様の進学・結婚、孫の誕生、定年退職といったライフステージの変化があり、それらに伴い必要保障は変化していきます。ライフステージの変化に合わせた適正な保障額に見直すことで、結果として保険料が下がるのであればいいことです。

特に掛け捨て型の保険は、各社保険料水準を毎年のように改定し、保険を検討する方にとって求めやすい水準となるよう企業努力を重ねています。見直しを行うことで最新の保障内容にグレードアップすることも期待できるので、見直し後の内容にメリットを感じるのであれば前向きに見直しを検討されることをおすすめします。

比較的低廉な保険料で大きな保障を持つことができるのは生命保険の大きな特徴であり、保険会社の存在なくして生命保険に加入することはできません。生命保険を組成しているのは保険会社であり、保険会社が利益を上げ続けて存続することにより私たちの保障が守られているともいえます。

とはいえ、すべて保険会社(の外交員)に任せきりにせず、ある程度自分に合った保障を自分で選べるようにしたいものです。

見直しのチェックポイント

見直しのチェックポイントは以下です。見直しを勧められた場合には、一度確認するようにしましょう。

· ずっと続けてきた積立型の保険は特別な事情のない限り続けたほうがベター

· 保険料の安さにとらわれない(見直しによって保険料が下がる理由を確認する)

· 民間の保険だけで補おうとしない(公的保険制度の活用)

保険会社間で保険料設定に差が…比較検討の重要性

保険会社の間あいだでも、販売している保険の保険料設定に差があります。たとえば、死亡保障3,000万円で10年満期の定期保険をA社は〇〇円で販売しているが、B社はA社に比べて〇〇円安い〇〇円で販売している、といった具合です。

冒頭のとおり、保険料にはそれぞれ予定率が定められており、各社が見込む経費や利益には差があるため同じ保障内容でもこのように差が出てくるのです。言い換えると、保険会社によって得意な商品・苦手な商品があるともいえます。

保険を検討する際には、複数の保険会社を比較検討し、自分に有利な商品を選べるようにしましょう。

伊藤貴徳 伊藤FPオフィス 代表

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