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中学受験、〈難関校〉人気はいわずもがなだが…〈名も知られぬ学校〉でさえ「桁はずれの志願者」を集めるワケ【ライフキャリアコンサルタントが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月18日 15時15分

中学受験、〈難関校〉人気はいわずもがなだが…〈名も知られぬ学校〉でさえ「桁はずれの志願者」を集めるワケ【ライフキャリアコンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

教育に対する親の考え方は、時代とともに変化していきます。現代のような不確実性の時代に、我が子にとっての最善の教育環境はどのように選べばよいのでしょうか? 本記事では、ライフキャリアコンサルタントの江野本由香氏が自らの実体験を通して、子どもの教育環境の選び方について解説します。

今後ますます広がる教育格差

日本の義務教育課程には、日本全国どこへ行っても同じ水準の教育を受けられるメリットがあります。初等教育純就学率はほぼ100%の状況で、子どもたちの教育は一定水準担保されているといえるでしょう。

小学校・中学校で導入されている給食は、栄養面だけでなく、子どもたちの楽しみや食育にもつながっていて、世界的に見てもかなり優秀なものといえます。

しかし、このように恵まれた公教育があり、経済は低迷が続くというのに、大都市圏を中心とした一部地域ではありますが、小学校受験や中学校受験をする人数は微減・微増をくりかえしているのです。

私は小学校受験塾の講師として年長クラスを担当し、毎年多くのお子さまを志望校へと送り出しています。そこで保護者に必ず伺っていることがあります。「なぜ、小学校受験をなさろうと思ったのですか?」と。その理由はさまざまありますが、共通していえることは「子どもをよりよい環境のなかで育てたい」ということです。

近年では求める環境が多様化しているように感じます。2000年代ごろまでは、「伝統校に入りたい」「受験はもうさせたくないから、大学まである小学校に行かせたい」と考える家庭が多かったです。

2010年代に入ってくると、中学受験を目指す小学校や、机上の勉強だけでなく体験や本物に触れる機会の多い小学校など、特徴ある教育を打ち出している学校の人気が上がっていきました。以前は母親が仕事をしていると不利ともいわれていた小学校受験ですが、女性の就業率が上がったいまは、共働きの家庭でも無理なく通わせられる仕組みのある学校が増えています。

中学受験では「難関校」と呼ばれる学校の人気は相変わらずですが、いままで名前も知られていない学校でも桁はずれの志願者を集めるところが多々あります。親がそれぞれの学校の特色をよく見極めて、我が家にとっての価値、我が子にとっての価値を見極めるようになったからではないでしょうか。

お金がかる私立学校だけでなく、国立や公立学校にもそれぞれ特色ある教育をおこなうところが増えつつあります。公立でも小中高の一貫校や中高一貫校が出現。ほかにもインターナショナルスクールや多様な形態のフリースクールなどもあります。

就学年齢になれば指定された小学校・中学校へ通うといった、義務教育を中心とした一斉型の学びの道筋から、我が家の教育方針を軸とした学びの選択をする世の中へ少しずつ変化していることを感じます。

親として子どもが過ごす場や学びの場を主体的に考えるかどうかで、教育格差はこれからますます広がっていくことでしょう。

多様化する学びの選択肢

私の子どもたちが通っていた保育園は4歳になった年度末で転園しなければならない園でしたが、転園のタイミングは自分が子どもをどう育てていきたいかを見直す、よいキッカケとなりました。

規則正しい生活、栄養満点の給食、外遊びなど、子どもが主役の保育園での生活に大変満足していましたが、同じクラスにいた女の子が転園のタイミングで幼稚園受験をしたことから、私の子育ての道筋は大きく変わっていったのです。

息子の転園前の半年、下の娘の育休期間で、息子はサッカーやピアノの習いごとをしていたため、専業主婦のママ友がたくさんできました。ママ友から幼稚園の教育内容を聞くたびに、保育園での教育はどうなっているのかが気になりはじめました。

1日中どろんこになって遊ぶ保育園の生活に満足しながらも、息子のこれからの学びの道筋について、少しずつ考えるようになっていきます。その後も小学校・中学校などステージ毎に、「子どもにとっての最善とは何か」を考え、子どもたちみずから選択できる環境を整えながら、学びの選択をしてきました。

日本においては、保育園・幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学など、子どもの成長段階に応じて学びの場が用意されており、中学校までは公立学校へ就学するケースが多く、進路について初めて考えるのは中学卒業時が多いものです。

多様な生き方、価値観、教育機関が存在するいま、もっと早い段階から子どもの学びの道筋を考える必要があるのではないでしょうか。

最初の選択は、生まれてまだ1歳や2歳の幼い我が子を、自宅で育てるのか、保育園やベビーシッターなどの保育サービスを利用しながら育てるのか。自宅で親が主体となって育てる子育て。集団生活の保育園や、専門家であるベビーシッターと過ごす子育て。それぞれにメリット・デメリット、特徴があります。

保育園とひとことでいっても、設置が自治体、民間、自治体から委託を受けた民間業者など、いろいろな形態があり、対象年齢や保育内容もさまざま。保育園に通っていた子どもが幼稚園に入れる年齢になれば、保育園から幼稚園に移る家庭もあります。

少子化の影響を受けて、さまざまな特長をもった幼稚園も増えてきました。外部から講師を招き、運動・リトミック・英語・パソコン教育といった時間割がびっしり組まれている園は、習いごとへ連れていく時間のない親からすると、ありがたいかもしれません。一方、子どもの主体性を育てる自由保育も根強い人気です。

このほか、幼稚園と保育園が一緒になった「こども園」、インターナショナルスクールなど、保育・教育内容もさまざまです。どのような環境で育てたいのか。実際に園に足を運び、親の目でしっかりと確認してから決めたいものです。

小学校以降も国立・公立・私立と設立区分があり、小学校だけのものから、小中高の一貫校、中高の一貫校、大学の付属校など、さまざまな形態があります。とくに大都市圏は、幼稚園や小学校から受験する子も一定数存在し、2023年の首都圏における中学受験者数は5万人を超え、地域によってはクラスの半分以上が受験するところもあるのです。

賛否ある低年齢の受験

低年齢の受験には賛否ありますが、私はやり方さえ間違わなければ、家族の絆を強くし、子どもが自分の頭で考え、行動する力と困難なことにも立ち向かう勇気を育む最適な機会だと考えています。

我が家の子どもたちは、小学校受験、中学校受験、大学受験と経験してきました。小学校受験では、国立・私立小学校は学校数も少なく、子どもが無理なく通える範囲は片道1時間くらい。さらにそのなかから我が家の教育方針に合った学校を選ぶとなると、かなり選択肢は限られました。

しかし、中学受験になれば学校数も増え、通える範囲も少し広がっていきます。12歳ともなれば、自分が行きたい学校を選ぶこともできるようになっていきます。大学受験ともなれば、日本国内だけでなく、海外大学まで選択の幅が広がり、将来自分が目指したい職業や生き方に向けた広い視野をもって、進路選択ができるようになることを実感しました。

どのタイミングで受験するのか。我が子の生きる力を育むために、どのような学びの環境を選ぶのか。我が家軸を基準に考える必要があるのです。

江野本 由香 ライフキャリアコンサルタント

※本記事は『キャリアと子育てを両立する!自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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