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父〈月収42万円・45歳サラリーマン〉の「ねんきん定期便」をチラ見した高1の息子「少なすぎて怖い…」とショックを受ける「唖然の年金額」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月3日 7時15分

父〈月収42万円・45歳サラリーマン〉の「ねんきん定期便」をチラ見した高1の息子「少なすぎて怖い…」とショックを受ける「唖然の年金額」

毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」。老後を見据えた資産形成を進めるうえで、どれほど年金がもらえるのか、見通しが立てられるので、しっかりとチェックしておきたいもの。ただ何が書かれているか知っておかないと、ショックを受けることもあるようです。みていきましょう。

45歳父の「ねんきん定期便」に記された年金額…息子が「少ない」と感じたワケ

――勉強だと思って気軽にみせたら、ショックが大きかったみたい

45歳だというサラリーマン。誕生月に届いた「ねんきん定期便」に対し、「なにこれ?」の高校1年生になる息子。「将来受け取れる年金額が書いているんだ」と見せたところ、「えっ、これしかもらえないの……」と大きなショックを受けたようだと綴っています。

自身の年金記録が記載された「ねんきん定期便」。チェックポイントは、保険料の納付実績と、それに基づく年金額。50歳未満であれば、これまでの加入実績に基づく年金額が記され、50歳以上は、給与水準が今後横ばいで推移し、60歳まで年金に加入すると仮定して計算された見込額が記されています。

つまり、高1の息子がみた年金額は、20~45歳までの加入実績に基づくもの。今後、一切年金保険料を払わなかったとしたら、これまでの実績でいくらもらえるかが記されているので、少ないと感じて当然です。

ちなみに35歳、45歳、59歳と、節目となる年の「ねんきん定期便」は、ハガキではなく、封書でくるスペシャル版。ほかの年の保険料の納付状況は直近13ヵ月分ですが、これらの年には全期間の納付状況が記されているので、納付忘れをきちんとチェックすることができます。

大学を卒業して以来、地元企業(従業員100人未満)で働いてきたという男性。仮に大卒からいままで、平均的な給与を手にしてきたとしたら、45歳の「ねんきん定期便」に記されている年金額はいくらか、考えてみましょう。

企業規模30~99人規模に勤務する大卒サラリーマン(平均44.3歳)の平均給与は、月収で36.6万円、年収で555.2万円。45歳だという男性の給与は、月収で42.2万円、年収で652.6万円です。

老齢基礎年金の受取額は、「年間受給額=年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で計算できます。老齢厚生年金の受給額は、平成15年3月以前は「①平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの加入期間の月数」、平成15年4月以降は「②平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以降の加入期間の月数」で計算できます。

ざっと計算すると、前出の男性が、現時点でもらえる年金額は老齢基礎年金が月3.7万円、老齢厚生年金が月4.9万円。合わせて月8.6万円ほど。これが父親が老後に受け取れる年金額だとすると、ショックを受けるのも頷けます。

45歳で月8.6万円…「65歳」では年金額はいくらになっている?

ショックを受ける息子に、これは現時点の金額で、これからも働けばその分、年金は増えることを伝える父。では、引き続き、中小企業勤務の大卒サラリーマンの給与の平均額を手にしてきたとしたら、65歳から受け取る年金額はいくらくらいになるのでしょうか。

老齢基礎年金は満額支給だと月6.8万円。いまどき、60歳定年後も働き続け、年金をもらうタイミングで現役引退というパターンがスタンダードになりつつあるので、65歳まで厚生年金保険料を払い続けたと仮定しましょう。こちらもざっと計算すると月8.2万円。合計月15万円ほどになります。

この金額にホッとする息子……といきたいところですが、果たしてホッとできるでしょうか。この金額はあくまでも額面。実際に手にする年金額は額面の85~90%程度とされています。つまり、実際は12.8万~13.5万円程度。やはり「すくなっ!」とショックを受けてしまうかもしれません。

さらに息子は父の将来の年金額にショックを受けていますが、息子が手にする年金額はもっと少なくなる可能性が高いと言わざるを得ません。

公的年金財政の定期健康診断に当たる「財政検証」。5年に1度行われ、それが2024年の今年に行われますが、前回2019年に行われた際の将来の年金シミュレーションでは、2040年代、現状水準の2割目減りは確実とされました。

つまり、実際に父が手にする年金額は10.2万~10.8万円ということになります。これが2040年代。息子が65歳を迎える2070年代はどうでしょう。むしろ65歳から年金をもらうことはできるでしょうか。少子高齢化の進行で一段と財政事情が厳しくなっている、という現在の流れを考えれば、年金の受取年齢は70代に引き上げられている可能性も。

あまりに不確定な未来を考えても無駄かもしれませんが、どうも年金だけでは老後、生きていくのは厳しいらしい、というのは、これから年金を受け取ることになる全世代共通。親子でそれぞれの将来を見据えて、どうすればいいのか対策を考える……とても有意義な時間を過ごせそうです。

[参考資料]

日本年金機構『大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています』

厚生労働省『将来の公的年金の財政見通し(財政検証)』

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