若さゆえの特権を最大限活用…。20代・30代こそ「米国株長期投資」が最適な理由【若手税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月20日 11時45分
画像:PIXTA
「若いうちから投資を始めるべき」という言葉をよく耳にしますが、その理由を明確に知ることで、投資を始める意欲が湧くかもしれません。投資と聞くと詐欺やリスクを心配される方も多いと思いますが、リスクを理解し、学びながら納得して行う投資は有益です。平均年齢が60代の税理士業界で、23歳で税理士登録をし、26歳で独立を果たした安江一勢氏の著書『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』(すばる舎)から、一部を抜粋して紹介する本連載。安江氏が、これから投資を始める若い方におすすめの投資方法を解説します。
まずは投資信託に「月1万円ずつ」から
投資と聞くと、一般的には株式を売り買いするというイメージがあるかもしれませんが、それは短期の株式投資のことを指します。
それに対して投資信託は、基本的に長期的な運用です。10年以上の長い目を見て投資をすることで、じんわりと運用益を出していく方法です。そのため、出したお金が減るという元本割れのリスクは短期売買よりも少なく、そのぶん返ってくるお金のリターンも短期売買よりは少ないです。
今日投資したお金が来年には2倍になっているということは、投資信託による投資においては基本的にあり得ません。そういうものではないのです。
短期売買により継続的な利益を出すためには、大きなお金を動かすか、プロ以上の知識を身につけるしか方法がありません。当然そういう道を目指すのも悪くはないですが、それは投資が大好きな人しか足を踏み入れることができないでしょう。
もし、あなたにそこまでの情熱がないのであれば、短期売買による株式投資をすることはやめておきましょう。勝つ確率が限りなく低いですから。
それであれば長期的にじっくりと運用をする投資信託での投資をおこない、将来に向けた貯金と積み立てを、お金を増やしながら賢くおこなっていきましょう。この恩恵を最大限に受けられるのは「若さ」という武器を差し出せるからです。
長期投資は若いうちからはじめることができれば、高い確率でお金を増やしていくことができます。時間を投資にまわすことができるのは、若さゆえの特権なのです。
たとえば投資初心者にもっともオススメで、多くの人がおこなっている方法としては、貯金代わりに、毎月1万円ずつを投資信託に預け入れ、アメリカの主要株式で運用するというものがあります。
アメリカの主要株式とは、主にS&P500のことを指します。これはアメリカで上場している会社の代表的な500銘柄から平均的な株価を出したもので、アメリカ経済と連動すると言われています。AppleやAmazonなどの世界的企業が名を連ねており、それらの会社が成長をすればするほど、株価は上がっていくことになります。
つまり、アメリカの経済が下火にならない限り、理論上株価は上がり続けることになり、中長期的に保有をしておくと、運用益が出やすくなります。
ただ、あくまで「理論上」です。未来はどうなるかわからないうえに、投資なので、確定はできません。ですが、投資というリスクを取るうえでは、比較的リスクの低い投資であると言えます。
投資初心者は「中長期的な目線」が大事
さらにリスクを下げるためには、さまざまなものに投資をおこない、ポートフォリオを組むこともオススメです。ポートフォリオとは組み合わせのことを言います。
リスクの高いものと低いものを組み合わせたりして、その銘柄に投資先に対する依存をなくすことができます。投資に慣れてきたら、バランスよくポートフォリオを組むことで、リスクを分散させていきましょう。
当然、投資の知識に詳しくなれば、個別に特定の企業に投資をしたり、攻めた銘柄に投資をしたりすることは可能です。
もし、あなたがそこまで投資に興味があるのであれば、勉強をして、自分がいいと思うものに投資をしていきましょう。
本書は、あくまで「投資初心者」や「これから投資をはじめる人」「とりあえず運用をしておきたい」という人向けにお伝えをしています。私も投資の深い勉強をするよりも、自分の仕事を極めてお客様に価値を提供したいと思っているので、この米国株長期投資をとりあえずおこなっています。
また、経済成長は中長期的に緩やかにおこなわれます。だからこその中長期的な投資が必要になっていきます。この選択を取れるのも、10年後も20年後も元気に働ける自分だからです。
現在30歳の人と60歳の人とでは、お金を投資にまわせる「期間」が異なります。極端な例でいくと、30歳の人は50年間投資し続けられるかもしれませんが、60歳の人はいまの平均寿命から考えると、50年間は投資し続けられません。
いまの生活が困るくらいまで投資をする必要はありませんが、「計画性貯金」に充てている貯金は、預金ではなく投資でお金を運用させながら、貯めていきましょう。そうして預け先を変えておくだけで、10年後や20年後に、あなたの手元に残るお金は何倍も変わることがあるくらいです。
利回り6%の運用であれば、20年間投資を続けていけば、20年後には、その積み立てたお金はおよそ2倍になります。利回り(投資信託における利率のようなもの)が平均よりも高すぎるものは、それだけリスクが高いのでオススメしませんが、平均くらいのものであればそれほどリスクも高くありません。
ほかにも具体的にご紹介すると、私は会社員のころにセゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」で投資信託での積み立てをはじめました。月1万円の積み立てからはじめましたが、やってみて大成功。数年経ったいま、しっかりと増えており、投資に対する怖さもなくなりました。
難しいことを考える必要はありません。投資信託によってお金が減るリスクよりも、投資信託をしないことによる「お金が増えない」という機会損失のほうがもったいないです。
それでもまだ怖いという方は、楽天カードを利用したときについてくる楽天ポイントでのポイント投資もオススメです。それはローリスクではなく、ゼロリスクですから。
安江 一勢
税理士
外部リンク
- なぜ物価の安いエリアに引っ越さないのか―― 東京都港区の貧困層、大都会の片隅で #令和のカネ #令和の親
- 〈月収77万円〉59歳の大企業部長、60歳定年「再雇用」か、それとも「退職」か…会社を去る人たちの自滅パターン「何か間違いでは」
- 「すまん、どう考えてもムリ」娘は私立中学、息子は…年収950万円でも家計切迫「東京だったら…」 #令和のカネ #令和の子
- 「宝くじ1.5億円当たった!」年収560万円の50歳サラリーマン…歓喜も束の間、“まさかの決断”へ。高額当選者がたった数年で「不幸」になりがちなワケ【FPが解説】
- 「帰りたくない!」と泣き叫ぶ妻…〈年金35万円・貯金5,000万円〉60代の仲良し夫婦、念願の“海外移住”で老後を謳歌も…たった4年で涙の帰国のワケ【FPが解説】
この記事に関連するニュース
-
65歳で5,000万円の貯金、安心できる?…定年後に待つ「銀行預金」の意外なリスクと対策【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月26日 11時30分
-
「あのときやっておけばよかった」と後悔する前に…。デメリットを考慮しても、NISAが投資初心者におすすめな理由【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月25日 11時30分
-
次の景気後退はいつ?日本株投資で勝つための「景気1サイクル投資」(窪田真之)
トウシル / 2024年6月18日 7時0分
-
「貯金500万円」を使ってできる投資3選
オールアバウト / 2024年6月13日 11時30分
-
多くの日本人がやってしまう「不必要な貯金」…本当に必要な貯金は“3パターンだけ”【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月6日 8時15分
ランキング
-
1バナナ・パイン・マンゴーが… 軒並み値上がりの“ワケ” 試す人が増えている国産バナナとは…!【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月3日 21時19分
-
2ローソン、7月24日上場廃止 KDDIとポイント経済圏の拡大などを目指す
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月3日 17時46分
-
320年ぶり“世代交代”新紙幣に行列も… 「Aの1番」の行方は…深谷市長が日銀へ
日テレNEWS NNN / 2024年7月3日 22時0分
-
4LCCピーチの「運賃プラン」刷新へ! これまでより良くなる?それとも… 「より分かりやすく」がテーマ
乗りものニュース / 2024年7月3日 18時22分
-
5auカブコム証券、顧客に二重で入金…返金を求める方針
読売新聞 / 2024年7月3日 19時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください