手取り24万円・36歳男性「漠然とした不安が常に頭の片隅に」…「どんどん味気なくなる」中低所得者層の生活ぶり
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月5日 13時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』などとともにみていきます。
給与が増えても…「手取り24万円」36歳男性の生活
厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』によると、2022年(令和4年)の平均賃金は次の通りです。
36歳男性の平均月収:36万円
36歳女性の平均月収:27万円
これらの額から所得税、住民税、健康保険、厚生年金、雇用保険などの各種税金や社会保険料が引かれます。具体的には、以下のような割合で控除されることが一般的です。
所得税:約5%
住民税:約10%
健康保険:約5%
厚生年金:約9%
雇用保険:約1%
これらの控除を合計すると、約30%が差し引かれる計算になります。36万円の月収であれば、約10.8万円が控除され、手取りは25.2万円となります。女性の場合、27万円の月収で控除後の手取りは約18.9万円となります。
佐藤さん(仮名/36歳)の手取り収入は24万円。そこから家賃や生活費を捻出する毎日は、決して楽ではありません。月々の支出は以下の通りです。
家賃:6万円
食費:4万円
光熱費:1万円
通信費:1万円
交通費:2万円
その他生活費:5万円
貯金:3万円
娯楽費:2万円
この内訳を見ると、収支はほぼギリギリです。貯金はわずかに3万円、娯楽費に回せるのも限られた額です。
「手取り24万円で生活するとなると、毎月のやりくりは大変です。突発的な出費があると、それだけで大きな痛手になります。例えば、急に家電が壊れたり、冠婚葬祭が重なったりすると、それだけで家計が一気に苦しくなります」
佐藤さんの手取りが少ない理由の一つに、年々増加する社会保障費の負担があります。「社会保険料や税金がどんどん引かれていくので、年収の割に手取りが少ないと感じます。特に健康保険や年金の負担が重く感じられます」と佐藤さんは語ります。
2000年代初頭から、年金や健康保険などの社会保障費の負担は増加し続けています。厚生労働省のデータによれば、2002年から2017年の間に、年収500万円の人の手取りは約35万円、年収700万円の人の手取りは約50万円も減少しました。この傾向は今後も続くと予想されています。
頑張っても「生活がどんどん味気なくなっていくんです」
佐藤さんが最も不安に感じているのは、老後の生活です。日本は世界でも有数の長寿国であり、現在「人生100年時代」と言われるほど、長生きすることが一般的になっています。
厚生労働省のデータによれば、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳を超えて生きると推計されているほど。現在の生活だけでも苦しいのに、80歳までこの状態が続くかと思うと不安が募ります。
「将来、年金だけで生活できるかどうかも不安です。今のままでは、老後の資金も十分に貯められそうにありません。将来に対する漠然とした不安が、常に頭の片隅にあります」
佐藤さんは毎月3万円を貯金していますが、それでも十分な金額とは言えません。大きな出費があると、すぐに貯金が底をついてしまいます。
「貯金は大事だと思って毎月少しずつ貯めていますが、大きな出費があると困りますね。車の修理や医療費など、予想外の出費があると貯金が一気に減ってしまいます」
「できるだけ外食は控えて、娯楽費もなるべく削減して、無駄な出費を避けるようにしています。ただ、そうすると生活がどんどん味気なくなっていくんです」
「もっと税制が優遇されるとか、社会保障の負担が軽くなるとか、そういったサポートがあれば、もう少し生活が楽になると思います。今のままではいけないと思って副業も考えていますが、現状では、自分の努力だけでは限界があります」
将来に対する不安を抱える佐藤さん。社会保障費の負担増や手取りの減少が生活を圧迫し、貯金もままならない状態です。こうした状態には、多くのサラリーマンが苦しめられているのではないでしょうか。
政府や企業が協力し、働き方や給与体系の見直しが図られればよいものの、給与の上昇は穏やか。物価の上昇に追いついていないのが現状です。資格取得や副業など、自力でなんとか道を模索することが求められています。また老後資金に関しては、政府は新NISAなどで備えることを推奨しています。
とはいえやはり、個々人の努力だけでは限界があるもの。社会全体の構造的な改革と個々人の自助努力が両輪となって、困難な状況を克服できる未来が切望されています。
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