40年前から唱えられる「企業の寿命は30年」説…それでも1950年と1982年の両方で「日本の上位10社」に見事ランクインした“唯一の社名”
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月17日 14時5分
![40年前から唱えられる「企業の寿命は30年」説…それでも1950年と1982年の両方で「日本の上位10社」に見事ランクインした“唯一の社名”](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_60934_0-small.jpg)
「企業の寿命は30年」とよく言われます。実際、日本の上位10社をランキングすると、30年後にはその顔ぶれは大きく変わるようです。本記事では、中野正也氏の著書『成功率を高める新規事業のつくり方』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋・再編集して、企業の寿命が30年である理由について解説します。
「企業の寿命は30年」の根拠
「企業の寿命は30年」ということばを耳にしたことはないでしょうか。
これは1983年に『日経ビジネス』(日経BP)が特集記事「企業は永遠か」のなかで、初めて示したものです。その詳しい内容は、1984年に『会社の寿命盛者必衰の理』(日本経済新聞出版)として出版されました。
実際には次のような分析から、「企業の寿命は30年」といった結論に至ったようです。日本の上位企業100社のランキングを、過去100年間にわたって作成しました。その結果、企業がトップ100社のランキングに入り続けられた期間は、平均すると30年に満たないことがわかったのです。
ランキングの上位100社に入るようなトップ企業であっても、その地位を保てる期間は30年以下にすぎない、ということで大きな話題になりました。1950年と1982年の上位10社を示したのが図表1です。
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両方に顔を出しているのは、製鉄会社である新日本製鉄(八幡製鉄と富士製鉄が合併)と日本鋼管だけです。製鉄会社以外では、1950年には紡績や鉱山の企業が上位を占めていたのに対し、1982年はこれに代わって自動車・電気製品・機械などの企業が上位を占めています。
別のデータも見てみましょう。株式会社東京商工リサーチによると、2021年に全国で倒産した企業6,030件(負債1,000万円以上)のうち、業歴がわかる5,121件を対象に調べたところ、それらの企業の平均寿命は23.8年だったことがわかりました。業種別に見ると、製造業36.3年、卸売業28.6年、不動産業24.5年、小売業23.1年、などとなっています(図表2参照)。
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これは中小企業を多く含むデータであり、倒産した企業全体の平均値ですが、この場合にもやはり企業の平均的な寿命は30年程度以下であるといえそうです。「企業の寿命は30年」といったことばは、さまざまな企業の社長のインタビューなどでも時々目にします。企業の社長から見ても、直感的に違和感のないものであるようです。
約30年以下で多くの企業が倒産するワケ
それではなぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
その理由として、「『事業』の寿命が30年程度だから」ということがいえると思います。多くの事業の場合、1つの事業が永遠に続くことはありません。時代が進めば、社会の価値観や消費者の生活スタイルが変わり、商品・サービスに対するニーズが変化するからです。
また、商品・サービスを提供する企業の側でも、技術の進歩を取り入れたり、新しい工夫を加えたりすることで、これまでのものよりもより高度化された商品・サービスを提供するようになります。そのため、隆盛を極めた事業であっても時代とともに新しい商品・サービスに取って代わられ、衰退していくことは避けられません。
言い換えると、どのような事業にもライフサイクルがあるということです。市場に登場して間もない時期「導入期」から、次第に顧客に受け入れられ、市場に浸透して売上が急速に拡大する時期「成長期」、高い売上が続く時期「成熟期」、ニーズの変化や競合商品の出現などから次第に売上が減少する時期「衰退期」、といったライフサイクルがあるといえます(図表3参照)。
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このような導入から撤退までの期間は、商品・サービスによってさまざまです。華々しく脚光を浴びたものの、長い期間続かず衰退する事業もあれば、社会のさまざまなところで必要不可欠でありライフサイクルが長い事業も多くあります。
事業の種類は誠にさまざまですが、これらの多種多様な事業をすべてひっくるめると、事業のライフサイクルはおおむね30年程度であり、その事業をおこなっている企業の寿命も30年程度であることを、ここで紹介したデータは示唆しているように思われます。
中野 正也
株式会社グローバル事業開発研究所
代表取締役
※本記事は『成功率を高める新規事業のつくり方』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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