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実は交通事故より多い「お風呂での死亡者」…温泉療法専門医でさえ全力で止める〈危険な入浴法〉 

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月10日 11時0分

実は交通事故より多い「お風呂での死亡者」…温泉療法専門医でさえ全力で止める〈危険な入浴法〉 

日々の疲れを癒すために欠かせない「入浴」。しかし毎年、お風呂での死亡者が数多く出ているという事実があります。温泉療法専門医である早坂信哉氏の著書『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)より、安全にお風呂を楽しむために、避けておきたい入浴時の「NG行動」について、詳しくみていきましょう。

お風呂での死亡者は、交通事故より多い

「寒い、寒い!」裸で腕に血圧計をまいた若い男性アナウンサーは、そう言って暖房のない脱衣室でガクガクと震えていました。その血圧は150を超えています。先ほど暖房の効いたリビングにいたときは110だったので、プラス40もの急上昇です。ある冬の夜に、テレビ番組の撮影に立ち会ったときの様子です。

冬のお風呂は実は危険な一面があります。最近の研究によると、入浴で亡くなる方は年間約1万9,000人で、その数は冬に圧倒的に多くなります。特に高齢者に多いのもその特徴です。冬にお風呂で亡くなる人が多いというのはどういう理由からなのでしょうか?

最近話題の「ヒートショック」とは、急な温度差が体への刺激を与え血圧が急上昇し、重大な病気を起こすことです。暖房のない脱衣場は、強烈な寒さが交感神経を刺激し、急激に血圧を上げます。また、42℃を超える高温の湯の入浴は、熱さでさらに血圧を急上昇させます。寒さと熱さのダブルの刺激で血圧が急上昇するのです。

血圧の急上昇は脳卒中や心筋梗塞のリスクとなります。脳卒中が起こると意識がなくなったり、手足が麻痺したりします。お風呂で意識がなくなると溺れて命に関わることもありますのでとても危険です。

また、強い刺激が心臓へ負担をかけ、心筋梗塞になるとひどい胸痛を感じます。実際にお風呂で亡くなった人の原因を調べると、脳卒中や心筋梗塞が高い割合を占めているのです。私たちが以前行った調査でも、お風呂で意識がなくなるといった事故が多いという事実もわかっています。

ご高齢の方は、若年層と比較するとお湯の熱さを感じるセンサーが鈍くなっていることもあり、熱いお湯が好きな方が多いです。そのため、心臓発作や熱中症のリスクも高くなります。

銭湯や温泉など、友人同士で入っていると、おしゃべりに夢中になり、必要以上に長くお湯に浸かってしまうこともあるでしょう。しかし、熱いお風呂に延々と入り続けても健康効果はありませんし、熱中症などのリスクが増すだけです。

熱いお湯にいきなり肩まで浸かるのはNG

子どもの頃、親に「肩までしっかり浸かりなさい」と言われた人も多いかもしれません。しかし、熱いお湯に、いきなり肩まで浸かるのはNG。急な温熱刺激で血圧が上がりすぎてしまう恐れがあります。

脱衣室を温めておく、湯を熱くしすぎない、といった点を注意すれば、この危険を回避できます。

脱衣室は暖房をかけておくなどしてリビングとの温度差を5℃以内に減らし、20℃以上を保つような工夫をしましょう。さらに、ふたを開けて湯船に湯を張り、入浴前にシャワーのかけ流しで湯気を立てて浴室を温めます。

また、湯の温度も冬こそ40℃までとして、熱くしすぎないことです。湯船に入る前には十分にかけ湯をして、体を湯に慣らしてからゆっくりと入るようにします。

水分補給は、安全な入浴には必須です。入浴でたくさんの汗をかくと水分やミネラル分が失われますので、入浴前後の水分とミネラル補給にミネラル入り麦茶を飲むことをおすすめしています。

その理由は、汗と一緒に失われたミネラルが補給できることはもちろん、無糖で、カフェインを含まないため毎日健康的に飲めることです。さらに血流改善効果や血圧低下作用などの効果も最近の研究で報告されていますので、浴室熱中症や血栓対策として飲用することも推奨できます。

ヒートショックの予防法

・お風呂に入る前にコップ1杯の水を飲む。

・脱衣場を温めて、浴室は蒸気を立たせておく(浴室と脱衣所の温度差をなくしましょう)。

・酔っているときは入らない(アルコールは血圧を下げすぎてしまいます)。

・入る前に、家族の誰かに声をかけておく。

・かけ湯をしてから浴槽に入る(心臓から遠い四肢から始める)。

・湯船で座っている状態から立つときは、立ちくらみ予防のため、水を手にかけるなど冷たいものに触り、ゆっくり立ち上がる(寒冷刺激といって、皮膚に冷たい刺激を与えると血圧を適度に上げる効果があります)。

・浴槽では居眠りをしない。意識がなくなると湯船で溺れる危険があります。

早坂 信哉 温泉療法専門医  

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