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退職金3,000万円、貯蓄4,000万円でも…大手企業の元部長「やることがない…」と自宅に引きこもり「あぁ、あの頃に戻りたい」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 5時15分

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定年退職した後の生活、イメージできているでしょうか。仕事一筋で頑張ってきた人のなかには、時間があったとしても、何をしたらいいのか分からない……というケースも珍しくないようです。みていきましょう。

エリートだった父が「定年退職」を機に激変、引きこもりに

父の定年退職と、自身の就職が同じタイミングだったという20代男性。このとき母に、「お父さん、お母さんの老後は、何も心配ない。だから自分のためにしっかりと働きなさい」と言われたとか。

大手企業の部長だった父。母いわく、定年退職金は4,000万円ほど、貯蓄も3,000万円程度、さらに株式や投資信託などもあり、定年までに老後に向けた資産形成は完璧だとか。さらに「お父さんが頑張って働いてくれたおかげ」と感謝を口にします。

父は父で、無事、定年まで勤め上げることができたのは母のおかげという想いが強く、60歳定年退職後に夫婦で1ヵ月ほど海外旅行をプレゼントしていたとか。母はよほど楽しかったのか、帰国後、写真や動画をイヤというほど見せられ、語られたといいます。ただ父はその後……

――毎日、何もすることがなく、ただぼんやりとしている

――外出するのは、母と一緒に買い物にいくときだけ

――お金も時間もあるのに……こんなことをするために、仕事を辞めたのだろうか

男性の投稿に対して、「いまは燃え尽き症候群なのかも」という声も。

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』の40歳~69歳対象調査によると、外出頻度の低い引きこもり状態の人に対し、今の状況になった年齢を聞いたところ、最多は「60~64歳」で21.8%。「65~69歳」が15.4%と続きます。それまでバリバリ現役で働いていた人が、定年とともにやることがなく引きこもり状態に……男性の父親のようなケースは、決して珍しいことではありません。

日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』によると、大卒総合職の平均退職金は勤続38年(60歳想定)で、2,440.1万円。直近給与の40ヵ月分(つまり月収61万円)が支給されています。支給月収が平均だとすると、男性の父は、定年退職前、月収75万円ほどあったと考えられます。また総務省『家計調査 貯蓄・負債編(2023年平均)』によると、世帯主60代世帯の平均貯蓄額は2,432万円、平均負債額は201万円。貯蓄-負債の純貯蓄額は2,231万円です。

高所得のエリートサラリーマン世帯でも老後を見据えて資産形成を進めるのは難しく、だからこそ、将来が不安だからと定年後も働き続ける人が8割を占めるといわれています。そんななか、平均以上の退職金に、平均以上の貯蓄。立派です。年金支給は5年先であるものの、経済的に余裕があるからこそ、定年退職に踏み切れたのでしょう。

そんな資産形成のお手本ともいうべき、男性の両親。そしてそれを可能にした父。しかし定年で現役引退したあとの姿は、なんとも寂しいものでした。

60代「8割が趣味に時間を使っています」…実際、何してる?

現役時代、とにかくがむしゃらに働いてきたからこそ、定年退職後に何をしたらいいのか……と、暇を持て余してしまうケースは多いもの。実際に定年後、60代の人は何をしているのでしょうか。

総務省『令和3年社会生活基本調査』によると、「趣味に時間を使いました」という「60代前半男性」は84.6%、「60代後半」で82.4%(=行動率)。また「趣味」として最多だったのが、「映画館以外での映画鑑賞」で60代前半で52.1%。「CD等による音楽鑑賞」「趣味としての読書」「園芸・庭いじり・ガーディング」「スマホや家庭用ゲーム機によるゲーム」と続きます。

【定年退職後「60代男性」趣味の行動率】

1位「映画館以外での映画鑑賞」52.1%/45.0%

2位「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」47.1%/37.5%

3位「趣味としての読書」29.4%/29.4%

4位「園芸・庭いじり・ガーデニング」27.9%/32.6%

5位「スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム」25.2%/17.7

6位「日曜大工」25.0%/26.3%

7位「マンガを読む」21.6%/13.2%

8位「映画館での映画鑑賞」20.2%/16.1%

9位「写真の撮影・プリント」20.2%/19.4%

10位「スポーツ観覧・観戦」15.2%/13.6%

※数値左60~64歳、右65~69歳

さらに「旅行(過去1年以内に旅行した割合」については60代前半男性は47.5%、60代後半で46.3%。その内容をみていくと、日帰り旅行が60代前半で60.7%、60代後半が37.9%。国内旅行(観光、帰省等含む)は60代前半で30.5%、60代後半で27.3%。海外旅行は60代前半・後半ともに0.3%でした。

なにはともあれ、60代の8割強の人が多かれ少なかれ趣味に時間を使い、半数弱の人が旅行を楽しんでいます。逆の見方をすれば、2割弱の人は趣味もなく、自宅でボーとしているかもしれない……ということになります。

再び男性の父親の話。

定年退職から1年近くも何もすることなく、ただ家に“いる”だけの引きこもり状態。「何かしたいことないの?」の問いに「特にない」とひと言。「どこかに行きたいところは?」の問いにも「ない」とひと言。かける言葉を探していると、「あぁ、あの頃に戻りたいな」とポツリ。

このやり取りを母親に話したという男性。「お父さんは、仕事が趣味みたいなものだから。また毎朝、お弁当を作る日が始まりそうね」と母。父親の仕事復帰を後押しするつもりだといいます。

[参考資料]

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』

日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』

総務省『家計調査 貯蓄・負債編(2023年平均)』

総務省『令和3年社会生活基本調査』

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