「フライトアテンダント=憧れの職業」は万国共通ではない?現役CAが明かす北米での「意外な評価」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月13日 7時30分
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フライトアテンダントといえば、頭がよく見た目もいい、選ばれし者だけがなれる“憧れの職業”というのが、多くの日本人がもつイメージではないでしょうか。しかし海外に目を向けると、フライトアテンダントに必要とされる資質や職業に対する印象について、日本とは異なる点もあるようです。本記事では『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、著者のRyucrew氏がCAの実情について解説します。
日本では「憧れの職業」のフライトアテンダントだが、北米では…
フライトアテンダントというと、きれいな人が多く、言葉使いや所作も美しくて、誰もがなれるものではないというイメージが一部の方にはあるかもしれません。
私自身、幼い頃に見たフライトアテンダントの姿に憧れを抱きましたし、私見ですが特にアジア系の航空会社は、「フライトアテンダントたるもの、こうでなければならない」といった社風や伝統があるのか、清潔感を含めた見た目を重視するところも多いかと思います。
でも、飛行機は移動手段のひとつにすぎません。長い距離を短時間で移動するために飛行機に乗るのであって、フライトアテンダントのサービスを受けることが目的ではないはずです。「よりよいサービスを受けられたほうがええやん」という方もいるかもしれませんが、そうだとしても見た目はあまり関係ないかなと私は思います。
私が乗客として日系の飛行機に乗ると、フライトアテンダントの方がとてもかしこまった対応をされるので、ついついこちらまで緊張してしまいます。それよりも友達のおばちゃんみたいな外資系のベテランクルーのほうが、サービスをするときにいい意味で気が抜けていて、私の場合はとても気楽に感じます(これはもちろん個人の感じ方によりますが)。
もちろん、清潔感はあったほうがよいと思いますが、見た目の美しさやスタイルのよさが重要かといわれれば、決してそうではないと感じます。それよりも、コミュニケーションをとるのがうまい人や、何か不安や心配なことがあるときに、安心感を与えてくれる人のほうが絶対にいいはずです。
そもそも北米には、日本やアジアのようなフライトアテンダントのイメージは、おそらくないと思います。ブルーカラーの仕事と認識されることもあり、子どもたちが真っ先に挙げる憧れの職業ではありません。
いろいろな国や都市へ行けるのが楽しいからフライトアテンダントになりたい、という人もいますが、家族との時間を大切にする文化が日本よりも根強い北米では、家を空ける時間が多い仕事を、そこまでやりたいとは思わないのかもしれません。
「どこでも寝られる人」がCAに向いている理由
「フライトアテンダントの3大病」というのがあります。「腰痛」「不眠」、そしてもうひとつは、人によって言うことが異なるのですが、腰痛と不眠に関しては確実にツートップです。また、風邪や花粉症の時に乗務してしまうと航空性中耳炎という一度なるとやっかいな病気にもなりやすいです。
フライトアテンダントは空の上が仕事場で、北米の場合は国内線でも時差があるため、自律神経が乱れがちな職業です。自律神経のバランスが不安定になると、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったり、睡眠の質が低下しやすいといわれています。
このことからも、この仕事に向いているのは、実はどこででも寝られる人だと私は思っています。どこででも寝られる人は、環境が変わっても別に関係なく、細かいこともいちいち気になりません。ある意味、鈍感力の極みです。仕事ができるかどうかはまた別の話ですが、そういう人のほうがストレスやプレッシャーを受け流すことができるはずですし、仕事も長続きするのではないかと思います。
ちょっと話がそれますが、フライトアテンダントが学生時代にしていたアルバイトでダントツの1位に違いない!というくらいに多いのが、スターバックスです。これは日本だけでなく、海外の航空会社もそう。日本人だと、海外志向の強い人はスタバで働く傾向も強いのではないかと思います。
スタバには、決まった接客マニュアルがあるわけではなく、スタッフ(スタバでは従業員のことを〝パートナー〞と呼びます)がお客様と自由に会話をして、積極的にコミュニケーションをとることを大切にしています。そうしたやりとりは、社会人になったときにとても生きてくる気がします。
私も大学時代に日本のスタバで働いていました。カナダ留学中には、アポなしでスタバへ突撃し、「無給でいいので働かせてください!」とお願いしたこともあります。ただ、当時は学生ビザで入国していたので、無給でいいと言っても、何かあったときに保障できないという理由で断られました。
あきらめきれず、その後、ローカルの小さなカフェで、ボランティアという形でバリスタを経験させていただきました。ちなみにこの話、私の就職活動の面接の鉄板エピソードでした。
それにフライトアテンダントは本当にスタバ好き! 北米の航空会社のフライトアテンダントは、大体スタバを飲んでいます。
今でこそ買わなくなりましたが、私も、別に飲みたいわけでもないのにスタバを飲んでいた時期がありました。仕事前に必ず空港のスタバに寄って、カップを片手にゲートにショーアップするのがお決まりです。
深夜便に乗務の際、ステイ先のホテルや空港のスタバが既に閉まっているときには、「空港からホテルに向かう道中で、まだ開いてるスタバがあったら寄って!」とクルーシャトルの運転手さんにお願いするパイロットやフライトアテンダントもいるほどです。
Ryucrew 現役CA(キャビンアテンダント)
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