「一番風呂」より「二番風呂」が実はおすすめだった!…医学的にも証明された「二番風呂」の〈意外な健康効果〉とは?【医師が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月27日 12時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
「一番風呂、どうぞお先に」と譲り合ったことがある人も多いのではないでしょうか? しかし、実は「一番風呂」は肌によくない、と温泉医療専門医の早坂信哉氏はいいます。医学的にも証明された、その意外な理由について、早坂氏の著書『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)より、見ていきましょう。
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肌への刺激が大きい「一番風呂」
一番風呂とは、浴槽にお湯を入れてから誰も入っていないお風呂のことを言います。家庭のお風呂の場合は、湯の成分が水道水そのものという状態です。
日本の水道水は世界的に見ても質が高く、全国どこでも安心して飲むことができます。現在、日本の水道水は水道法によって厳しく規制を受けており、その安全性は折り紙つき。当然、お風呂に使用しても問題はありません。
しかし、日本の国土は狭いので、雨として降ってから、水が地中に滞在する時間が大陸の諸国よりも短いのです。そのため、ミネラル分が少ない「軟水」が一般的となっています。当然、一番風呂の湯にも溶け込んでいるミネラル分は少ないのです。
他方、人間の体には、細胞や血液といった体液中に、たんぱく質や様々なミネラル分などの成分が含まれています。その割合は、日本の水道水と比べるとずっと濃くなっているのです。
体の内側と、お風呂のお湯のミネラルの濃度の違いが、皮膚にぴりぴり感や違和感といった刺激をもたらすと考えられています。
温泉水で言えば、その濃さの違いで「低張性」「等張性」「高張性」の3段階に分類されますが、そのうち、人の体液と同じ濃さである「等張性」が最も刺激が少なく、肌に負担が少ないと言われています。
水道水は人の体液より薄いため、温泉水にならって分類するとすれば「低張性」になります。低張性の湯が皮膚と接すると水が皮膚の中へ移動します。長湯をすると指先がふやけるなどの現象は、この移動によって起こっているのです。
この水の皮膚への移動が皮膚への刺激になり、敏感な人は皮膚の不調を感じます。
一番風呂と二番風呂では「成分」が変わる
実は一番風呂と二番目以降のお風呂では、湯の成分が異なるのです。人がお風呂に入ると、その人の皮膚に付着している汚れ、皮脂、汗、古くなった角質などの不純物が湯に溶け込むため、その分、わずかですが、湯の濃度が濃くなります。このわずかな変化が皮膚への刺激をやわらげます。二番風呂の湯ざわりが柔らかいというのはこういう理由があったのです。
あるテレビ番組の検証で、この一番風呂と二番風呂の濃度の差を簡易的に測定したことがあります。やはり二番風呂がわずかに濃くなっていました。
一番風呂と二番風呂の入浴後、それぞれ皮膚を拡大して見る測定機器で観察したところ、一番風呂では皮膚のキメが乱れていましたが、二番風呂のほうは予想以上に皮膚のキメが細かく整っていてふっくらしている様子が観察できたのです。
また、肌が敏感な方にとっては、水道水に含まれるわずかな塩素が刺激を感じる原因にもなります。二番風呂以降であれば、前に入浴した人の汚れなどで塩素のはたらきが弱くなっているのです。
二番風呂がいいことがわかっても、一人暮らしの人はいつも一番風呂で、二番風呂に入ることは不可能です。また、二番風呂では汚れが気になる方もいるでしょう。その場合、解決策としておすすめなのが、入浴剤です。
入浴剤には様々なミネラル分が配合されており、湯に溶かすことによって二番風呂と同じような効果をもたらします。もちろん湯もきれいなままです。また、多くの入浴剤には塩素を中和させる成分も含まれています。
また、ゆずを浮かべたり、菖蒲湯などの季節ごとの薬湯でも、湯に物質を溶かし込むという点では入浴剤と同じような効果が期待できます。
一番風呂が苦手な人は一工夫して、肌に優しいお風呂を楽しんでみましょう。
早坂 信哉 温泉療法専門医
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