カリスマ億トレーダーが「いずれ大損する」と断言…今すぐ修正しておくべき〈FXトレードの癖〉とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 11時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
FX取引の手法のひとつである「スキャルピング」。短期間で多くの利益を出すことができる反面、リスクを伴うものであると把握しておくことが重要、とFX専業トレーダーのぶせな氏はいいます。ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より、FX取引を行なう際、リスクとなり得る「5つのデメリット」をみていきましょう。
必ず知っておきたい、FXの「5つのデメリット」
FXには、メリットだけでなくデメリットもあります。先にメリットとして紹介したある事象は、見方を変えるとデメリットになるなど、相反する側面を持つ事象もあります。そのため、デメリットを正しく理解して向き合えば、結果的にはメリットを最大限に享受することにつながります。
たとえメリットを知らなかったとしても、利益を享受できないだけで済みます。しかし、デメリットを知らないままスキャルピングを続けると、取り返しのつかない大損をする可能性があります。つまり、メリットを知らないことより、デメリットを知らないことのほうが極めて危険だと考えてください。
①スプレッドの影響が大きい
スプレッドは、売りと買いの価格差です。業者によって異なりますが、米ドル/円だと0.2pipsとしているところが多いです。買いを入れると、売りよりも0.2pips高いプライスで約定するため、スプレッド分だけマイナスになります。手数料と同じと考えればいいでしょう。
スプレッドは、1回の取引ごとにかかります。1万通貨の買い注文をすると、スプレッド0.2pipsだと20円です。つまり、エントリー直後は、-20円からスタートすることになります。手数料が20円かかるということです。エントリーのたびにこの20円がかかるので、数をこなすほどスプレッド分のマイナスが膨らみます。100回トレードすると-2,000円(20pips分)です。
また、数pipsで利益確定をするので、利幅に対する手数料の割合はかなり大きいです。利幅が50pipsのトレードだと、スプレッド0.2pipsはあまり影響しません。しかし、利幅1pipsのうち、スプレッドが0.2pipsだと割合はかなり大きくなります。数をこなすスキャルピングでは、極めて不利と言えるでしょう。
②約定価格がずれる(スリッページが発生する)
スキャルピングでは、買いたい価格になったとき注文ボタンをクリックする成行注文が普通です。そのとき、希望した価格と、実際に約定するものに価格差が発生することがあります。理由は、相場変動が早く、ボタンをクリックしてから注文が通るまでにすでに価格変動が起こっているからです。また、FXは業者と顧客との相対取引であることから、希望どおりの価格が通らず、FX業者に有利な価格で約定することがあります。これを、スリッページ(スベリ)といいます。
たとえば、スプレッドが0.2pipsの米ドル/円を1万通貨で買い注文したとき、-20円からスタートします。それが、スリッページが0.1pipsあると、本来のスプレッドに加え、0.1pipsぶんだけ不利な注文となるため、-30円からスタートするということです。本来スプレッドが0.2pipsのはずなのにスリッページが多々あると、手数料が無駄にかかります。
悪意のあるスリッページは減ってきたものの、相対取引であるがゆえ、客側に有利にスリッページが働くことは、ほぼないと考えたほうがいいでしょう。
ただ、あからさまに客に不利にスリッページを発生させるような業者はないとはいえ、ある程度のスリッページはFXの仕組み上、仕方ないと考えてください。
③損大利小になりやすい
スキャルピングは、他のトレード手法に比べ取引回数が極端に多くなります。勝つ回数も増えますが、おのずと負けるトレードも多くなります。人間の精神は弱いもので、含み益が出ると利益を逃すまいとすぐに利益確定したくなります。
逆に、含み損が出たときは損失を受け入れることができず、損切りできないものです。損切りしないと、プラマイゼロに戻ることもありますが、さらに含み損が拡大する場合もあります。後者の場合、実際に損切りするときにはかなりの損になります。ですから、1回の損切りで大きな損をこうむるのです。
利益確定は小さく、損切りはどかんと大きくなる、いわゆる損大利小になりやすいのです。エントリーして即損切りを求められる場面もあり、トレード回数も多くなるので、少しでも損切りをためらうと1回の損失が大きくなることが多くなります。ただ、これは仕組み上のことではなく、人間のメンタルがそうなりやすいというだけですから、克服できる項目です。
④無駄なトレードが多くなる
FXは、期待値が高い場面のみでトレードすることが求められます。エントリーからイグジットまで、根拠を持って一貫性のあるトレードを行なわなければなりません。「上下どちらに動くかわからないけど何となくエントリーしてみた」というのでは、スプレッドもかかるので徐々に資金は減っていくでしょう。期待値のあるトレードではないからです。
しかし、1回あたりの取引時間が短く、しかも回数が多い手法だと、「ちょっとエントリーしてみようかな」という気持ちになりやすくなります。チャートを見ているのに、トレードしたくてウズウズすることもあるでしょう。そうすると、無駄なトレードを行なってしまうのです。
1回の損失は微々たるものですが、こういった無駄なトレードをする癖をつけてしまうと、ことあるごとにエントリーしてしまいます。それが積み重なると、無視できない損失になります。スキャルピングではダラダラと何度もエントリーしてしまう傾向にあるので、注意が必要です。
⑤メンタル維持が必要
スキャルピングは、エントリーしてすぐに損益が確定します。利益が出たときは「儲かった」という事実が確定されるため、喜びは大きいものです。逆に、損失がその場で確定すると、悔しさや後悔などの負の感情があらわになるかもしれません。「今日はトレードしなければよかった」と思うこともあるでしょう。そこで、何とかして今日のうちに損失を取り返したいという気持ちになるのは、自然なことです。
しかし、その気持ちは相場とは無関係であり、結局は無駄なトレードにつながります。さらに損失を招き、メンタルが大きく崩れることになります。その日は負けを何とか受け入れたとしても、翌日はどうでしょうか? 昨日の損は今日取り戻したいですよね。そうすると手数が多くなり、期待値の高いトレードができなくなります。さらに負けた翌日……もはや負けは認められません。そうなると、冷静なチャート分析などできませんから、さらに損失を出してメンタルがもっと崩れていきます。こうならないよう、メンタル維持が必要なのです。
スキャルピングは1日ごとに損益が確定されるので、毎日トレードするときに前日の負の感情を引きずる可能性が高くなります。負けても翌日には立て直し、あらたな気持ちでトレードしましょう。
そのトレードを「1,000回行なう」と想定する
これからスキャルピングで成功したいと考えているのなら、いろいろなやり方を試行錯誤していくはずです。そのときに、メリットとデメリットをどのように取り入れるか、これが非常に重要になってきます。
そこで、これからあなたが行なう1回のトレードを、1,000回繰り返し行なうと想定してください。そうすると、本当にその1回のやり方が適切かどうかわかるはずです。無駄なトレードを行なったり、リスキーなポジションを持つとして、それが1回なら損益に大きく影響しないから問題ないと考えるかもしれません。
しかし、感情にまかせて無駄なトレードをしてしまう癖がつくと、何度も行なうようになります。それを1,000回行なうと、ものすごい金額の損失になる可能性があります。
「今回だけはナンピンして何とか助かりたい!」
その1回はプラマイゼロに戻ってなんとか助かったとしても、果たして1,000回連続で助かるでしょうか。このようなトレードは、言うまでもなく危険です。このような危険ではあるものの負けを取り返せるトレードを覚えてしまうと、同じような局面で必ずナンピンするようになります。「前回も助かったのだから今回も助かるはずだ」、こう考えるのではないでしょうか。
しかし、1,000回ナンピンしたら、どこかで大損することは火を見るよりも明らかです。強引なやり方でその日は勝ったとしても、それを繰り返すうちに撤退を余儀なくされるような損失に見舞われれば、冒頭に掲げたような夢は絵空事に終わってしまいます。
トレード損益はいずれ期待値に収束していきます。期待値のあるトレードを1,000回行なえば、1回の損切りはすぐに取り戻すことができるのではないでしょうか。トレード回数が多いからこそ、期待値のあるトレードをしなければなりません。今からやろうとしているトレードを、1,000回行なう自信はあるのか? これを常に問いただしてください。「答えはNoだけど今回だけはトレードする」では、いずれ大損します。
ぶせな FX専業トレーダー
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