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リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月17日 11時15分

リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは

(※写真はイメージです/PIXTA)

FXにおいて、リスクは避けたいもの。FX専業トレーダーであるぶせな氏が提唱する「守りの資金管理」とはどのようなものなのでしょうか。ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より、自分の資産を守る、資金管理の方法について詳しく見ていきましょう。

「1日に〇%負けたらその日はトレードしない」は正解?

資金管理には、攻める資金管理もあれば、資産を守るための管理方法もあります。ここでは、守りの資金管理の考え方を見ていきます。

たとえば、「運用資金の5%負けたらその日はトレードをやめる」というような資金管理方法を聞いたことがあるでしょうか。1日の負け額を増やさないためには、たしかに核心をついたルールです。しかし、人によってロット数や経験も、資産に対する運用資金も違います。

また、スキャルピングなのか、スイングトレードなのか、トレード手法も違いますし、そもそも5%という数値が正しいのかという疑問もわいてきます。ある人は、資金の3%も一度に負けたら、その後のトレードに恐怖を感じて躊躇するかもしれません。逆に、10%くらい減ったとしても、リスクとして受け入れてヘッチャラな人がいるかもしれません。その人の状況およびリスクのとらえ方により、正しいかどうか判断が分かれるところがあるのです。

このような、「1日に〇%負けたらその日はトレードしない」というルールは間違っているとは思いませんが、正しいとも思いません。もし、その日のトレードをやめてしまったら、そのあと大きなチャンスがあってもトレードできません。スキャルピングは数をこなすことで期待値に収束していきます。「アジア時間で〇%負けたから、欧州とニューヨーク時間のトレードをやめる」となると、数をこなすことができなくなり、必要な経験を積むまでに時間がかかってしまいます。

ですから、ロット数や損切り幅で資金管理をすべきかもしれません。資金に対して、1回の負け額が大きいからこそ、資金に対する損失割合が多くなっているのです。また、そもそも「〇%負けたら……」というのは、相場とは無関係なので、自分の負けの都合を相場にあてはめているだけにすぎません。ただ、大損しないために、このような決めごとを持つことはいいことだと思います。自分の財産なので、どんな資金管理方法がいいかは、自身で考えることが何よりも大切です。

運用資金を10個に分ける

私が一番意識している「守りの資金管理」の方法は「運用資金を10個に分ける」ということです。よく、全財産のほとんどを運用口座に入れ、運用しているトレーダーがいます。資金が多ければ、少しくらい負けてもメンタルに影響しませんし、運用資金を多くすることで満足感を得ることもできます。しかしその反面、リスクもあります。

FXの最大のリスクは、運用資金を一度にすべて失うことです。運用口座に100万円を入れておけば、リスクは100万円を失うこと、1,000万円を入れていれば、1,000万円を失うリスクがあるということになります。「いやいや、自分のやり方なら1,000万円を口座に入れておいても失うはずがないよ」と思う人がほとんどかもしれません。

しかし、よく考えてください。口座に資金を入れてトレードしている時点で、口座資金をすべて失う可能性は0%ではないのです。100万円の口座で1,000万円を失うリスクは、限りなく0%になるでしょう。しかし、1,000万円を入れていれば、1,000万円を失う可能性があります。

FXは証拠金取引ですから、拘束中の必要証拠金以上に損することは稀です。しかし、値が飛んだら証拠金以上に損することもあります。

重要なことは、可能性の問題です。口座に入金すればするほど、そのぶん全額を失うリスクが「存在」することを認識してください。

現在は、証拠金維持率が一定の割合になると、強制ロスカットされる制度があります。ですから、証拠金全額がなくなることはないと考えるかもしれません。しかし、強制ロスカットにあった瞬間は、冷静な判断ができない可能性が高いです。万が一、何かをきっかけにメンタルが崩壊して取り返したい気持ちが働き、同じポジションをフルロットで張り、また損切り、それを1日のうちに何度かやると、最初にあった資金はほぼなくなります。これは私の経験ですが、口座資金を失うときは、突然襲ってきます。

また、スイスショックのような何千pipsも値がぶっ飛ぶ可能性もないわけではありません。もし同じような大ショック相場があると、強制ロスカットが間に合わずに証拠金の何倍もの損切りになる可能性もあります。

そこで、口座資金をすべて失っても、再起できるようにしておきます。それも1回や2回ではなく、10回再起できるようにしておくのです。

たとえば、FXにあてられる資金が100万円だとしたら、それを10個に分け、10万円を運用資金にあてるのです。仮にその10万円を失っても、あと9回もチャレンジできます。勝ち続けるために重要なのは、致命傷を負わないことです。1回口座を飛ばしても問題ありません。1回口座を飛ばせば、入金する手続きや、新たにポジションを取ったりする時間ができます。たった1日でもいいので、時間をあけることにより、人は冷静になるものです。

一方、口座に100万円を入れてしまっていると、冷静さを失うような10万円の負けトレードをしたとき、残りの90万円ですぐに取り返そうとし、数分後にめちゃくちゃなトレードをしているかもしれません。さらに傷口を広げることは、火を見るよりも明らかです。

証拠金を10個に分けるのは絶対ではありませんし、ちょっとやりすぎかもしれません。3回や5回など、何度か再起できるようにしておけばいいのでしょう。そのあたりは任意で決めてください。私は、とにかく退場するリスクをゼロに近づける資金管理をしたいので10個に分けています。スキルを身につければ、証拠金が少なくてもそれを何倍にでもできると信じ、取り組んでいます。証拠金が多いと、どうしても気がゆるんで無駄なポジションが増えてしまうのです。

1回のトレードではなく、ひとつのトレンドで損益をとらえる

FXでは、1回トレードをするたびに勝ち負けで一喜一憂していては、メンタルが持ちません。スキャルピングはトレード回数が莫大になります。数秒間で勝つこともあれば、数秒後に損切りすることは多々あります。人間なら、誰しもすべてのトレードで勝ちたいと思うでしょう。できれば損切りはしたくないですね。勝つと思ってエントリーしているので、その気持ちは当然です。

ただし、トレードで勝ち続けたいなら、損益は長い目で考えなければなりません。たとえ1日や2日負けたとしても、週単位、月単位、年間を通して大きな利益が出ればいいのです。期待値の高いやり方なら、一時的に負けたとしても必ず期待値に収束していくので、トータルでは利益が出ます。それを信じてトレードを続けてください。1日の中で、たった1回のトレードで負けを認めたくない感情を持ってしまうと、損切りが苦痛になり、必ずメンタルが崩れます。10回トレードすれば、そのうちの数回は負けるもの、と考えておきましょう。

損切りが嫌にならない考えを持つために、トレンドごとに損益をとらえるのがおすすめです。1分足で短期トレンドが発生すると、しばらく続きますね。そのトレンドでどれくらいトレードできるかわかりませんが、レンジになるまで同じ波が続いていきます。勝ち負けを繰り返したとしても、そのトレンドで利益が出ていれば、期待値の高いトレードを行なっている証拠です。

たとえば、ニューヨーク時間の22:00にトレンドが発生してエントリーサインが出はじめたとします。25:00までトレンドが継続し、この3時間で20回トレードを行ない、14勝6敗でトータル利益が出たとします。結果的に利益が出ていますが、重要なのは、6敗をこなしたうえで利益のほうが上回っていることです。損切りを受け入れ、淡々とトレードを20回繰り返したから出た利益ですね。途中で1回の負けが受け入れられずナンピンをしていたら、大損をしている可能性もあります。6回ともすべてナンピンしていたら、大損の確率はぐんと上がることは歴然です。

1日でトレンドが3回発生すれば、その3回のトレンドごとに分析するようにしてください。3つの通貨ペアでそれぞれ3回トレンドが発生すれば、9回の舞台があったことになります。9回すべてをトレードできるわけではありませんが、トレンドごとに損益計算をします。もし負けたトレンドがあれば、どうすれば勝てたのか、復習や分析もしやすくなります。

相場の流れは、前の市場を引き継ぐと説明しましたが、これも考慮しています。相場を市場ごとに見るから、トレードも市場ごと、トレンドごとに見るのです。このようにすると、1回の勝ち負けでメンタルを崩すことが激減します。トータルで損益を考えようと思うようになるものです。それが、1ヵ月、半年、1年と続けていく秘訣ではないかと思います。

私もたまには大きめの損を出して落ち込むことがあります。しかし、そのときにトレードをやめようとは思いません。「長年やっていればこんなこともあるだろう」と確率的に考えるようにしています。トータルで考え、今までと同じようにこれからもトレードをすれば期待値に収束していくと信じているからです。そして、実際にそうなっています。この記事を書いている今、本スキャルピング手法をはじめてトータル利益を更新しています。これからも一時的に負けることはあっても、継続していれば最高益を更新していく可能性が高いと信じています。損益は1回のトレードではなく、トレンドごとに考えるようにしましょう。

1回で退場するリスクをなくす

もうひとつ肝に銘じてほしいことがあります。たとえば運用資金を10万円にしたとき、たった10万円だからといって、適当にトレードをしないことです。1,000万円を運用しているのと同じくらい本気で向き合うことです。むしろ、10万円を1,000万円に増やそうと、気持ちを奮い立たせるくらいの心づもりがちょうどいいでしょう。そうすると、破産リスクは限りなくゼロに近い状態で、リターンだけに集中して取り組むことができます。このような状態なら、メンタルが崩れることはないでしょう。

私は、1回で退場するリスクをなくすことが守りの資金管理のすべてだと思っています。恥ずかしながら、私はリーマンショックでそのときの全財産1,100万円をわずか1ヵ月で失いました。1,100万円もあれば、まず負けないだろうという考えがあったのです。しかし、1,100万円を口座に入金した時点で、リスクにさらされていたわけです。20代でビギナーだった私には、数万円や数十万円などの少額で、トレードに慣れるべきだったのでしょう。

運用資金が多いほど、なぜか気が大きくなるのが人間です。含み損を数万円抱えたとき、1,100万円あるのだから大した含み損ではない、と考えてしまいました。そうならないよう、少額からスタートするのがおすすめです。仮に10万円でスタートした場合、この10万円を、まず倍にしてみてはいかがでしょうか。次に、それを100万にするのです。

100万円を稼ぐにしても、元手が1,000万円の場合と10万円では、後者のほうがスキルが要求されます。とはいえ、最初から資金を10倍にするのではなく、まずは1万円を稼ぐことを達成してください。それを10回、100回繰り返すと、1万円が10万円に、10万円が100万円になります。スキャルピングで稼ぐとは、小さな利益の積み重ねであるということです。

勝つことが前提ではなく、負けることも考えておく

FXをはじめると、どうしても勝つことばかり考えてしまいます。会社員では達成できないような資産を築くことができるため、本当に夢がある世界だと思います。しかし、それは勝ち続けた場合の話です。もし負けたらどうなるでしょうか。考えると怖くなりますね。リスクとリターンは表裏一体です。リスクだけを減らしてリターンを増やすことは、絶対にできません。

期待値の高いルールで、ガンガン攻めてリターンを求めつつ、一方では、負けも想定しておくことが必要です。スキャルピングなら10連敗や20連敗もあるでしょう。普段なら、10回トレードすれば半分以上は勝てるのに、なぜか勝てない時期があります。こういうときに連戦連勝しかイメージしていないと、メンタルが崩れてしまいます。

トレードは「七転び八起き」です。七転びをしっかり受け入れることで、適切な損切りを淡々とできるようになります。勝つことばかり、負けることばかり考えるのではなく、両方をバランスよく考えることが重要です。

ぶせな FX専業トレーダー

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