スキルの問題ではない…トレーダーが勝てなくなる「根本原因」【FX専業14年目の億トレーダーが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月10日 11時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
FXにおいて「冷静さを失ったときのトレードほど危険なことはない」と、FX専業トレーダーであるぶせな氏はいいます。冷静さを欠くことなく「大損」を避ける術とは? ぶせな氏の著書「【究極進化版】最強のFX 1分足スキャルピング」(日本実業出版社)より見ていきましょう。
失敗して自暴自棄になることだけは避けよう
「守りの資金管理」が我が身を助ける
これだけは絶対にやってはいけない、というものがあるとしたら、自暴自棄になることです。これは、私の経験上最も後悔する行動です。
私がリーマンショックでほとんどの財産を失ったのも、自暴自棄になり無限ナンピンをした結果です。幸い、再起してからは「守りの資金管理」をしっかり行なっているので、たとえ一度大損しようがそれほど痛手はありません。冷静に戻ったとき、もし全財産をかけてナンピンしていたら終わっていたな、と考えることがあります。
「守りの資金管理」のおかげで助けられたことが何度もあります。資金管理をしているために、そこまで自暴自棄にならないのかもしれません。どちらにしても、やけっぱちになることだけはやめましょう。俗にいう、キレるという行為です。FXにおいて、冷静さを失ったときのトレードほど危険なことはありません。
キレて大ロットでエントリーしたり、ナンピンしたりしてはいけません。ここで仮に取り返せてしまったとしても、こうすればいいのだと記憶されてしまい、次も同じ行動を取ります。そしていつかは退場させられてしまいます。
自分1人だけだと、周りが見えなくなる
自暴自棄になる要因として、トレードが個人プレーである点が挙げられます。機関投資家のディーラーのように組織で売買するわけではなく、個人投資家はすべて自分の判断で売買しなければなりません。上司が見ているわけでもなく、誰かに指示されることもありません。そうなると、何が正しくて何が間違っているのか、指摘できるのは自分だけです。レールを外れたことに気づかないと、そのまま進んでしまうので取り返しのつかないことになります。
また、FXという不確実性の高い市場で、資産変動が激しい取引をするので、冷静に判断できなくなるのは自明です。自分ではレールを外れていることに気づきにくいものです。そのため、パニック状態はいいすぎですが、メンタルを崩すことなどかんたんでしょう。会社の仕事でパニックになることはありませんよね。しかし、同じことをやっていても、ひとたび自分1人だけで判断しなければならなくなると、周りが見えなくなるものです。孤独だからこそ、自暴自棄になりやすいという点は覚えておきましょう。
攻めと守りの姿勢をバランスよく考える
短期的に利益を出そうとしない
勝つことばかりでなく負けることも想定すべき、FXをはじめたばかりであったり、特に負けた経験がなかったりする人は、負けることなど考えないと思います。また、勝つためにトレードするので、最初から負けを想定するのは難しいですね。しかし経験を積むにつれ、勝つこともあれば負けることもあるとわかります。
連戦連勝など無理で、考えてみれば負けがあるのは当然です。そうした負けを大負けにしないコツは、短期的に利益を出そうとせず、長期的に考えることです。こう考えると焦りがなくなり、無茶なロットでドキドキするようなトレードをしなくなります。
また、トレードにかかわることすべてに対し、同時にバランスよく視点を置くようにします。「同時」というのがポイントです。たとえば、エントリーポイントを探すときは、イグジットポイントも同時に考えるのです。エントリーポイントしか考えずにトレードすると、イグジットポイントを決めていないため、一貫性のあるトレードができません。利食い幅を考えるときは、損切り幅も同時に考えます。1分足の細部だけ見るのではなく、15分足、1時間足、日足などの大局も必要でしょう。
また、取引口座も、狭いスプレッドがメリットだといって、ここだけに焦点をあてるのではなく、デメリットは何か同時に考えます。FX会社によるスリッページや約定力の違いもあります。リターンを得たいなら、さまざまなリスクも同時に考えます。
今がよくてもいずれ負けるときがくる
投資は「攻める」ことで大きな利益につながります。そして、「守る」ことで損失を防げます。利益を出すためにやることと、損失を防ぐためにやること、これを同時に考えることで最大限の利益が追求できます。どちらかしか考えないと、もう片方が足を引っ張り、最大限の利益を引き出すことができません。バランスよく考える癖をつけましょう。そうすると、今が攻める時期なのか、それともトレードは控えめにして様子見を多くし、資金を減らさないことに徹して守る時期なのか、考えるようになります。バランスよく考えることで、他の面でも攻めと守りを天秤にかけ、「今どちらのほうがいいのか」と考えるようになります。
その一方で、長年トレードをしていると、目線を切り替える難しさも感じます。昨日まで攻める姿勢でロットを張っていたのが、今日になって突然ロットを落としたり様子見をしたりするなど、1日で切り替えるのは難しいことです。ただ、勝ち続ける思考になっていれば、「ちょっと昨日までの流れと変わった」「トレードがかみ合わない」などの異変に早い段階で気づくことができます。
ほとんどのトレーダーは、流れが変わったことに気づかず、毎日同じ感覚でトレードするから勝てなくなるのです。これは、スキルではなく考え方の問題なのです。
ぶせな FX専業トレーダー
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