役職定年で「報酬半減&部下なし」と宣告された広報課長…50代で「異業種への転職」に成功した理由【人材開発コンサルタントが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月11日 11時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
会社員の多くは、役職定年により大幅な収入源となります。とはいえ、50代で転職なんてできるのか……そう考える人も少なくないでしょう。しかし、自分では特別だと思っていない知識・スキルは時として「大きな優位点」となるのです。人材開発コンサルタント・田原祐子氏の著書『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)より、役職定年となる半年前に転職を決心した結果、異業種への転職を成功させた50代女性の事例をみていきましょう。
役職定年の条件にモチベーション低下→転職を決意した50代女性の事例
島津さん(女性)は、ある製造業の広報課長として活躍していました。社内で初めての社内報や、会社初の「地域ふれあいイベント」を企画・集客・設営して定着させるなど、長年広報の仕事に、とてもやりがいを感じていました。
ところが、そんな島津さんにも「55歳の壁」が立ちはだかります。
56歳からは給料が半減し、部下もつけてもらえなくなるというのです。さすがに島津さんのモチベーションは、最低レベルに落ちてしまいました。
「モヤモヤした気分で悩みながら仕事をするなら、いっそ転職しよう」と決心したのは、役職定年になる半年前でした。
転職サイトで、同じ地域の食品メーカーの広報・企画職の募集案件を見つけ、さっそく島津さんは応募して面接に臨みました。
面接担当者と話すうち、これまで島津さんが手がけた実績を聞かれ、「地域ふれあいイベント」のことを伝えると、担当者は目を丸くして、あのイベントは自分も注目しており、地域初の素晴らしいイベントだったと褒められることしきり。
数日後、「広報部門のリーダーとして採用したい」という通知が届きました。島津さんは今、前職で長年培ったスキルを発揮し、リーダーとして大好きな広報の仕事に従事しています。
「業種(業界)は変わっても自身の力を発揮できる。むしろ、長年いた製造業の広報より、ずっと新鮮な気持ちで仕事に取り組める」という島津さん。今彼女は、以前にも増してイキイキと働いています。
島津さんが転職に成功した理由を深堀
長年培った経験知…実績づくりで転職を有利に
島津さんの転職前の状況を、「今ある姿」と「ありたい姿」で確認してみます。
・今ある姿
中規模企業の広報室長。もうすぐ役職定年を迎えるため、給料が半減する。
部下も持てなくなる予定なので、これまでは自分の部下が担当していた雑用も含め仕事が増え、やりがいのある仕事ができなくなり、給料も減るという三重苦。
・ありたい姿
小さな規模の会社でもいいので、社内報や地域への発信などを任せてもらえる企業を希望。部下はいなくても、他の事務職のパートの方々に手伝ってもらいながら、やりがいのある仕事を手がけたい。「今ある姿→ありたい姿」分析で、ご自分が譲れなかった条件が、転職によって見事解決していることがわかります。
また、島津さんが手がけた業務の実績が「わかりやすい形や記録」になっていたため、その実績が、転職する際に効果的な「PRツール」になっています。
転職すると、「所属していた企業の肩書がなくなり、自分の価値が下がる」と心配する方がいますが、あなたが手がけた業績は、まぎれもないあなたの「作品」です。
社外秘のものや、持ち出し禁止の実績を口にするのは言語道断ですが、一般にオープンになっているものがあるなら、ぜひあなたの大切な経験知の結晶として、転職先に伝えましょう。
あなたが苦労して手がけた実績は、あなたの経験知である、知識・スキルの賜物であり、宝物です。実績は、転職する際には、大きな優位点となるため、日ごろから「実績づくり」に取り組みましょう。
「あれを手がけたのは、あなたなのですね!」と言われれば、しめたもの!
肩書がなくなっても、企業名がなくなっても、大船に乗った気持ちで、新しい職場で存分に力を発揮してください。
田原 祐子 人材開発コンサルタント/ナレッジ・マネジメント研究者
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