よくある意見「20年後を見据えて株を買え」は気にする必要ナシ?…株式投資で稼ぐために知っておくべき「基本のテクニック」【プロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月16日 10時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
「投機」ではなく「投資」をするならば、20年後などずっと先を見据えて株を買うべきだ、という意見があります。しかし、そこにこだわらなくても、十分な成果を上げることができるといいます。その理由を株式会社ソーシャルインベストメント川合一啓氏が解説します。
20年後のことはわからない
まず言えるのは、そもそも20年後のことなどはそうはわからないので、それを見据えて投資をする必要もないということです。
たとえば、20年前にAppleの株を買っていれば、今はその価格が400倍以上になっています。しかし、20年前のAppleはまだiPhoneを作っていません。さて当時、AppleがiPhoneのような世界を変える商品を作り、株価が大きく上がっていくことを、予測できた人はいるのでしょうか?
20年経てば世の中は大きく変わり、業界・会社ごとの栄枯盛衰もあります。20年前、人々は今よりも衣料品にお金をかけていました。テレビの視聴率も新聞の購読率も今よりずっと高く、ネット通販も今ほど盛んではなく、実店舗での買い物が主流でした。
また、その20年間で伸びてきた業界に属する会社でも、消えてなくなった会社は山ほどあります。いくら伸びる業界にあっても、生き残り、大きくなる会社は一部なのです。
ですから、そんな20年後という遠い先のことを見据え、20年後に大きくなっている会社を予測し、株を買って大儲けできる人など、なかなかいないでしょう。後になって「そう思っていたけど、株は買わなかった」という人はいるかもしれません。
また、いろいろな会社に投資をし、外しまくりながらも、たまたま大きく成長する会社を買えた、という人もいるかもしれません。しかし結局、20年後のことを高い精度で予測するのは、不可能なのではないでしょうか。
毎年しっかり利益を出し続ければ、20年後には運用資産は十分大きくなる
一方、どのような投資方法であろうとも、毎年しっかり利益を出し続ければ、20年後には運用資産は十分に大きくなっていきます。
以下に、複利で毎年何%の利益を出し続けると、20年後に当初と比べて運用資産が何倍になるかを、表にしています。
運用利率 20年後の運用資産増加率
5% 約2.65倍
10% 約6.73倍
15% 約16.37倍
20% 約38.34倍
25% 約84.74倍
30% 約190.05倍
20年後を見据えた投資にこだわらなくても、毎年着実に利益を出し、利益分を再投資し(複利運用)、それを長く続ければ、ちゃんと稼げるのが株式投資なのです。
20年後も変わらずに存在するであろう会社が割安だったら買えばよい
ただし、20年後も変わらずに存在するであろう会社が割安だったら買う、というのは1つのテクニックだといえます。なお、それは「20年後に大きく飛躍している会社」である必要はありません。
前述のとおり、20年先を予測するのは困難であり、かつ、予測できなくても資産を大きくすることは可能だからです。一方、現時点で安定した利益を出していて、それが20年後も続くであろうという会社ならば、予測の難易度はぐっと下がるでしょう。
では、20年後も変わらずに存在するであろう会社とはどんな会社でしょうか。一言でいうなら、普遍的な価値を持つ商品やサービスを売っている会社、ではないでしょうか。
前述のとおり、20年経てば世の中は大きく変わりますが、一方で、20年前と変わっていない部分もたくさんあります。
有名なお菓子や飲料は、当時も変わらず売れていたでしょう。便利でブランド力のある食料品店や飲食店、市場シェアが圧倒的に高い製品、なども当時と変わらずに売れていたでしょう。銀行、コンピュータのOS、通信会社など、一度決めたら他社に変えるのが面倒だという業種も、それに当たるかもしれません。
そういった会社を見つけ、割安のときに買えれば、利益を得るチャンスが何度もめぐってきます。割安だったのが適正価格に戻れば、利益が出ます。株価が変わらなくても、配当による利益が出ます。そして、長期保有し、経済全体の成長に伴い株価が上昇することでも、利益が出るのです。
毎年しっかり利益を出し続けるのが基本
そもそも20年後のことなどはそうはわからないので、それを見据えて投資をする必要はないでしょう。
一方、どのような投資方法であろうとも、毎年しっかり利益を出し続ければ、20年後には運用資産は十分に大きくなっていきます。毎年着実に利益を出し、利益分を再投資し(複利運用)、それを長く続ければ、ちゃんと稼げるのが株式投資なのです。
ただし、20年後も変わらずに存在するであろう会社が割安だったら買う、というのは1つのテクニックだといえます。
川合 一啓
株式会社ソーシャルインベストメント
取締役CTO
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