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「全員もらえる」わけではないが…60歳から65歳の間だけ支給される〈特別支給の年金〉の正体【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月29日 11時15分

「全員もらえる」わけではないが…60歳から65歳の間だけ支給される〈特別支給の年金〉の正体【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

自分が受け取る年金について、「いつから」「どんな年金を」「いくら」もらえるのか……きちんと答えられる人は決して多くありません。そこで、『定年までに知らないとヤバイお金の話【最新版】』(彩図社)より、「特別支給の年金」と「ねんきん定期便」についてみていきましょう。著者でファイナンシャルプランナーの岡崎充輝氏が解説します。

特別支給の老齢厚生年金」って、なに?

厚生年金に1年以上加入していれば、「60歳」から年金がもらえる

年金をいつから、いくらもらえるのかを知ることは、定年後の生活設計を考える上で非常に重要ですよね。60歳からもらうことができるにもかかわらず、それを知らずに手続きをしていない人も多いようです。

まずは一番簡単な、国民年金にしか加入したことがない、つまりサラリーマンをしたことがないという人です。今までに厚生年金や共済組合に加入していた期間が1年未満の人も含みます。

この人は、老齢基礎年金(国民年金部分)しかもらえません。つまり支給開始は65歳からです。

次に、厚生年金に1年以上加入したことのある人は、60歳から年金をもらうことができます。この年金のことを「特別支給の老齢厚生年金」といいます。この「特別支給の」というのが、いささかややこしい原因ですよね。簡単に言えば、老齢基礎年金も老齢厚生年金も原則、65歳からしかもらえません

でも現状、定年が60歳だったり、もともと老齢厚生年金は60歳からもらえていたものを急に65歳からしかもらえませんとなると、困ってしまいます。そこで、60歳から65歳までの間に支払う年金を「特別支給の老齢厚生年金」としたわけです。

もちろん特別なものですから、いつまでもあるわけではありません。生年月日によって、段々と特別な支払いは少なくなっていきます。

そして、年齢と特別支給の老齢厚生年金額の関係を表にしたのが、[図表1]です。

男性:1961年度生まれ、女性:1966年度生まれから「特別な年金」はなしに

男性は、1961(昭和36)年4月2日以降生まれの人、女性は1966(昭和41)年4月2日以降生まれの人から、特別に支払われる年金は完全になくなるわけです。ご自分が表のどこに当てはまるか、確認できましたか?

そうすると、また気になる言葉が出てきました。そう、「報酬比例部分」という言葉と、「定額部分」という言葉です。[図表1]を見ていただければ想像できると思いますが、ようは、「報酬比例部分」というのは老齢厚生年金で、「定額部分」は老齢基礎年金だと思っていただければOKかと思います。

詳しい計算方法もあるのですが、そこはこだわるところではありません。

「経過的加算額」に注意!50歳以上の「ねんきん定期便」の見方

それでは、肝心の「いくらぐらいもらえるのか」を見ていきましょう。その昔は、この手の話になると、「おおよそは分かりますが、詳しくは年金事務所(旧社会保険事務所)に聞いてください」とお伝えしていたのですが、2009(平成21)年4月以降、毎年誕生日月に「ねんきん定期便」が送られてくるようになりました。

この「ねんきん定期便」を読み解けば、年金がいつから、いくらぐらいもらえるのかが分かります。

ねんきん定期便は、50歳以上と50歳未満で大きく様式が異なります

50歳以上は、このままの状態が60歳まで続いた場合、どのくらい年金が支払われるかが分かるので、数字はかなり現実的です。

50歳未満の場合は、現時点で年金をもらい始めた場合の計算で書かれているために、「えっ、こんなに少ししか年金もらえないの!?」とびっくりする人もいるでしょうが、そうではありません。将来の年金額を計算するには、同封されている計算シートを使って、自分で計算してみる必要があります。

この記事をお読みになっている方はほとんど50歳以上だと思いますので、今回は50歳以上の定期便を見ていきましょう。

[図表2]が、50歳以上の方が受け取るねんきん定期便のサンプルです。こうやって見れば、もう分からないことは、ほとんどありませんよね。いつからいくらもらえるか、そのままの数字が参考になるはずです。

補足して説明する必要があるとすれば、「経過的加算額」という言葉でしょうか。

これは、定額部分と老齢基礎年金の計算方法が違うため、「特別支給の老齢厚生年金」の定額部分をもらっていた人が、65歳になって老齢基礎年金をもらうと、定額部分の金額よりも基礎年金の金額のほうが少なくなってしまうことを指します。

それを補うために、少なくなる部分を補っているのが、「経過的加算額」というわけです。

「手元にねんきん定期便がないからどうしよう」とご心配の方、大丈夫です。ねんきん定期便専用ダイヤルに電話すれば、再度送ってもらうことが可能です。

この機会にぜひお確かめください。

岡崎 充輝 ファイナンシャルプランナー 株式会社ヘルプライフオカヤ 代表取締役

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