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投資成績を大きく左右する本番がある!株式投資でベストパフォーマンスを出す方法

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月25日 11時0分

投資成績を大きく左右する本番がある!株式投資でベストパフォーマンスを出す方法

(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資にはスポーツと同じように練習と本番がある……。足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中でこのように主張しています。一体それはどんなものでしょうか? 方法を本書から紹介します。

資産最大化のチャンス! 次の「大相場」に乗るための基礎練習

株式投資でベストパフォーマンスを出すためには「日々の練習」が必要です。スポーツの練習に例えて、その方法をお伝えしましょう。

まず一つ言えることは、スポーツの世界にも株式投資にも「本番」がある、ということです。スポーツの世界では、試合や大会といった「本番」に向けて、選手は日々練習を続けます。それは、本番でベストパフォーマンスを出すためです。筆者は、このことは株式投資の世界でも同じだと思っています。実は株式投資も「本番」があり、ここでのパフォーマンスが投資成績に大きく左右されるからです。

株式投資の「本番」とは?

株式投資の「本番」とはいつか? 筆者は、ほとんどの銘柄の株価が大きく上昇する、いわゆる「大相場」の時期が株式投資の本番だと思っています。大相場では、銘柄選択によるパフォーマンスの差は小さいです。その期間に株を保有していることができれば、それだけで大きな利益につながります。

逆に、大相場が崩れて、二極化相場や一握りの銘柄しか高値を更新できていない相場だと、銘柄選択を誤ると、全くといってよいほど利益が上がらない、というのが現実です。投資する銘柄を10銘柄ピックアップして実際に投資したところ、そのうちの2つは株価が大きく上昇したものの、残り8つは逆に株価が下落……となれば、トータルでの利益は小さいものになってしまいます。トータルで損失となる可能性もあります。

大相場の時期以外でも、株価が大きく上昇する銘柄は確かに存在します。「それを選ぶことができるように銘柄分析力を高めればよい」という声もありますが、プロの投資家でさえ難しいものを個人投資家ができるようになるとは到底思えません。株式投資では、利益を上げることが容易な局面とそうでない局面とがあります。そして、利益を上げることが容易な局面でしっかりと利益を出すことこそが、パフォーマンスの向上につながるのです。

●二極化相場 ある銘柄群だけが買われて上昇し、それ以外の銘柄は無視され株価が低迷しているような相場状況のことを意味します。

筆者が25日移動平均線を売買の基準にしている理由は?

筆者は、株価が25日移動平均線を超えたらすぐに買い、割り込んだらすぐに売る、という売買手法をずっと繰り返しています。なぜこれを行っているかといえば、「本番」の大相場が到来した時、しっかりと利益を得ることができるようにするためです。このルールに沿って売買をしていると、「大相場にすんなりと乗ることができる」という大きなメリットがあります。

大相場になれば、株価が25日移動平均線を上回った状態の中、株価が上昇を続けます。そのため、株価がいくら大きく上昇しても、それに乗り続けることができるのです。実際、筆者も2012年11月中旬から2013年5月までの間、このルールを貫徹したおかげで多くの利益を得ました。

●25日移動平均線 「移動平均線」は株価の値動きを分析するための「テクニカル指標」の一つです。まず、期間を設定し、その期間内の株価の終値を足して期間数で割ることで、その期間中の株価の平均値を計算。その平均値を結んだ線が移動平均線です。

移動平均線の傾きで値動きの方向性=トレンドを判断することができます。株価が移動平均線からどれぐらい離れているか(「かい離」といいます)で、値動きの勢いや過熱感を見ることもできます。

また、期間の違う移動平均線の並び方からトレンドの状況や勢いの変化を判断します。株価が25日移動平均線を上に超えるということは、これまでの25日間の株価の平均値を超えたことで、株価の上昇に勢いが出たシグナルになります。

大相場以外ではこまめに利益確定すればいい?

このようなお話をすると、次のように考える人もいるかもしれません。「今は到底、大相場など来ないだろうから、株価が少し上昇したらしっかり利益確定で売っておくべき。大相場が到来したら売らずに持ち続ければよい」と。

確かに、これができれば誰も苦労しません。でも、大相場というものは、あとになって振り返ってみて、「あの時は大相場だったね」と気づくものなのです。大相場の最中、特に大相場の入口の時点では、大相場かどうかはまず分かりません。

実際、2012年11月中旬から2013年5月頃までのアベノミクスの大相場の恩恵にあずかれた個人投資家は多くありませんでした。多くの人は、株価が少し上昇したところで売ってしまい、その後、買い戻す機会もなく、さらなる株価上昇を指をくわえて眺めているだけだったのです。

大相場が到来する前は、確かに株価が大きく伸びることがなかったので、しっかりとこまめに売却して利益確定しておくのがセオリーでした。でも、そうした投資手法を取っていた個人投資家は、大相場が来ても、いつも通り少しの利益で売ってしまったのです。

実際、当時の専門家・評論家のコメントも、上昇スタート時の日経平均株価が9000円弱だったにもかかわらず、「日経平均株価が1万円を超える水準は明らかに買われ過ぎで近々下落に転じる」という内容のものが多かったと記憶しています。

次の「本番」ではベストパフォーマンスを発揮しよう

大相場は大きな利益を得ることができる絶好の機会ですが、そんなに頻繁に来るものではありません。コロナショックによる急落後の2020年4月~10月頃、2012年末~2013年前半、その前は2005年にまでさかのぼります。

逆に、この機会を逃してしまうと、他の期間は利益をそれほど上げることができない期間ですから、おのずと株式投資の成績は低迷してしまいます。事前の練習なしに、大相場で大きな利益を上げることはほぼ不可能だと筆者は考えています。「何となく買い、何となく売る」を繰り返しているようでは、せっかくの機会を逃してしまいます。

だから、売買のルールを決め、それを守ることができるよう、日々の取引で練習しておくことが必要です。いつものルーティンワークを淡々とこなす、その結果「いつの間にか大相場に自然と乗れている」。これが理想形です。次の大相場という「本番」で成果を発揮するため、今から売買のルールをしっかりと確立し、それを実行できるように練習しておきましょう。

上昇相場に乗り遅れないためにはどうすればよいか?

上昇相場の初期段階で上昇相場であることを察知し、安値で買っておくことができれば、悩む必要もなくなるわけです。そのためにはどうすればよいか、筆者なりの方法をご紹介します。

上昇相場入りしたとなれば、どこかに何らかのサインが見つかるはずです。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった株価指数に底入れの兆しが見えたり、騰落レシオが底打ち・反転となったりします。また、小型グロース株が本格的に上昇するような上昇相場であれば、東証グロース市場250指数などが底入れします。こうした「上昇の兆し」を見つけるために、まずは定期的に、最低でも週1回は株価指数の株価チャートや騰落レシオをチェックしておく必要があります。

●騰落レシオ 株式市場に上場する株の中で、ある期間中に値上がりした銘柄数を値下がりした銘柄数で割ったものです。通常は過去、25日間で上昇した銘柄数の累計を下落した銘柄数の累計で割って、%表示した「25日騰落レシオ」がよく使われます。

●日本の株式市場の種類 日本の株式市場には、規模が大きい大企業が上場する東証プライム市場、それに次ぐ規模の企業が上場する東証スタンダード市場の他、まだ規模が小さいものの成長が期待できる東証グロース市場があります(その他に札幌、名古屋、福岡にも証券取引所はあります)。

次に上昇相場の「テーマ」を見つけ出す

次に、その上昇相場での「テーマ」をいち早く見つけ出すことが重要です。一口に上昇相場といってもいろいろあります。2005年や2013年前半のように、ほぼ全ての銘柄が大きく上昇する全面高相場もあれば、2000年前後のITバブル相場のように、一部のネット関連銘柄だけが大きく買われる半面、内需系中低位株をはじめ安値を更新し続ける銘柄も多く出現する、といった跛行色の強い上昇相場もあります。

株価の金額が高い値がさハイテク株が大きく上昇する上昇相場もありますし、中低位株が軒並み何倍にも跳ね上がる上昇相場もあります。特に全面高相場以外の上昇相場では、テーマに合致した銘柄へ投資しないと、一向に利益を上げることができなくなってしまいます。

上昇相場のテーマは、他の銘柄に先行して上昇している銘柄の共通点から導き出すことができます。したがって、どんな銘柄が上昇しているのかをいち早く察知するために、まず上場銘柄を、業種・市場などが偏らないよう100銘柄ほどピックアップしておきます。それらの銘柄を、同じような値動きをしやすい、いくつかのグループにまとめ、株価の動きを定期的に観察しておくのです。

株価が上昇しているグループを探し出す

グルーピングの方法は、業種、上場している市場、過去の株価の動きや高値・安値をつけた時期などをもとに行います。筆者であれば「成長株」「値がさハイテク株」「銀行株を含めた内需大型株」「中低位株」といった具合です。そのうえで、ピックアップした銘柄のうち明確に上昇しているようなものがあれば、他の銘柄の株価もチェックして、全体的に上昇を始めているグループがあるかどうか確認します。

そして、そのグループ内でまだ本格的な上昇に至らず出遅れている銘柄を探し、新規買い候補としていきます。必要に応じて、上記でピックアップしている銘柄以外にも、同じグループに分類される出遅れ銘柄がないかどうかチェックします。

なお、ここでの「出遅れ」というのは、あくまでも上昇相場初期段階での出遅れであり、上昇相場がかなり進展したあとの出遅れ銘柄(出遅れている何らかの理由、マイナス要因が隠れている可能性が高い)とは意味合いが異なることを申し添えておきます。

また、日々の値上がり率や売買代金ランキングの上位銘柄や、新高値更新銘柄のチェックも有効です。本格的な上昇相場となる前に、先行して大きく値上がりする銘柄がいくつかあるものです。これらの銘柄の共通点を分析すると、その後、到来する上昇相場の特徴やテーマを予測するうえでのヒントとなります。

●値上がり率や売買代金ランキング その日、株価の上昇率が高かった銘柄をランキング形式で並べたものが「値上がり率」ランキングで、ネット証券の情報ページや大手ポータルサイトの株式関連情報欄で見ることができます。

また、その日、たくさんの投資家が売買した銘柄を売買代金の総額順に並べたのが「売買代金ランキング」です。売買代金でなく、どれぐらいの株数が取引されたかを多い順に並べた「出来高ランキング」もあります。ともに、市場で多くの投資家が注目し、人気化した銘柄を探すのに便利です。

●新高値更新銘柄 「新高値」とは過去のその銘柄がつけた高値を超える新たな高値のことです。その銘柄が株式市場に上場して以来の高値を超えてつけた価格は「上場来高値」、その年の高値を超えた価格は「年初来高値」、昨年までの高値を抜いた価格の場合は「昨年来高値」といいます。

実行には労力もかかるうえに相応のリスクも

このように、上昇相場の初期段階で買おうとすると、常に株式市場や個別銘柄の動きを追いかける必要があります。実際に実行するのは結構大変かもしれません。したがって、精度や買いタイミングの面では多少劣るものの、次のようにすれば労力も多少は減らせると思います。

・観察銘柄を大幅に絞り込む(自分の興味がある銘柄だけにする)

・観察銘柄の株価チェックの頻度を減らす(例えば毎週末のみとする)

・株価指数や個別銘柄等の底打ち・上昇の兆しの有無は日足チャートではなく週足チャートで観察する(観察が週1回で済む)

さらに、上昇相場の初期段階で買おうとすると、上昇相場ではなく単なる下落途中の一時的な戻りを買ってしまう、というリスクも高くなります。したがって、上昇初期で買おうとするならば、それが本格的上昇でなく、あや戻し(下落相場が続いたあと、一時的に少し株価が反転上昇すること)によるダマシだったことが判明次第、速やかに損切りすることが非常に重要です。

こうした一時的なあや戻しにできるだけ引っかからないようにするためには、例えば、日経平均株価や個別銘柄の多くが25日移動平均線(日足チャートでの分析の場合)や13週移動平均線(週足チャートでの分析の場合)の上方で恒常的に推移するようになって、上昇相場入りの確度が高まった段階で買い出動するようにします。これなら、株価は底値からある程度上昇してしまってはいるものの、失敗は減らせるのではないかと思います。

●日足チャート、週足チャート 株価の値動きを記録したチャートには1本のローソク足の期間が1日の値動きを示した日足チャートや、1本のローソク足が1週間の動きを示した週足チャート、1カ月の動きを示した月つき足あしチャート、1時間の動きを示した1時間足チャートなど、期間設定に応じて呼び名がついています。

上昇相場に乗り遅れたと思ったら?

気がついたら上昇相場が始まっていてすっかり乗り遅れてしまった、というケースは、株式投資をしていれば必ずと言ってよいほど経験するものです。では、上昇相場に乗り遅れた、と思った場合、どのような投資行動が考えられるでしょうか。大きく分けると以下の4つに分類できます。

(1)上昇中の銘柄に飛び乗る

(2)上昇中の銘柄の押し目買い

(3)出遅れ銘柄を探して本格上昇する前に先回り買い

(4)新規買いはしない

上昇中の銘柄を買うことのメリットとリスクは?

(1)上昇中の銘柄に飛び乗る

これは、上昇相場の中心的存在である「旬」の銘柄の勢いについていこうという戦略です。例えば、グロース市場の銘柄が軒並み大きく上昇しているとき、その筆頭銘柄への買いなどが該当します。その銘柄の勢いが強ければ、買った途端に含み益が増えていき、短期間で大きな利益を得ることも可能です。

ただし、その飛び乗りが上昇相場の末期であったような場合、高値掴みになってしまう危険があることには注意が必要です。買い値から10%下落したら損切りする、などの対処で塩漬け株を作らないようにすることが重要です。

(2)上昇中の銘柄の押し目買い

これは、売買対象とする銘柄は(1)と同様ですが、上昇途中で飛び乗るのではなく、押し目(上昇途中の一時的な株価調整)を待って、できるだけ安く買おうという戦略です。 この方法だと、高値掴みのリスクを多少は減らせますし、(1)の方法では損切りの対象になってしまうような大きめの調整があっても、その調整が終わってから買えばよいため、余計な損切りをしなくて済みます。

また、直近の押し目の底を目安に損切り価格を設定しやすい、というメリットがあります。さらに、押し目の底近くで押し目買いをするわけですから、損切りとなった場合の実現損も比較的小さく抑えられます。ただ、株価上昇の勢いが強いと、押し目を待ってもいつまでも押し目が来なくて、結局買えずじまい……ということもあり得ます。

●押し目の底 上昇トレンドが続いていた株価が投資家の利益確定などによって一時的に反転下落することを「押し目」といいます。こうした短期的な調整が進み、株価が安値をつけたところが「押し目の底」です。その後、反転上昇したあとに再度下落した場合、押し目の底となった安値を下回ったら下落がさらに加速するかもしれないので、損切り価格の設定ラインとして使えます。

出遅れ銘柄の買いで気をつけるべき点は?

(3)出遅れ銘柄を探して本格上昇する前に先回り買い

すでに大きく上昇してしまった銘柄は高値掴みの可能性もあり、怖くて今からは手を出せない、という投資家も多いはずです。そんな場合、まだあまり上昇しておらず、比較的安く買える銘柄へ投資して、株価の本格上昇を待つ、という戦略が考えられます。

この方法のメリットは、比較的安い株価で買うため、(1)のような高値掴みをする危険性が低い、という点です。ただし、上昇相場の中身によっては、出遅れ銘柄は全く買われることなく上昇相場が終了してしまう恐れも十分にあり得ます。そのため、業種全体としては上昇しているものの、その業種の中で出遅れている銘柄(例えば業界最大手、2番手銘柄が大きく上昇している業種の3番手、4番手銘柄)を探すのも効果的です。

なお、出遅れている理由がその銘柄独自の悪材料による可能性も考えられます。相場全体が上昇する中、買った出遅れ銘柄は逆に下がるという時は、「全体では上昇相場だから持ち続ければいつかは上昇する」と思うのではなく、損切りだけは確実に行うようにしましょう。

(4)新規買いはしない

年に数回は、株価が調整して安く買える場面が来るものです。高く買って損切りを怠れば、高値掴みや塩漬け株の危険も高まります。上昇相場に出遅れたと思ったら新規買いはあきらめ、次に株価が安くなる局面まで待つ、というのも戦略です。最も理想的なのは、上昇相場のできるだけ初期の段階で上昇相場であることを察知し、いち早く買いを入れることです。そうすれば、上昇相場に乗り遅れずに済みます。  

足立武志

足立公認会計士事務所代表 公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー 株式会社マネーガーディアン代表取締役

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