【預貯金2,000万円+戸建て住宅】「ワガママ娘に遺産ナシ。全財産は息子へ」…姑の遺言にホクホクの嫁、相続発生後〈まさかのどんでん返し〉に絶句
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 11時15分
![【預貯金2,000万円+戸建て住宅】「ワガママ娘に遺産ナシ。全財産は息子へ」…姑の遺言にホクホクの嫁、相続発生後〈まさかのどんでん返し〉に絶句](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_61238_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
高齢となった親の介護、そして相続。シニアに差し掛かった子どもにとって、かなり大きな負担ですが、時に想定外の結果になるケースもあります。実情を見ていきましょう。
多死社会の日本、相続の発生は右肩上がりに
国税庁の資料によると、令和4年分の被相続⼈数(死亡者数)は156万9,050⼈(前年対⽐109.0%)、そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続⼈数は15万0,858⼈(同112.4%)、その課税価格の総額は20兆6,840億円(同111.3%)、申告税額の総額は2兆7,989億円(同114.6%)でした。
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高齢化・多死社会の日本では、相続の件数も毎年増加傾向にあり、またそれに伴い、多くの相続トラブルも発生しています。
横浜市在住の鈴木さん(仮名)は50代で、同い年の夫と2人暮らしの専業主婦。鈴木さんの夫は、妹と2人きょうだいです。
妹は20代前半で結婚して1児をもうけましたが、離婚。その後再婚して1児をもうけたが、再び離婚しました。子どもたちが大きくなったいま、契約社員として働きながら、都内の単身用アパートでひとり暮らしをしています。
舅姑は自由奔放な娘に手を焼いており、鈴木さんもよく愚痴を聞かされました。しかし、義妹はそんな親の気持ちにはわれ関せずといった感じで、友人と出かけるといっては、子どもたちを無理やり実家に預けるなどしており、腰の悪い姑に代って、鈴木さんが子どもたちの面倒を見ることもありました。
「舅姑が、好き勝手にふるまう義妹のことを愚痴りながら、コッソリ援助しているのは知っていました。でも、親ですから。子どもはかわいいのでしょう」
鈴木さんは、そう思って自分を納得させてきたといいます。
面倒を見てくれる嫁へ、姑は遺言書の内容を打ち明けたが…
そんななか、3年前の冬、舅は自宅のふろ場でヒートショックを起こして死去。その後、しきりに寂しいと訴える姑のために、鈴木さんの夫は妹に自宅での母親との同居を打診しましたが、「面倒くさい、イヤよ」のひと言であえなく終了。
困り顔の姑のため、やむなく鈴木さん夫婦が定期的に通うことで対処しました。
腰が悪い姑は、通院などの介助が必要で、そのたびごとに鈴木さん夫婦のいずれかが車を出して付き添いました。そんな日は、丸1日を費やすことになります。認知症の症状がなかったのは幸いでしたが、それでも介助は楽ではありません。
しかし、姑はそんな鈴木さん夫婦の気持ちに気づいていたのでしょうか。ある日、病院から戻ったあと、コッソリ資産状況を明かしてくれたのです。
「この通帳はね、おじいさんから相続したお金。それからこっちが、私がヘソクリしたお金。散々手を焼いた、あのワガママ娘には何もやらないわ。これまで散々援助してきたのだから…。遺言書もちゃんと書くからね。どうか面倒をかけたことを許してね…」
姑が見せてくれた通帳には、合計2,000万円以上の残高がありました。サラリーマンの妻だった姑の年金は月15万円。自宅は横浜市港北区で、最寄駅から徒歩7分の角地の一戸建て住宅。恐らく数年の介護をしても、これらの資産がマイナスになることはないはず…。
どうして?「遺言書の内容と遺産分割が違う…」
それから1年。姑はちょっとした体調不良から肺炎になり、あっけなく亡くなってしまいました。鈴木さんは涙をぬぐう一方、認知症になることも、寝たきりになることもなく、短期で介護生活が終了たことに、ひそかに胸をなでおろしました。
身内だけのしめやかな葬儀から3カ月経過。自筆証書遺言の検認も無事に終わりましたが、夫からは、相続の話はなにも出ません。
しびれを切らした鈴木さんは、リビングでのんびりコーヒーを飲んでいる夫に話を振ってみました。
「相続手続き、大丈夫? お義母さんの家、そろそろ売却先を探さないと…」
夫は新聞から顔も上げずに言いました。
「おふくろの財産は、全部妹にやることにした。生活が大変だっていうから…」
「どうして!? 遺言書の内容と違うじゃない!」
驚いた鈴木さんは、思わず聞き返しました。
「2人で話し合って決めたんだ。あいつは1人で大変だろう? うちはお金に困っているわけではないし。実際、君も専業主婦なんだから、いいじゃないか」
長男の嫁である鈴木さんは、姑の相続人ではありません。そのため、相続に口をはさむことはできません。また、遺言書の内容と異なる相続も、相続人及び受遺者全員の同意があれば可能とされています。
「どうしてこんなことに…」
蚊帳の外に置かれた鈴木さんは、悔し涙を流しました。
相続は、ときに悔しい思い、やるせない思いをする人が生じることがあります。それを防ぐには、被相続人の生前から、家族間でよく話し合い、負担に思っていることなどを共有することが大切です。義母の生前、鈴木さんの大変さが夫と義妹の間で共有されていれば、このような結果にはならなかったかもしれません。
[参考資料]
法テラス「法定相続人とは何ですか。」
法テラス「遺言の検認とは何ですか。」
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