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NHKを退職した〈池上彰氏〉が独立後、まずはじめに取り掛かった「意外なこと」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 10時15分

NHKを退職した〈池上彰氏〉が独立後、まずはじめに取り掛かった「意外なこと」

※画像はイメージです/PIXTA

世界各地を取材し、幅広いメディアで活躍する池上彰氏。本記事では、広報コンサルタントの三上毅一氏による著書『広報のプロが教えるメディアのトリセツ』(中央経済社)から、池上彰氏へのインタビューより、企業広報の「伝える力」を紐解いていきます。

インタビュー:池上彰氏と考える広報の「伝える力」

池上彰氏プロフィール 名城大学教授、東京工業大学特命教授など6つの大学で教壇に立つ。1950年、長野県生まれ。1973年にNHKに記者として入局。松江、呉での勤務を経て東京の報道局社会部。1994年から2005年まで「週刊こどもニュース」の“お父さん”。2005年に独立し、現在に至る。

インタビュアー:著者

新聞は「飯のタネ」

池上さんは日頃、どのようにして情報を仕入れているのですか?

池上:常に、複数の情報源から情報を得るようにしています。新聞はもちろん、書籍、雑誌、インターネットなど、いろんなものを見ていますね。特に、新聞の情報は大切にしています。

私も、情報収集に新聞は欠かせませないと思っています。池上さんが、新聞が重要だとお考えになる理由をお聞かせいただけますか?

池上:限りなく「正確な情報」が手に入るからです。新聞記者は情報収集のプロですし、記者が書いた原稿は、デスクという紙面の決定権を持つ人がチェックします。さらに、校閲というポジションの人が誤字脱字だけでなく、事実関係にも誤りがないかを確認します。大勢の人の目が入ったうえで世の中に出ていくため、基本的に正しい情報になっていきます。もちろん作業するのは人間ですから、誤りもゼロではありませんが。

ちなみに、どれくらいの量の新聞を読まれているのですか?

池上:全国紙や地方紙、子ども新聞といったものを合わせて、12紙チェックしています。アナログ人間なので、基本的に紙の新聞を読んでいます。過去にNHKに勤めていた時は、会社で新聞を読むことができていました。退職後は自分で新聞をとらなければいけません。そこで、独立した際にまず取り掛かったのが、郵便受けの拡張でした。

郵便受けの拡張!

池上:それでも入りきらなくて。時々、配達員の人からインターホン越しに「郵便受けがパンパンなんで、取りに来てください」と、呼び出されることもありましたね(笑)。このようにして新聞を読んでいると、「どういう意味だろう」と疑問がいっぱい出てくるわけですよ。そうしたら「しめた」と思うのです。自分自身が「?」と感じることは、他の新聞記者もきっとわからない。そこで、疑問がわいた事象について、テレビで解説したり、週刊誌や新聞で記事を書いたりしています。これが私の“飯のタネ”です。

地方新聞の存在について

なるほど。先ほど、地方新聞も読んでいるとおっしゃっていましたよね。現在、新聞業界はどんどん発行部数が減って、地方新聞の中には経営が苦しいところもあります。けれども、地方新聞は地域の情報をきちんとキャッチして報道しているという点から、私はとても大切な存在だと思っています。

池上:まったくその通りだと思います。例えば、宮城県仙台市に本社を置く河北新報は、東北全体の情報をカバーしていますから、東日本大震災の復興状況が現状どうなっているのか把握しやすいです。中国新聞は、広島県の核廃絶への思いや、岸田文雄首相は広島選出ですから、選挙関係の情報もチェックできます。それに、たしかに地方新聞の市場こそは縮小傾向ですが、それぞれの地域への影響力はかなりあります。広報パーソンは、見ておいたほうがいいと思います。

私も、長野県の信濃毎日新聞などは読んでいます。

池上:信濃毎日新聞は報道のレベルが非常に高いですよね。私も好きな地方紙の1つです。

海外出張時は現地の新聞も購入

そういえば、2022年の米国中間選挙の際、アメリカに長期出張されていましたよね。あのような時は、新聞はどのようにしてチェックされているのですか?  帰国後、まとめて読むのでしょうか。

池上:国外にいる時は、日本の新聞は電子版で見るようにしています。同時に、現地の紙の新聞もせっせと買っていますね。  

アメリカにいた時のことをお話ししますと、小さな売店ではなかなか数が集まらないので、ニューヨークのグランド・セントラル駅まで毎日通いました。そこで、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナル、イギリスのフィナンシャル・タイムズなどを購入していました。タブロイド紙で言うと、ニューヨーク・ポストやニューヨーク・デイリーニューズもチェックしていましたね。

売り場のスタッフの方とすっかり仲良くなり「あなた、こんなに新聞を買っていたら、家が新聞だらけになるでしょう」と、からかわれることもありました。

三上 毅一

㈱ベンチャー広報

CKO(Chief Knowledge Officer)最高知識責任者

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