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終活で捨てた“不用品”が「相続トラブル」を招くことも…家族を悲しませない「生前整理」の最善策【相続・終活コンサルタントが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月29日 16時15分

終活で捨てた“不用品”が「相続トラブル」を招くことも…家族を悲しませない「生前整理」の最善策【相続・終活コンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

年を重ねるにつれ、頭をもたげる「相続」「終活」のこと。家族に迷惑をかけないよう、生前整理をはじめている人もいるでしょう。しかし、その“不用品の処分”がきっかけで「相続トラブル」に発展することも……。そこで、行政書士/相続・終活コンサルタントの明石久美氏の著書『1000人の「そこが知りたい!」を集めました 人に迷惑をかけない終活』(オレンジページ)より、「生前整理」の具体的な方法やコツをみていきます。

生前整理はまず「捨てるもの」と「売れそうなもの」に分ける

ものが多ければ多いほど片づける人にとって負担になります。今のうちから身軽にしておくことは大切です。まずは、

①すぐに廃棄してしまっていいもの

②売るかどうか見極めるもの

の2つに分けてみましょう。

不用品回収業者は楽ちんだが、「業者選び」に注意

①は日用品や雑貨、壊れた家財など使っていないものや不要なものです。廃棄方法は自治体による回収か、不用品回収業者に依頼をするかのどちらかを選びます。 ※ 不用品回収業者……不用品の回収サービスを行う民間企業のこと。トラックの大きさで料金が決まる場合が多い。軽トラックの場合、1万円前後~2トントラックなら6万円~がおおよその相場。※業者やプランで大きく変わる

自治体による回収は市区町村が指定するルールにのっとって不用品を分別し、指定の日時に合わせて回収場所まで自分で運ばなくてはいけません。手間がかかりますが、そのぶん無料か、安く回収してもらえます。

楽なのは不用品回収業者に回収をお願いすることです。格安に回収する事業者が宣伝をしています。しかし近年、事前の説明と違い高額な料金を取られるなどのトラブルが目立ち、国民生活センターや消費生活センターも注意を呼びかけています。不用品を適切な処理方法で廃棄しない業者もあるようです。事業者を選ぶ際は市区町村から委託を受けているか、「一般廃棄物処理業の許可」を取得しているかを目安にしましょう。

服や本、DVDなどは「リサイクルショップ」へ

②は溜まりがちな服・本・CD・DVDなど。専門のリサイクルショップ(リユースショップ)へ持ち込みましょう。その場で買い取りをしてくれます。値段がつかないようなものでも無料で引き取ってくれるので手軽に手放すことができます。

リサイクルショップは下に挙げたようにさまざまな専門店があります。なんでも買い取ってくれるお店よりも専門店のほうが知識があり、ニーズも把握しているため価値あるものを高く買い取ってくれる傾向があります。

●ファッション(古着、着物)

●スポーツ用品(スキー、ゴルフなど)

●ブランド品(時計、バッグ)

●本・食器・台所用品、アンティーク、家具、家電

海外の投資家も注目「美術品・骨とう品・金」は適切に保管

美術品・骨とう品・金などがあれば複数の専門買取業者に鑑定をしてもらい、相場を確かめておきましょう。今後、値上がりする可能性が高いものは付属品や鑑定書とともに適切な環境下で保管しておけば、将来さらに値上がりすることもあるかもしれません。日本の価値ある美術品や骨とう品は、海外の投資家からも注目されています。

金は世界情勢の不安などを背景に価格が上昇し続けていて、今後も長期的な値上がりが見込める資産として人気があります。

ただし、本人が収集したものは、相続人にとって不要なものになる場合があります。押し付けにならないよう、家族と話をしたうえでどうするか決めることも大切です。

費用も税金もかかる…「不動産」の売却・所有は慎重に判断を

家・土地といった金銭的な価値のある財産は今のうちに売ってしまうか、そのまま保有して相続財産にするべきか迷うものです。それぞれ、今使っていない・今後使う予定がないならば売ってしまうことを視野に入れておきましょう。 ※ 不動産売却の注意点……不動産を売却するときは、不動産の名義人と売主を事前に一致させておかなくてはいけない。放置されている空き家など、すでに名義人が死亡している場合は特に注意。

ただし、不動産の売却は費用も税金もかかるため、慎重に決める必要があります。

不動産はあなたが亡くなったあと、そのまま所有するにしても売却するにしても、相続をする人へ名義変更をしなければなりません。手続きをするには、これまでの相続人、相続人が死亡している場合はその代わりとなる子どもや孫といった代襲相続人全員の戸籍謄本や印鑑登録証明書など多数の書類を用意する必要があります。

生前整理は「捨てすぎ」に注意

不用品は今のうちになるべく片づけてさっぱりさせておくと、残された家族の片づけの負担は軽くすみます。ただ、あなたが「いらないもの」と判断してどんどん捨ててしまって、死後あなたのものが何もないような状態だと、家族はいつまでも悲しみから立ち直れないかもしれません。

あなたにとって「いらないもの」でも家族にとっては何物にも代えがたい大切な思い出の品になるものはたくさんあります。

また、あなたが生前誰にも言わずにものを捨ててしまい、亡くなったあとで親族が「高級な着物があったはず」「高く売れるアクセサリーがない」などと騒ぐような事態は避けたいものです。

できれば、体も記憶も元気なうちに家族と一緒にモノの整理ができるとよいでしょう。モノと一緒に過去を振り返りながら、これまでの思いを語り継げる時間にできれば理想的です。

明石 久美 相続・終活コンサルタント/行政書士

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