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年収750万円・42歳のサラリーマン「先輩、またお世話になります!」と戻ってきた〈出戻り社員〉に憤りのワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月18日 5時15分

年収750万円・42歳のサラリーマン「先輩、またお世話になります!」と戻ってきた〈出戻り社員〉に憤りのワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

学校を卒業して就職した会社で一生働く、というケースは珍しく、転職が当たり前の時代。さらに「退職した会社とは金輪際、さようなら」ではなく、退職した人材を再び受け入れるアルムナイ採用が注目を集めています。企業側にも雇われる側にも大きなメリットがありますが。デメリットといえる側面も。みていきましょう。

退職したらさようなら、はもう古い…出戻り社員を積極的に採用する時代へ

最近、採用に絡んで耳にする機会が増えている「アルムナイ」。alumnusの複数形で、「学校の同窓生・卒業生」を意味する言葉ですが、人材不足に悩む企業にとって、退職した社員へのアプローチが問題解決につながると注目されているのです。

そもそも、以前はOB・OGと呼ばれていた離職者・退職者。昨今のジェンダー問題と絡んで「アルムナイ」という言葉が使われるようになったという背景があります。

一度、会社を離れたとはいえ、アルムナイは自社に対してある程度の理解があり、通常の採用で人材を確保するよりも、その後の業務がスムーズ。また元々接点のある上司や同僚を通して直接声をかけ採用に至るケースが多いことから、コスト削減にもなるというメリットも期待できます。

「積極的にアルムナイ採用を行っている」と退職時に人事から言われた経験がある人もいるでしょう。株式会社リクルートが行った『企業の人材マネジメントに関する調査2023』では、アルムナイネットワークを通じた採用を行っている企業は1割強。またアルムナイネットワークの構築に取り組んでいる企業は約3割に及ぶとしています。またそのいずれも、採用はうまくいっている傾向にあるといいます。

離職者・退職者にとっても、“次”がキャリアの終着点とは限りません。今後のキャリアが広がるという点をみれば、企業側にもアルムナイ側にもメリットは大きいというわけです。

メリットの大きなアルムナイ。注目の背景にあるのは、売り手市場による採用難易度が上昇していることが挙げられます。昨今の有効求人倍率や失業率の推移を示したのが【図表1】。コロナ禍の落ち込みがあったものの、リーマンショックを経た後は、失業率は下降基調、有効求人倍率は上昇基調にあることが分かります。

ただ従業員規模別に求人倍率をみていくと、従業員5,000人以上の大企業では2024年3月卒で0.41倍と買い手市場。規模の小さな中小企業ほど、売り手市場のなか人材不足に四苦八苦しているのが現状です。

転職→再び戻ってきた「後輩社員」に「先輩社員」が憤慨のワケ

企業側にも雇われる側にもメリットのあるアルムナイ採用ですが、良いことばかりというわけではなさそうです。

――出戻り組の後輩社員に納得がいかない

そう吐露をしたのは、42歳のサラリーマン。現在勤めているのは、従業員500人程度の情報系企業。5年前に大手に転職し、そして5年ぶりに再び戻ってきた1つ下の同僚に対して、なんとも言えない憤りを感じているといいます。

――彼が辞めたとき、急な退職だったから非常に迷惑を被った

――転職したのは同業の大手

――「先輩、またお世話になります!」とアルムナイ採用で5年ぶりに戻ってきた

――自分よりもランクが上で、年収も100万円以上違うらしい

大手に転職し、そこでキャリアを積み、実力も磨いて戻ってきたなら男性も納得できたといいます。しかし、大手に転職したとはいえ、そこで積み重ねてきたキャリアが戻ってきた会社で活かせるかどうか未知数(むしろ、いまのところ、久々の古巣での業務に慣れてなく、足を引っ張ることも)。

厚生労働省の調査によると、情報通信業/従業員規模/100~999人企業に勤務する42歳大卒サラリーマンの給与は、月収で46.8万円、年収で745万円。一方、従業員規模1,000人以上企業では、月収は同じ46.8万円ですが、年収は812.1万円。70万円弱の差が生じています。アルムナイで戻ってくる際、いまの給与よりも高い金額&退職前よりも高いランクを提示されたのでしょう。年収は先輩社員よりも100万円以上高くなって出戻ってきたわけです。

このようにアルムナイを積極的に採用することは、既存社員への影響を考える必要があります。「あいつは一度退職したが、俺らはずっとここで頑張ってきたんだ!」という自負もあるでしょう。そこで待遇や給与に実際以上に差が生じてしまうと、大きな不満になってしまうわけです。

余計な衝突・摩擦を避けるためにも、アルムナイ採用においては既存社員への配慮も必須です。

[参考資料]

総務省『労働力調査』

厚生労働省『職業安定業務統計』

株式会社リクルート『企業の人材マネジメントに関する調査2023』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

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