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「土下座しろ!」…父の死後、末っ子長男に「姉2人が激怒した」恐ろしいワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月17日 21時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。親/子ども/きょうだいと、死後のことを話すのは気まずい…。といった声は多いものですが、生前対策を怠ってとんでもないトラブルに巻き込まれる例が相次いでいます。本記事では実際の事例を紹介し、相続対策の基本を見ていきます。

父死去で遺品を整理するも…なんだか長男が怪しい

相続のシーンでは、故人の遺産をめぐりドロ沼の争いになることが少なくありません。特に「遺言書の紛失」は、相続人の間でとんでもないトラブルになってしまうことも……。

たとえば下記のような例。自分事ではなくとも、親戚や友人に起こった出来事として覚えのある方はいないでしょうか。

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〈伊藤さん一家の事例〉

2人の姉を激怒させたのは伊藤ヒロキさん(55歳/仮名)。父が亡くなり、姉弟3人で遺産分割をすることになりました。母親は離婚しているため、相続権はありません。

父の遺産は、預貯金1,000万円と200万円の投資信託です。賃貸暮らしのため不動産の相続は発生しませんでした。きょうだい3人、父の家で遺品整理をするなかで、長女が声を上げます。

「お父さん、遺言書書いたって言ってたよね」

相続対策を怠らなかった父。遺言書を書いた、と正月の席で言っていた記憶があります。

「……そうなの?」とヒロキさん。

「私絶対聞いた。お父さん、遺言書作ったって言ってた」と姉は続けます。

家中の棚をひっくり返しましたが、探せど探せど見つかりません。ヒロキなんか聞いてない?と尋ねると、弟の目が一瞬泳ぎます。気弱な末っ子長男の戸惑いを姉は見逃しませんでした。

「あんた何か隠してる? 正直に言いなさい」

「え、いや……」と言葉を濁すヒロキさん。「黒だな」と悟りました。

「言え!」と問い詰めると、ヒロキさんはおもむろに一室に入ります。姉妹が顔を見合わせるなか、白い封筒を持って帰ってきました。自分のカバンのなかに遺言書を隠していたのです。

「親父、俺のこと嫌いだっただろ……俺に損な内容が書かれてるに決まってる」「さっき遺言書を見つけて、咄嗟に隠してしまった」

姉激怒「よくもまあ嘘をつけたな!」

自分勝手すぎる主張に姉2人は絶句。一瞬の沈黙ののち、火山が大噴火します。

「お父さんの最期の言葉でしょ!? よくもまあ嘘をつけたな!」

「損するって何!? 長いこと仕送りまでもらってたのに今さら損も何もあるか!」

「土下座しろ!」

と矢継ぎ早に責め立てます。激高する姉を前に、ヒロキさんは太刀打ちできません。

「も、申し訳ございませんでした……」と平謝り。

ほとぼりが冷めたのち、伊藤さん一家はすぐに家庭裁判所へ検認を依頼。遺言書には、預貯金と投資信託について、遺産分割の方法がしっかり書かれていました。そして家族一人一人への感謝の言葉も。

結局、遺産分割は遺言書に書かれた分け前のとおり、姉が預貯金をそれぞれ400万円ずつ(ヒロキさん200万円)、投資信託は長女が受け継ぎ、資産管理をすることになりました。分け前200万円は、遺留分を侵害されないギリギリの額です。

ヒロキさん、遺言書の存在を白状したのは、最後の良心が痛んだからでしょうか。しかし後悔先経たず。姉との仲は修復できないまま、現在に至ります。

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この事例は相続トラブルの典型例といえましょう。ただえさえお金が絡むと揉めるものですが、遺言書を故意に紛失したり、捨てたりしたことが発覚した場合、かなりの確率で争いの火種になります。

なお遺言書の検認については下記を参照ください。

“自筆証書遺言書は書く際は簡単ですが、法律上の「遺言書」として認められるためには、家庭裁判所での「検認」という手続きが必要となります。この検認を受ける手続きが本当に大変なのです。

検認の手続きのため、裁判所に出向く必要があります。一般の方の場合、これだけでも精神的にストレスとなるでしょう。さらに相続人のなかで非協力的な人が1人でもいれば前に進みません。そもそも自筆証書遺言書は形式に当てはめて書かれていなければ無効となります。日付の記載がなかったり、印鑑が押されていないなど、何か一つでも不備があると法律上の遺言書として認められません。

相続人の誰かが「本人の筆跡と違う」などと言い始めたら

封印されている遺言書は、家庭裁判所で相続人またはその代理人が立ち会いのうえ、開封します。家庭裁判所に持っていく前にうっかり開封しても無効にはなりませんが、トラブルの原因になります。

相続人の誰かが本人の筆跡と違うなどと言い始めたら大変です。筆跡鑑定が必要だからです。

本人の日記や手紙などがあればいいですが、なければ本人の筆跡であると証明するのが難しくなりかねません。”(駒起今世『相続大増税の真実』)

遅かれ早かれ起こる「相続」。遺産争いとは結局「お金の取り合い」なわけですから、結末がどうであれ、その過程は苦しいものです。いつ何があっても問題ないように、事前の情報収集、適切なコミュニケーションが求められます。

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