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助けて…月収50万円「48歳サラリーマンの父」が目の当たりにした「東京の大学に通う長男」の緊急事態

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 5時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

親元を離れて暮らす大学生。その多くが親から少なからず仕送りをもらい、生活をしています。恵まれた環境ではありますが、それでも生活していくのに大変なケースも。みていきましょう。

日本の大学生…20万人弱が生活苦の現状

この春から、親元を離れて大学生に。親としては、いつまでも子どもは子ども。「ひとり暮らしなんて、ちゃんとできるのか」と、不安でたまらなかったことでしょう。

あれから2ヵ月あまり。心配は尽きませんが、親も子も、新しい生活に慣れてきたころではないでしょうか。

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』によると、2023年、下宿生の「仕送り」は平均7万0,120円。「奨学金」は平均1万9,660円、「アルバイト」は平均3万6,110円。収入の合計は月12万9,240円でした。

多くの親は学費は出すとして、仕送りまでとなると、結構、家計の負担となります。仕送り額の分布をみていくと、2023年、「0円」が7.5%、「(0円を除く)5万円未満」が26.4%、「5~10万円」が31.4%、「10万円以上」が26.4%です。

経年でみていくと、「(0円を除く)5万円未満」が2010年14.9%から11.5ポイント上昇。一方で「5~10万円」は4.8ポイント、「10万円以上」が5.3ポイント、それぞれ下落しています。親の経済状況を反映してでしょうか、仕送り額を抑える家庭が多くなっているようです。

また返済の必要のない「給付型の奨学金」の利用拡大も、仕送り額の減少の要因のひとつ。奨学金を受給する人は、28.9%。この5年でほぼ変わらず、全体の3割を占めています。奨学金の内容をみていくと、「貸与型のみ受給」は17.1%で、5年前と比べて6.0ポイントダウン。「給付型のみ受給」は6.9ポイントで、3.5ポイントアップとなっています。

アルバイトはどうでしょう。「アルバイトをしている」と回答した大学生は74.5%。2018年3万1,670円→2019年3万3,600円→2020年2万6,360円→2021年2万9,130円→2022年3万2,340円と推移してきました。さすがにコロナ禍でガクンと落ち込みましたが、その影響はまったくなくなったようです。

そんな大学生(下宿生)の暮らし向きは、「楽な方」が60.2%(全体では63.7%)。一方で「苦しい方」が7.3%(全体では7.2%)。大学生は全国300万人弱なので、20万人弱が生活苦といった状況であると推測されます。

おかしい…東京で一人暮らしをする長男の異変に父は

今年4月から、大学2年生になる長男が東京でひとり暮らしを始めたという、48歳のサラリーマン。自宅から大学へは片道2時30分強。1年間、大学に通ってみたものの、通学に往復5時間は微妙に遠いというのと、社会勉強にもなるという考えから、ひとり暮らしを認めたといいます。

月14万円ほどの生活費に対し、仕送りは10万円ほど。あとはアルバイトをしながら、やりくりしなさいと言っているといいます。「正直、こちらの家計はパンパンですけどね」と男性。給与は月50万円ほどで、手取りにすると38万円ほど。そこから10万円がまず引かれ、残りで住宅ローンの返済やら、次男の教育費やら払っていくと、ちょうどトントンだといいます。

こうして始まった長男のひとり暮らし。それから半年ほど経ったある日、長男からの電話で起こされたといいます。時間は真夜中の1時。驚いて電話に出ると、長男は明らかに沈んだ声だったといいます。ただ理由を尋ねても、何も話さない長男。「言いにくいことなのか……」。とりあえず、長男が話を始めるまで根気よく電話に付き合いましたが、結局何も言わず。

そこで翌日、黙って長男の家に言ったという男性。突然の父の訪問に驚いた様子でしたが、突然泣き出し、「助けて……」とか細い声で絞りだす長男。「なっ、何ごと!?」と焦りつつも、長男を落ち着かせて話を聞いていくと、どうも生活費が足りなくて大変な思いをしていることが分かりました。

――アルバイトもしているし、仕送りもしている……なぜ?

その原因が、クレジットカードのリボ払い。最初は少額の利用だったものの、どんどん毎月の支払額が増えていき、最近は二進も三進もいかなくなったというのです。成人年齢の引き下げられたことにより、18歳からひとりでクレジットカードの申込みができるようになりました。それによるトラブルも。たとえば男性の長男のようなリボ払いは、毎月の支払いが一定にできるなどのメリットがある一方で、きちんと仕組みを理解していないことで、毎月の支払額が大きくなったり、支払い終期がどんどん延びていったりなどして、「もう無理!」となることも。

クレジットカードの返済のために借金を重ねていては、いずれ取り返しのつかないことになるかもしれません。最悪の事態の前に駆けつけてよかったと胸をなでおろす男性。長男を厳しく叱りつけたうえで、残りのカード返済は父である男性が肩代わりすることに。使用しているクレジットカードは解約させ、その代わり、何かあったときのために、男性のファミリーカードを持たせることにしたといいます。

――甘いと言われそうですが、何が正解なのか、わたしには……

国民生活センターの資料によると、クレジットカードに関する相談件数は2021年度で3万4,372件。うちリボ払いに関するモノは2,405件。10歳代の相談件数は22件、20歳代が406件でした。若者のクレジットカードに関するトラブルは多いようで、国民生活センターでも注意を呼びかけています。

また前述の『学生生活実態調査』に戻ると、「大学入学後にトラブルに合ったことある」の問いに対して、21.7%の学生が「ある」と回答。「訪問販売・キャッチセールスによるトラブル」「祭り商法によるトラブル」「宗教団体・カルトからのしつこい勧誘」など、経験が不足がちな大学生を狙ったものも多くあります。

大学生といっても成人した大人。どこまで親が関与すべきか悩むところですが、フォローが必要なことは、まだまだ多いようです。

[参考資料]

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』

独立行政法人国民生活センター『18歳から大人に!クレジットカードの使い方を考えよう!』

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