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「退職金2,400万円」で住宅ローンを完済!月収38万円の65歳サラリーマン、現役引退後に悠々自適な年金生活を期待も、待ち受ける「老後破産」の危機

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 9時45分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人の夢であるマイホーム。晩婚化の流れのなかで、マイホームの購入年齢は平均40歳前後となっています。以前であれば年金生活に入る前にローン地獄から脱出、というのが一般的でしたが、いまでは70代でローン完済というのも現実的です。そのようななか「住宅ローンを退職金で完済」はありでしょうか、なしでしょうか。考えてみましょう。

東京の普通のサラリーマンが「都外の平均的なマンション」を買ったら…

不動産経済研究所によると、今年4月の「首都圏の新築分譲マンション1戸あたりの平均価格」は7,662万円と前年同月比1.1%(85万円)の下落。一方で平米単価は124.2万円と7.2%(8.3万円)の上昇でした。

地域別にみていくと、「東京23区」は平均価格9,674万円(前年同月比17.8%減)、「東京都下」は5,814万円(4.5%増)、「神奈川県」は6,09万円85.2%増)、「埼玉県」5,088万円(8.8%減)、「千葉県」4,929万円(7.3%増)。地域によって事情はさまざまですが、すべての地域でいえることは、不動産価格の高騰や高止まりによって、以前よりもマイホーム購入のハードルが高くなっているということかもしれません。

厚生労働省の資料によると、東京都の大企業(従業員1,000人以上)に勤務するサラリーマン(平均年齢43.1歳)の平均給与は月収で41.6万円、年収で686万円。そんな「東京の大企業で働く40歳の平均的なサラリーマン」が、「都下に平均的な価格の新築マンション」を買ったなら、どのような返済プランになるか考えてみましょう。

◆物件価格:5,800万円

◆借入:4,600万円

◆頭金:1,200万円(物件価格の2割程度)

◆金利:0.5万円

◆返済期間:30年

細かな手数料等は考慮していませんが、1ヵ月あたりの返済額は「13万7,627円」。年収に対する年間返済額の割合である年収負担率は上限35%といわれるなか、平均は20%前後。それを超えるローン返済は大きな負担に感じるようになります。

東京の大企業勤務のサラリーマンの場合、40歳時点での返済負担率は23%。その後、年齢と共に年収が上がっていくと年収負担率も、40代後半で21%、50代前半で20%、50代後半で17%と下がっていきます。ただし、60歳定年を境に年収は38%ほど減少。それに伴い返済負担率は27%に上昇。定年以降のローン返済はかなり厳しいと心得ておく必要があります(図表)

「退職金で住宅ローン完済」→「ローン地獄からの解放」に潜むリスク

都内に平均的なマンションを買った大企業勤務の40歳サラリーマン。定年以降のローン返済をどうするかは、頭を抱える問題です。

そこでひとつの閃き。

――退職金で完済してしまおう!

日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』によると、大卒総合職の平均退職金は勤続38年(60歳想定)で、2,440.1万円。それに対して、60歳時点のローン残債はというと……ちょうど2,400万円ほどになる計算です。仮に60歳以降も働き、年金受給年齢となる65歳で仕事を引退。年金生活に入ったとしましょう。そのとき、ローンの残債は1,200万円ほど。そして65歳まで厚生年金に加入して働いた際に、65歳からもらえる年金は、併給の老齢基礎年金含めて19.1万円。そんな状況下で年間165万円のローン返済をするというのは、かなり非現実的といえるでしょう。

退職金でローンを完済すべきか、完済すべきでないのか。色々な意見がありますが、年金収入のみの状況下でローン負担を抱えるのであれば、退職金で完済したほうが懸命です。

――ローン地獄からも解放されて、悠々自適な年金生活が送れる

ただし退職金を使い果たした結果、「貯蓄もゼロ」とか「心許ない」という状況はかなり危険。長寿化が進むなか、60代を迎えてから親の介護による経済的負担が増すということは十分に考えられますし、年を重ねていくにつれ、自身の医療費・介護費も増えていきます。そうなると、年金ではまかなうことができず、老後破産も現実路線です。

またマイホームがそのまま終の棲家とは限りません。そのまま暮らすにしてもバリアフリーへのリフォームが必要であったり、自宅に住み続けられないなら老人ホームへの転居も視野に入れなければならなくなるでしょう。その場合、マイホームの売却資金を頼りにするのは危険。想定のように売れなかった……ということは珍しいことではなく、老人ホームでの生活もすぐに破綻してしまいます。

一見すると良好な返済プランも、長い道のりのなかでは行き詰まることも。考えすぎかもしれませんが、リスクを徹底して排除するのであれば、余裕すぎるくらいがちょうどいいかも。いずれにせよ、借りすぎは絶対に避けるべき選択です。

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