ビットコインに次ぐ〈時価総額2位〉、ロシアの“若き天才”が開発した「イーサリアム」が注目されるワケ【マネックス証券アナリストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月24日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
ビットコインに次ぐ時価総額2位の座をキープしており、「ビットコインの次はコレがくるのでは」と期待を寄せる投資家も多いのが「イーサリアム」です。2024年5月、米SECより現物ETFが承認されたことで最高値を更新し、一層注目度がアップしています。ここでは松嶋真倫氏の著書『暗号資産をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)より、今だからこそ知っておきたいイーサリアムの仕組みや開発計画などについて解説します。
イーサリアムがなぜビットコインの次に注目されるのか
ビットコインに次いで時価総額が大きい暗号資産が「イーサリアム」です。イーサリアムは数ある暗号資産を発行する基盤として広く使われており、多数のブロックチェーンアプリが作られています。
分散型金融(DeFi)やノンファンジブルトークン(NFT)といった最新トレンドもイーサリアムを中心に生まれています。イーサリアムの理解を深めることで暗号資産やデジタル資産の広がりが見えてくるため、投資もしやすくなるでしょう。
イーサリアムはヴィタリック・ブテリンというロシアの若き天才が考案したブロックチェーンです。今では「イーサリアム財団」という、イーサリアムの構想に共感する有志の人たちによって立ち上げられた財団により開発が進められています。この財団には考案者のヴィタリックも所属しています。
イーサリアムは通貨として考案されたビットコインと違い、様々なアプリケーションを開発するための基盤として機能します。それらのアプリはブロックチェーン上でつくられることから、分散型アプリあるいはDApps(Decentralized Applications)とも呼ばれます。
イーサリアムの最大の特徴は「スマートコントラクト」というプログラムをコンピュータとしてブロックチェーン上で実行できることです。この機能によってあらゆる取引を検証可能な形で自動化することができ、暗号資産の発行から、それを使った多様な取引までが実現しています。
イーサリアムの開発は道半ば
イーサリアムの活動は、イーサリアム財団が2014年7月にICOで資金調達したことからスタートしました。世界中の誰もが使える分散型のワールドコンピュータになることを目指して、現在もその性能を高めるための開発が財団を中心に行われています。
コンピュータとして複雑かつ大量の取引を、高速かつ低コストに処理できるほどの性能がまだ十分ではないことから、取引が増えると送金遅延や手数料の高騰が起きてしまうため、問題を解決すべく計画的に開発を進めています。
最近では「イーサリアムキラー」と呼ばれる競合のブロックチェーンも現れていますが、イーサリアムはコミュニティ内での開発が強いために今でも時価総額2位の立場を明け渡していません。
これからますます多くのDAppsがイーサリアム上に作られて利用が増えれば、暗号資産としてのイーサリアムの価値もより高まっていくことでしょう。
イーサリアムの開発計画と技術改善
イーサリアムは、もともとビットコインと同じコンピュータ計算によって取引検証を行うプルーフ・オブ・ワーク(PoW)という仕組みを採用していましたが、2022年に資産の保有量に基づいて確率的に取引検証を行うプルーフ・オブ・ステーク(PoS)という仕組みへ移行しました。このアップデートによって検証にかかるコストが小さくなり、取引の処理性能が向上すると期待されています。
他にも「シャーディング」という取引の並列処理の仕組みも導入する予定です。これは検証者を複数のグループに分けて取引を分担して処理することで、ネットワークの負荷を減らします。創設者のヴィタリック・ブテリンはシャーディングの導入を含めてさらに4段階のアップデートを構想しており、最終的には秒間で10万件の取引を処理できるようになると述べています。
イーサリアムでは本体のブロックチェーンを拡張するだけではなく、「レイヤー2」と呼ばれる、本体以外のところで取引を効率的に処理するような仕組みも導入が進んでいます。たとえば、イーサリアムの本体以外で複数の取引を処理し、結果だけをまとめて本体に記録する技術があります。これによりイーサリアム本体では1000円以上かかる手数料が、レイヤー2を利用すれば100円以下の手数料に抑えられたりします。
このように、イーサリアムは複雑な取引にも耐えられるように様々な方法で技術改善を図っています。
松嶋 真倫 マネックス証券 マネックス・ユニバーシティ 暗号資産アナリスト
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