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軽い気持ちで始めたFXであわや「破産&離婚」危機…42歳サラリーマンが大事な教育資金を使い込むに至ったワケ<br />

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 8時0分

軽い気持ちで始めたFXであわや「破産&amp;離婚」危機…42歳サラリーマンが大事な教育資金を使い込むに至ったワケ&lt;br /&gt;

(※写真はイメージです/PIXTA)

将来に不安を感じ「仕事以外にも何か収入源がほしい」と考える会社員は少なくありません。その選択肢として「FX」を選ぶ人もいるでしょう。しかし、FXを始めるには正しい知識を身に付けることとリスク管理をすることが欠かせません。今回は軽い気持ちでFXを始めたものの失敗を続け、ついには家族に黙って子どもの教育資金にまで手を出してしまった…そんな会社員の事例を通して、FXで失敗しないヒントを解説します。

ちょっとした出来心が家族崩壊の危機に

松本直樹さん(仮名)は、地元の飲料品メーカーに勤める42歳のサラリーマン、妻と小学生の子供2人で暮らす4人家族です。実は数年前に軽い気持ちで始めたFXで、家族崩壊にもつながりかねない痛い目にあっていました。

松本さんがFXを始めたのは、新型コロナウイルス感染症による混乱が続く2021年前半。将来に不安を感じる中、「仕事以外にも何か収入源がほしい」と考えていたときに目に入ったのがFXでした。

松本さんは「このぐらいなら大丈夫、利益が出たら元に戻せばいいか」と、子供の教育資金を貯める口座から妻に内緒で30万円を出金。仕事で為替を見る機会が少しあり、相場観に自信を持っていた松本さんは、何となくの感覚でトレードを開始しました。

FXは勝ちトレードの方が多く、それなりに順調にトレードができていたそうです。しかし、利益をコツコツ積み重ねても、相場が予想から外れたときに大きく負けてしまい、なかなか資金は増えませんでした。負けるときの金額は大きく、5万円近く負けたこともあったといいます。

[図表1]のチャートのように、2021年のドル円は、それまでのジリ下げの流れを上抜けして、まさに強い円安トレンドが始まったところ。そこから現在の超円安に至るわけですが、当時の松本さんは、「だいぶ上がったから、もうそろそろ下がるだろう」という相場観でした。

ある日、松本さんは円高方向に張ったポジションを持っていましたが、想定外の円安が一気に進行します。「これは行き過ぎ。明日には戻るはず」とポジションを決済せずに寝たところ、次の日には円安が加速しておりポジションは強制決済、大きな損失が出てしまいました。

愕然とした松本さんですが、「さすがにこれ以上は円安にならないはず」と考えます。しかし、円安は止まりません。松本さんの思いと逆方向に動き続ける相場の中で、投資資金はすぐに底をついてしまいました。追加で入金して負け分を取り返そうか迷っていたところ、奥さんが教育資金用の口座から出金があったことに気付きます。

奥さんに問い詰められて松本さんは平謝り。損失分は松本さんの趣味のお金などを削って補填すること、二度と同じことは繰り返さないことを約束して、なんとか許してもらいました。

ちなみにドル円は、その後も円安が40円以上進行しました。「もし追加入金していたら負け続けたでしょうし、考えるだけでゾッとします。後戻りできなくなって下手すると破産、妻にも愛想をつかされていたかもしれませんね」と松本さんは苦笑いで振り返ります。

大事にならなかったのは不幸中の幸い

松本さんはトレード云々の前に、それほど大きな金額ではなかったとはいえ、教育資金に手を出したことは強く反省しなければなりません。投資は余裕資金で行うのが大前提。家庭のお金を勝手に引き出したことも、家族の信用を失う行為です。追加入金する前に奥さんが気付いてくれたのは、不幸中の幸いだったでしょう。

トレード面では、ルールなしに感覚で利食い/損切りの判断をしていたことが大きな問題でした。頼りになるのは「最近円安すぎる」といった水準感だけで、しかもその相場観に固執していたようにも見受けられます。その結果、相場観がズレはじめた途端、運用資金が一気に減ってしまったわけです。

また、人間には認知の歪みが起こりやすいため、感覚的にトレードをしていると利益確定が早くなり、損失確定が遅くなりやすい傾向があります(参考記事はコチラ)。松本さんは勝ちトレードの方が多いわりに資産が増えていなかったことからも、まさにこの状態だったと考えられます。

これは俗に「コツコツドカン」といわれる現象で、利益を出せないFXトレーダーが陥りやすいパターンのひとつ。何となくトレードをするのではなく、客観的なルールを作って丁寧にトレードに取り組むべきだったと考えられます。

FX退場者によく見られる「コツコツドカン」

FXには、さまざまな失敗パターンが存在します。例えば、以下のようなものです。

  • コツコツドカン:コツコツと利益を積み上げるものの、一度の負けでドカンと大きな損失を出してしまうこと
  • ポジポジ病:相場の状況に関係なく、トレードを繰り返してしまうこと
  • お祈りトレード:損切りを先送りした結果、身動きが取れなくなり祈るしかなくなること
  • チキン利食い:利益が減ることを恐れて利食いが早くなり、想定通りに利益を伸ばせないこと
  • ハイレバレッジ:高いレバレッジをかけた取引を行い、大きな損失を出してしまうこと
  • 飲酒トレード:アルコールに酔った状態でトレードを行い、判断が甘くなり失敗すること

弊社は、FXの取引経験はあるものの現在は取引をやめてしまった296人を対象に、経験したことのある失敗パターンについて調査を行いました(参考記事はコチラ)。

最も多かったのは「コツコツドカン」で38.5%、これに「ポジポジ病」が34.5%、「チキン利食い」が30.4%で続くという結果です。また、「該当なし」は11.5%にとどまっており、退場者の多くが何らかの失敗パターンの経験があることがわかります。

このように、FXでは松本さんと同じような形で悩んでいる人は少なくありません。コツコツドカンも含めて、FXの失敗パターンに悩んでいる人は、まずは自分なりのトレードルールを設定して、それをしっかり守るというところからはじめると良いのではないでしょうか。

FXで失敗しないための5つのヒント

FXはいい加減に取り組んでいると、時には大きな失敗にもつながりかねないリスクをはらんでいます。最後に、今回紹介した松本さんのエピソードを踏まえて、FXで失敗しないためのヒントを5つ紹介します。

1.必要資金は絶対に使わない

FXは、余裕資金で行うのが大原則です。FXは利益を得られることもありますが、投入した資金が減ってしまうリスクも伴うからです。特に生活費や教育資金などの資金に手を出すと、家族関係にも悪影響が出かねません。金額の大きさに関わらず、絶対にやめましょう。

2.トレードルールを決める

自分の感覚だけでトレード判断していると、合理的でない判断をしてしまいやすいものです。例えば、利益を伸ばせそうなチャンス局面ですぐに利食ってしまう、損失が拡大しそうな危ない局面ですぐに損切りできないといったことがよくあります。相場の状況を踏まえて客観的な判断をするために、トレードルールを決めることが大切です。

3.まずは経験を積んで、スキル向上を目指す

為替の世界では、世界中のトレーダーたちが利益を出すために競い合っています。初心者トレーダーがいきなり安定して利益を出し続けるのは、通常では難しいと考えた方がいいでしょう。すぐに利益をドンドン出そうとするのではなく、まずは経験を積みながらFXのスキルを向上させるところに、目標を置くことをおすすめします。

4.トレードの検証/練習をしっかり行う

FXのスキルの向上を目指す上で、たくさんのトレードを行ってそれを検証することが有効です。しかし、リアルのトレードでは時間が限られているため、トレード経験を積むのには限界があります。この点、現在はさまざまなトレード検証/練習のためのツールがあり、過去チャートを使って短時間に多くの経験を積むことが可能。こういった便利ツールを利用してみるのも、ひとつの選択肢かもしれません。

5.最初から全力で勝負しない

FXを始める際、いきなり運用資金を全て投入することはおすすめしません。なぜならスキルのない初心者が運用資金を大きく失うことは、十分に考えられる話だからです。FXを知る前に運用資金を使い切ってしまわないように、初めのうちは運用資金の一部を使って、少額でトレードに取り組むのが合理的といえるでしょう。

以上の5つのヒントを意識することで、松本さんのような失敗を避けながら、FXスキルの向上を目指せるはずです。

FXは、正しい知識とリスク管理を行えば、有効な投資手段となり得ます。しかし、一方で大きなリスクを伴うのも事実。自分の資金状況や知識レベルに合わせて、無理のない範囲で取り組むようにしましょう。

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