老後は働く必要ナシ!多くの日本人が誤解している「働かざる者、食うべからず」の“ほんとうの意味”【東大卒医師・和田秀樹の見解】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月4日 11時0分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
東大卒の医師で『老害の壁』(エクスナレッジ)の著者・和田秀樹氏は、「高齢者は持っているお金をすべて使いきって、後は生活保護を受給すればよい」と主張します。日本にはびこる「働かざる者、食うべからず」という言葉への誤解と、偏見や批判の多い「生活保護」に対する和田氏の見解をみていきましょう。
死ぬまで働かなくてはいけない…現代日本にはびこる「強迫観念」
日本は高齢化率が高く、生産人口が減っているといって、定年の年齢を引き上げ、70代になっても働かせようとしていますが、高齢者が現役の労働者である必要はありません。それよりも、「俺たちは死ぬまで働かなければいけない」という強迫観念のほうが問題だと思います。
日本の経済が悪くなり、高齢者向けの産業がろくに生まれないのは、お金を持っている高齢者に消費してもらうという発想がないからです。
日本は消費不況ですから、高齢者が増えて生産性が下がることは何の問題もありません。それよりも、高齢者がお金を使わないで、消費全体が低下することのほうが問題です。
よく「現役市民」と言われると、若者も年寄りも、すべての市民が現役で働いていることをイメージしますが、これからの時代は、お金をどんどん使って消費してくれる人も現役市民です。
「働かざる者、食うべからず」の“本当の意味”
「働かざる者、食うべからず」という言葉がありますが、もともとの意味をみなさん誤解しています。
この言葉を発したのは、ロシア革命を起こしてソ連の初代指導者となったレーニンです。
レーニンが言う「働かざる者」とは、不労地主や資本家を指して言っています。社会主義国家が労働しない資本家を批判する言葉だったのです。別に、高齢者や障がいがあって働けない人のことを指しているのではありません。
この元の意味がすっかり忘れられて、「働かざる者、食うべからず」は、労働しない者は食べてはいけないといった意味に変質してしまったのです。
いずれにしても、ソ連は崩壊してしまったわけですから、「働かざる者、食うべからず」は、もはや死語。時代は変わっていくのです。
アリとキリギリスも、現代にはそぐわない物語
イソップ童話の「アリとキリギリス」も、もはや現代には通用しない物語です。
現代の物語にするなら、アリは一生、楽しみもぜいたくも知らずに死にました。一方、キリギリスは冬になっても物が余っているので、一生飢えないで楽しく遊んで暮らしました。という物語になるでしょう。それが今の時代です。
世の中が変わってきているのに、発想を変えられないから、日本は30年不況からいまだに抜け出せないのです。
長生きして生活保護をもらうのは当然の権利
どんどんお金を使いなさいと言うと、「なくなったらどうするの?」といった不安を抱える人もいるでしょう。今の時代、90歳まで生きるという想定でお金を使っていっても、もっと長生きするかもしれません。
でも、仮に貯金をすべて使い果たしたとしても、生活保護があります。「生活保護なんて」と思うかもしれませんが、これまで税金をいっぱい払ってきたのですから、長生きして生活保護を受給するのは当然の権利です。
税金というのは、欧米、特にヨーロッパの感覚だと、若いときに払った分を返してもらうものです。払った以上、元を取らなければなりません。だから、教育費は無料にしてください、医療費も無料にしてください。それがヨーロッパの人たちの税金に対する考え方です。
ところが日本では、これまで働いて税金を払ってきた人が生活保護を受けるようになったら、もうコテンパンに叩かれます。
それでいて、国民の半数以上が反対する元首相の国葬に総額12億4,000万円も使うなど、国民の血税が偉い人たちの好きなように使われています。
それはもはや税金ではなく、封建時代の年貢と変わりません。農民から年貢を絞れるだけ絞って、大名は納められた年貢を好き放題に使っている。今の日本の税金はそんな封建時代の年貢と変わっていません。
だったら、生活保護のように、もらう権利のあるお金はもらいましょう。実際は、年金をもらっている人は、生活保護費の満額から年金を差し引いた分をもらうわけですから、実際に生活保護費としてもらうのは、数万円にすぎません。決して「人様のお金で食わせてもらっている」などと卑屈になる必要はないのです。
極論になりますが、私は持っているお金をすべて使いきって、後は生活保護を受給すればよいと言っています。
その理由は、消費不況の世の中では、生産しないで消費だけする人が一番ありがたい存在だからです。年金暮らしはもちろん、生活保護を受けていても、消費者の1人である高齢者は大手を振って生きるべきだと思います。
和田 秀樹 精神科医 ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表
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