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楽して儲けられると思ったのに…不動産投資で人気の「ワンルームマンション/戸建て再生・古民家リノベ」に潜む落とし穴

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月22日 9時15分

楽して儲けられると思ったのに…不動産投資で人気の「ワンルームマンション/戸建て再生・古民家リノベ」に潜む落とし穴

最近、流行もあってか「ワンルームマンション投資」や「戸建て再生・古民家リノベ投資」に手を出す人が増えています。一見よさそうなこれらの物件への投資ですが、大きな落とし穴があるといいます。本記事では、町田健登氏の著書『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)より、ヘタに手を出すと危ない不動産投資についてご紹介します。

ワンルームマンション投資は「負債」になるケースも

最近、30代前後の上場企業会社員の方で、区分所有のマンションを投資用物件として購入する人が増えています。なぜなら、多くの不動産業者にとって、ワンルームマンションがいちばん販売しやすいからです。

裏を返せば、多くの不動産業者が売りたい物件・売りやすい物件とは、業者にとって都合が良い物件です。本当に残念なことですが、購入者が赤字物件をつかまされて、大損するケースが多く発生しています。

よくあるモデルケースで考えてみましょう。ある会社員が物件価格2,000万円の都内ワンルームを頭金300万円、残金1,700万円を銀行ローンで借り入れて購入したとします。月8万円の家賃収入がある場合、年収は96万円になります。

しかし、ここで大切なのは、実際に自分の手元に残るキャッシュの金額です。実際には、ローン返済に加えて、不動産管理費や修繕費などの経費が加わってきます。

実際に8万円の家賃収入があっても、諸経費を合計すると、8万円を超える支出になる場合もあります。都内ワンルームでは赤字になることも多く、月5,000円でも黒字になっているなら良い方でしょう。

冷静に考えて計算して頂けたらわかるのですが、毎月8万円の家賃をもらっても、毎月9万円の経費がかかっていたら、毎月マイナス1万円です。不動産業者のよく使うセールストークは、「年収が100万円アップしています」「副業の損失は節税になります」「不動産は安定収入が得られる資産です」などです。

確かに年収は100万円アップしたとしても、110万円支出を生み出したら、ただの赤字です。残念ながら、何も知らない人が不動産業者のセールストークの被害者になっています。

「不動産オーナーになれば、資産家の仲間入りだ」と得した気分になり、毎月赤字の「負債不動産」を購入するケースが後を絶たないのです。

大切なのは実際に手元に残る毎月のキャッシュです。毎月のキャッシュが赤字になるワンルーム物件を購入することは、実は負債を購入しているのと同じです。ぜひ、「本当の資産とは何なのか?」とあらためて問いかけて欲しいと思います。

そもそも、資産とはお金を生み出してくれるものであるべきです。毎月赤字だと、精神的な負担も大きくなります。

極めつけは、不動産ローンを引くときに基本的にセットで加入する「団体信用保険」(万が一ローン債務者が死亡したりがんになった際に、借金がゼロになるもの)を利用し、「がんになればローン完済できますよ」と平気で言う業者も登場しています。

確かに二人に一人ががんになる時代とは言われますが、がんになるために不動産投資をするのですか? このようなコンプライアンス的に大きな問題がある悪徳業者も存在します。

また、不動産を1件購入した人は、3件は購入するといわれています。私の耳に入る最悪のケースは、3件の負債不動産を抱えてしまい、借金返済で首が回らなくなる人です。最終的には、不動産を売るに売れなくなり、泣き寝入りするパターンです。

本当にそのワンルーム投資でキャッシュが残るかどうかを、ご自身で計算してみて下さい。業者の言うことを精査した上で、ご自身が納得した物件だけを購入してください。これ以上、不動産業者のセールストークに翻弄される被害者を増やしたくないのです。

戸建て再生投資は、購入後の管理に苦労する

不動産の価値とは、買って所有するだけで年金のような安定収入を生み出す資産になることです。しかも、管理不要で手間がかからず、忙しい会社員の方でも行えることがメリットといえます。

最近、築古物件の戸建てや古民家を購入し、おしゃれにリノベーションして人に貸し出すという通称「戸建て再生」「古民家リノベ」が流行しています。

私自身、茨城の物件を土地評価価値以下で、2室安値で購入し、利回り15%以上の家賃で貸し出すことに成功しましたが、やってみてわかったことは、一般の方には、非常に難しいということです。

戸建て再生・古民家リノベが難しい理由は、大きく分けると2つあります。1つ目の理由は、古民家を購入する場所の土地勘がないと、将来的に物件の価値が上がるかどうか判断できないことです。

古民家を購入して新しく再生したとしても、そのエリア自体に賃貸需要が少なければ、当然、空室リスクが存在します。当初予定していた利回りが得られず、家賃収入がまったく入らないという可能性も充分にあるのです。

2つ目の理由は、本当に良い物件は簡単に手に入らないということです。多くの場合、本当に良い物件はインターネットに上がる前に、業者が先に購入してしまっています。私の利回り15%以上の戸建ても、地元の業者さんに足しげく通い信頼関係を構築し、ネット公開前に落札しました。

購入する物件をノールックで落とす勢いがないと、落札が間に合わないことが多々あります。運よく購入できても、修繕費用に対する正しい知識や、必要箇所に絞ったリノベをしなければ、修繕を依頼した工務店さんから水増し請求されたり、過度な修繕を行ったり、支払いが多くなるリスクもあります。

ご自身で内装工事をすれば、人件費は無料にできるかもしれませんが、かなりの根気と時間が必要です。素人で古民家リノベに参入する場合、相当な努力が必要になると考えた方がいいでしょう。

このように、戸建て再生・古民家リノベで高い利回りを出すには、相当な努力が必要です。そもそも、ローンが引けない物件が多く、現金が必要ですし、週5日勤務で平日に多くの時間が取れない会社員の方には、残念ながら非常に厳しい戦いになると考えています。

ただ、その中でも成功する人は、DIYがプロ並みで自分で修繕できる方でしょう。自分で正しい修繕方法を知っていれば、修繕コストを極限まで抑えられます。ただし、年収500万円から600万円の会社員の方が、十分な知識がないまま購入すると、客付けができない、修繕費がかさむ、売却益がかさむといった3重苦に陥る可能性があるので、十分注意しましょう。

町田建登 ライフシフト合同会社 代表

※本記事は『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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