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「ジジイ扱いすんな!」年金25万円・70代独居の父 、老人ホーム入居の提案に激怒…息子、後日のアポなし実家訪問で直面した〈父の変貌〉に絶句

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月21日 11時15分

「ジジイ扱いすんな!」年金25万円・70代独居の父 、老人ホーム入居の提案に激怒…息子、後日のアポなし実家訪問で直面した〈父の変貌〉に絶句

(※写真はイメージです/PIXTA)

長寿社会の日本では、女性は男性よりもさらに寿命が長く、また、夫婦の場合は男性が年長の組み合わせが多いことから、「先立つのは自分」と信じて疑わない男性は多いようだ。しかし、そんな予想に反する展開になると、想像以上のショックを受けてしまう。実情を見ていく。

多くの男性は「自分→妻」の順だと思いがちだが…

人間の命は有限だ。どれほど仲の良い夫婦でも、いずれは死によってパートナーと分かたれてしまう。「末永く一緒に」「定年になれば2人でゆっくり」などと思っていても、その思いは叶わないかもしれない。

厚生労働省『令和4年人口動態』によると、2022年の死亡者数は156万6,032人。そのうち結婚している男性の死亡数は47万0,585人、結婚している女性の死亡数は16万4,550人だった。ここから「妻を亡くした夫」より「夫を亡くした妻」のほうが圧倒的に多いことがわかる。

60歳を前に亡くなる夫は1万7,642人、妻は1万3,902人。そして、年齢があがるほど、「妻(夫)に先立たれる夫(妻)」は増えていく。結婚している65歳以上の男性の死亡者数は43万9,891人、女性の死亡者数は14万3,116人。

男女の平均寿命の差、配偶者との年齢差から、何の疑いもなく「最期は妻に見送られて…」と考える男性は多いだろうが、現実は必ずしも思った通りではないかもしれない。

「見送る立場」に立たせられる夫も、年間14万人近くにのぼるとみられる。

◆男女別・年齢別「有配偶者の死亡数」

60~64歳:13,052人 / 7,532人

65~69歳:24,661人 / 12,142人

70~74歳:56,975人 / 23,591人

75~79歳:73,045人 / 27,392人

80~84歳:100,986人 / 33,807人

85~89歳:106,830人 / 29,848人

90~94歳:61,634人 / 13,922人

95~99歳:14,636人 / 2,299人

100歳以上:1,124人 / 115人

※数値は「男性/女性」の並びとなっている

妻に先立たれた男性、心配する子に激怒「ジジイ扱いすんな!」

40代の男性は、自分の父親のことを振り返る。

「健康だと思っていた60代の母が突然死してしまいました。3歳年上で、70代になったばかりの父は、恐らく母が先に亡くなるなんて考えたこともなかったのでしょうね。悲しむというより、呆然自失といった様子で…」

男性の父親は、大企業でかなりの出世を果たしたエリートだった。定年退職後も関連会社に請われて仕事を続け、完全に引退できたのは60代後半になってから。

「両親はとても仲がよく、母は父の引退を心待ちにしていました。ようやくゆっくり過ごせると思っていたのですが、本当に残念でした」

男性はすでに結婚し、自分の家庭を築いている。姉が1人いるが、配偶者の出身地である遠方に嫁ぎ、実家には頻繁に足を運べない。一度は男性も同居を提案したが、父親は首を縦には降らなかった。

「こんな年になって、人に気を使って暮らすのはイヤだ、というんです。私の妻も〈お義父さん、心配だわ〉としきりに言っていたのですが…」

結局、男性の父親は、母親がいなくなった広い戸建て住宅で、1人暮らしをすることに。家政婦さんに入ってもらい、身の回りの世話をしてもらったこともあったというが、他人が家にいるのが落ち着かないといって、父親が勝手に断ってしまった。

「心配した姉が、〈年金月25万円程度なら、自立型有料老人ホームがあるわよ。1人だと心配だし、どう?〉と提案したのですが、それがよくなかった。〈俺をモウロクジジイ扱いするのかーッ!!〉と、真っ赤になって怒鳴り散らされましたよ」

父親の逆鱗に触れた男性と姉は、実家から蹴り出されるようにして、追い返されてしまったという。

そこからは、父親の姿勢は頑なだった。電話をしてもそっけなく、「来なくていい!」と不機嫌な声でガチャ切り。とはいえ、長年会社でしっかり働いてきた人なのだから、身の回りのことぐらいできるだろうと思い、しばらく静観することにした。

音沙汰なしの父…久しぶりの実家訪問で目にした、唖然の光景

その後、男性は仕事が多忙になり、父親のケアが手薄に。そして姉の方は、配偶者の親がけがをしたことで、男性同様、父親に気を回せない状態が続いた。

「土曜日の昼前にグッタリしていたら、妻から〈お義父さん、大丈夫なのかしら? いい加減様子を見に行きましょうよ〉といわれまして。それで4ヵ月ぶりに父親を訪ねたんです」

男性の実家は横浜市の郊外。周囲も高齢化が進み、あちこち空き家が目立っている。顔見知りのご近所さんもほとんど見かけない。

「実家の庭は草ボウボウで、玄関までの踏み石も見えないぐらいでした」

門柱のインターフォンを鳴らすが、反応がない。男性と妻は不安そうに顔を見合わせ、門を開けて玄関へと向かった。

玄関ドアを叩き、「お父さん! お父さん!」と呼び掛けても反応がない。男性が合い鍵で玄関を開けると、そこには目を疑う光景が広がっていた。

「ゴミ、ゴミ、ゴミの山でした…」

ゴミが詰められて丸くなったコンビニの袋が、雪玉のようあちこちに散乱。テーブルにはせんべいやパック総菜の容器が積み上がり、悪臭を放っている。

肝心の父親はというと、リビングの革張りのソファでぐったりと横になっている。

「あなた、見て、お父さんの服…」

父親がヨレヨレのポロシャツの上に重ね着しているのは、丸首の肌着だった。

「お父さん、お父さん! 様子を見に来たよ!」

「お、おう…」

男性が知っている、ダンディーな父親の姿はなかった。

「お父さん、ダメだよこんな生活してちゃ。やっぱり、うちで一緒に暮そう?」

男性の問いかけに父親は、

「イヤだ、暮さない」

といってそっぽを向くと、

「俺はもう、お母さんのところに行く…」

といって、大粒の涙を流した。

内閣府『令和5年版高齢社会白』によると、「65歳以上の住居形態」で最も多いのが「持ち家・一戸建て」で75.6%。「持ち家・分譲マンション等」11.8%、「賃貸住宅(マンション等)」8.4%、「賃貸住宅(戸建て)」2.0%と続き、老人ホーム含む「高齢者向け住宅・施設」は1.1%。

65歳以上人口は3,500万人といわれていることから、全国で40万人近い高齢者が老人ホーム等で暮らしていることになる。

パートナーに先立たれたことで、孤独感を募らせ、社会から遠ざかってしまう高齢者はしくなくない。

「こうなったら、本格的に老人ホームを探すしか…」

男性は、姉と連絡を取り合いながら、父親を入居させる老人ホームを大急ぎで探し回っている。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年人口動態』

内閣府『令和5年版高齢社会白書』

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