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初心者ほど陥りやすい「落とし穴」に要注意…50代・60代が“絶対にやってはいけない投資”5選【CFPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月1日 10時15分

初心者ほど陥りやすい「落とし穴」に要注意…50代・60代が“絶対にやってはいけない投資”5選【CFPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

老後を年金だけで暮らすことに不安を抱えている人は少なくありません。投資で資産を増やすべく、50代や60代で新たに投資デビューをする場合、不本意な投資商品をうっかり買わないように気をつける必要がある、とファイナンシャル・プランナーであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を務める市川雄一郎氏はいいます。投資初心者がやってはいけない「5つのこと」を、詳しく見ていきましょう。

不安の残る老後のために投資を始めたいが…

50代・60代の人は、仕事を辞めて「第2の人生」をどう歩んでいくか、考えることも多いのではないでしょうか。老後資金や年金といった、さまざまな問題もあります。お金は将来、いくらあっても困ることはありません。だからこそ、真剣に考えていく必要があるのです。

「年金だけでは不安だ」という人も、やはり非常に多いかと思います。それでは、今後どのように投資をしていけばいいのでしょうか?

今まで投資をしたことがなく、「今からはじめて間に合うのか?」という質問も多くいただきます。しかし、「人生100年時代」といわれているなか、60歳になって、突然仕事を辞めてしまう人のほうが少ないのではないでしょうか? これから、自分の人生をより豊かにしていこうという人は、投資にも真剣に向き合ってみることをおすすめします。

ここからは、50代、60代の人が「やってはいけない」5つの投資を解説していきます。

①目的・目標がない投資

1つ目は、目的・目標がないということ。この目的は、ゴールのことを指します。そして目標とは、そのゴールに向かって、途中途中で何をしていくかということ。

例えば、合格というゴールに向かって、大学受験の英語の勉強では、単語を1日10個から20個ほど覚える。これが目標です。こういった目標をひとつひとつ積み重ねて、ゴールである目的にたどり着くのです。

これは投資も一緒です。いつまでにいくらのお金を貯めたい、ということを明確にします。そのために、どういったステップを踏めばよいのか、どのような金融商品を選べばよいのか。ここが大事なポイントです。

目標や目的がないまま投資をしても、途中でダレてしまいます。人間の意思は弱いので、目的がなければ長続きは絶対しません。

ダイエットをしようと思っても、しっかりと目的を持たずにいたがゆえに途中であきらめてしまい、3日坊主になってしまったという人も多いと思います。まずは、目的と、そのための目標を持つということが大事になります。

そのうえで生活の収支をしっかりと把握するということが大切です。これは収支を把握していない企業が成長しないのと同じであるといえるでしょう。

どれだけ収入があって、どれだけ出ていく、だからこの部分を投資に回せる、というように、まずは収入と支出をしっかりと把握し、どれだけ無駄を省けるかということを明確にしましょう。

50代、60代がやってはいけない投資、2つ目は?

➁毎月分配型の投資

商品を選ぶ際、人気のあるものに偏ってしまう人が多くいます。

毎月分配型の投資商品を買えば、毎月分配金が出るのでお金が増えるのではないか、と考える人はその商品性を把握していないといえます。

毎月分配型の投資信託に投資する場合、ある程度まとまったお金で投資ができるのか、という問題があります。

毎月分配型の積立投資をしようと毎月数万円ずつ投資をしても、入ってくるお金は数百円です。その数百円を再投資せず、そのまま受け取ってしまうとどうなるでしょうか。複利の効果が何もないため、お金は増えていきません。

そのため、投資をするにあたっては「商品選び」が重要です。

毎月分配型の投資信託に限ったことではありませんが、投資信託の中身を見てみると、金融機関によって同じ投資信託でも販売手数料が違ったりしますし、信託報酬などを含めた相対的なコストが高かったりする場合もあるので、総合的に必要な手数料をしっかりと確認する必要があります。ちなみに、NISAでは、毎月分配型の投資信託は選ぶことはできません。

また、分配金が出る商品のなかには、元本を取り崩して投資家に配当をしているものもあります。これをタコ足配当、通称タコ配と言いますが、自分で投資したお金を自分で受け取ってしまっているケースがあるため、注意が必要です。タコ配には税金が課税されておらず、名称が特別分配金と記載されているので、得した気分にならないように気をつけましょう。

50代、60代がやってはいけない投資、3つ目は?

③不動産投資

「じゃあ、不動産投資をしよう」という人もいるかもしません。否定はしませんが、50代・60代の人が、何も知らずに専門の会社に行き、「不動産を買いたいんです」「交渉をしたいんです」というと、いいようにされてしまう可能性があります。

大事なのは、知らないものに投資してはいけないということです。

実際、年利10%程度回ります、この地域であれば15%回ります、といった商品があります。しかし、これは名目上の金利と、実際に手取りで計算した金額とで異なっているのです。

日本の場合、不動産は年を追うごとに少しずつ劣化していくため、原則として不動産価値も下がっていきます。もちろん、インフレで土地の価値が高くなることで、例外的に上昇することもありますが、大抵の場合は購入時よりも価値が下がる可能性のほうが高いです。

どうしても不動産に投資したいということであれば、「不動産投資信託」というものがあります。

不動産投資信託のことを英語では「REIT(リート)」と言います。「REIT」とは、「Real Estate Investment Trust」の略です。商業施設や住居に特化したものやホテルや倉庫(物流施設)などといったものだけに特化して投資をしているもの、または複数を組み合わせたものなど、さまざまな不動産に少額で投資できるのが魅力です。

アメリカには変わったREITがあり、たとえば看板やジェイル(刑務所)などを対象にしたREITなどがあります。

それでは、日本のREITの特徴をお伝えします。日本のREITのことをJAPANのJをつけて「J-REIT(ジェーリート):といいます。J-REITは、不動産投資法人によって運用されているのですが、利益の90%超を投資家に還元するということが約束されているため、法人税がない分、上場している不動産会社の株に投資した場合とREITに投資をした場合では、利益が同じであれば、REITのほうがお得といえます。

不動産に投資をするといっても、現物に投資をするという以外に、投資信託を通じて投資をすることもできるわけです。不動産に興味がある人は、こういったものに投資をすることも、1つの案となっています。

ちなみに、日本の不動産投資信託REITの場合、利回りが高いという特徴があります。平均すると4%近いのではないかと思います。なかには、5%近く出しているリターンのあるものもあるのでぜひ調べてみてください。

50代、60代がやってはいけない投資、4つ目は?

④知らないものへの投資

投資と聞くと、よさそうなものに惹かれてしまいます。例えば、「知人や友人が“この金融商品がいいよ”といっていたから買った」「金融機関の人に勧められるまま買った」というケースも多いのではないでしょうか。

それが本当によいものなのかどうかと、皆さんに合った商品なのかどうかは別の話です。

世の中には、金融商品がたくさんあります。投資信託だけでも、5,000~6,000といった数があるなかで、万人に向いた商品なんて、ひとつもありません。

皆さんが商品を選ぶときは、皆さんに合った商品を絶対に選ぶべきなのです。その目利きができないうちに商品に投資をするのは、危険です。

金融機関の人におすすめされたから、とすぐに選ばず、それが自分に合った商品なのかを、必ず確認できるレベルまで、自分の知識力を上げてほしいと思います。

50代、60代がやってはいけない投資、5つ目は?

⑤「好きな企業」という理由だけで企業の株を買う

私は、まずは身近な企業から金融商品を選択することをおすすめしています。真逆のことをいっていると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

例えば、皆さんがよく行くスーパーが上場していたとしましょう。「イトーヨーカドー」や「イオン」、ほかにもいろいろなスーパーマーケットがあり、そのなかで上場している企業と関わっているところがあります。

自分がそこの企業が好きだから買っていいのかというと、これはそうではありません。「近いところにあるから」「毎日行っているから」といった理由で、企業の株を買えばいいわけではないのです。

そのスーパーの客の入りはどうでしょうか? 買い物客がたくさん来ていれば、当然それだけ売上が上がります。しかし、もしガラガラだった場合はどうでしょうか? お昼のフードコートにお客さんがたくさんいるほうが、儲かっている気がしませんか?

それが正しい選択です。

まずは、自分で体感したときに、「よい」と思えるかどうかが重要です。「好き」だけで買うのではなく、実際に、自分が体感すること、そこで、プラスなのかマイナスなのかを判断することを、大事にしてほしいです。

もちろん、地方に住んでいる人にとってのアミューズメントパークなど、自分が体感できないこともあります。しかし、長期休暇やインバウンドによって、混んでいるアミューズメントパークや駅、ホテルなど、企業が儲けられるステージがたくさんできあがっています。

自分が体感できなかったとしても、ニュースから感じ取ることができるのです。なので、「好き」というだけではなく、さまざまなところから情報をキャッチしていただきたいと思います。

そのうえで細かく分析できるようになるのが理想ですが、まずは体感するということをぜひ大事にしてほしいです。

「何かよさそう」という感覚だけで投資商品を買わない

今回は、50代・60代に向けて、「やってはいけない投資」について見てきました。投資を始める前にすべきこととして、まずは生活費をしっかり把握するということ。これは家計も企業も一緒です。「入り」と「出」を把握して無駄を省くことが、お金が貯まる第一歩です。

そして、目的・目標を定めるということ。目的に向かって強い意志を持って、ひとつひとつステップアップしていくことが大切です。

また、知らないものには投資しないということ。商品性をしっかり理解し、納得して買うことを大事にしてください。金融機関の人に勧められた場合、どうしてそれが自分に合っているのか、納得するまで聞くことをおすすめします。

過去のパフォーマンスは、将来を約束するものではありません。ましてや、自分に合った商品なのかどうかはわかりません。金融機関も買ってもらうことが目的なので、いろいろな人に同じ商品を販売するケースもあると思います。「何かよさそう」というだけで、買ってしまわないようにしましょう。

金融機関で商品を購入するときにハンコを押して、インターネットであればボタンを押して契約するということは、みなさんが納得したうえで契約していることになるので、すべてみなさんの責任です。自分で理解するまで、しっかりと学習することが大事です。

50代・60代の人が投資をするのは、まだまだ遅くないと思います。やらなければならないことを理解したうえで、投資を行なうようにしてください。

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