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身長180cm超え、大企業の弁護士を10年務めたが…サンフランシスコのユダヤ人恋愛市場で超ハイスペックの35歳男性が「交際経験ゼロ」のまさかの理由【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月8日 18時30分

身長180cm超え、大企業の弁護士を10年務めたが…サンフランシスコのユダヤ人恋愛市場で超ハイスペックの35歳男性が「交際経験ゼロ」のまさかの理由【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「お金が貯まったら」「あと5キロ痩せたら」と、恋愛を先延ばしにしていませんか? このような思考は、人生のおける大事なチャンスを逃してしまっているかもしれません。本記事では、ハーバード大学とグーグルで行動科学を研究したローガン・ウリー氏の著書『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集し、「尻込み思考」を改善する方法について解説します。

「〜したら」の恐怖

新しいクライアントのシェイと会ったのは、サンフランシスコの繁華街、シェイの仕事場から数ブロックほど離れた人目につかない中庭でした。彼は35歳で、身長は180センチメートル越え(あとで聞いたところによると、サンフランシスコのユダヤ人恋愛市場ではこれはかなりのアドバンテージであるとのこと)。

シェイについてほとんど知らないまま、私はミーティングに臨みました。彼は自信に満ちており魅力的に見えました。コーヒーを買うためにシェイがレジの順番を待っているあいだ、私は席について、なぜ彼が私に助けを求めて連絡をよこしたのか推測していました。誰と付き合うか決められないタイプかしら? 実りのない関係を終わらせたいとか? それとも、失恋の痛手から立ち直りたいのかもしれない。

シェイが戻ってきて、カフェラテを手渡してくれました。「ええと、最初から話したほうがいいでしょうね」と彼は話し始めました。「私はいままで女性と付き合ったことがないんです。いや、高校のときに一人だけ彼女っぽい人はいたかな。けれどそれ以来ずっとご無沙汰で」私は彼の恋愛経験の少なさに驚きました。「その理由に心当たりは?」「いつまでたっても心の準備ができないんです」とシェイ。

「まずは、仕事をきっちりやりたかった。それですごくいい仕事に就いたけど、次は妻を養うのに十分なお金を稼がなくちゃ、って。で、まあお金も稼げるようになったんですが、今度は自分の心の準備を先に整えたくて、セラピーに通い始めました。いまは転職したばかりなので、新しい仕事に慣れるまではまだ付き合えないって思ってしまうんです」

シェイはゆくゆくは結婚して家族をもちたいけれども、そのための準備がまだ整っていないと思っていました。彼が私に連絡をしてきた理由は、両親からプロに助けを求めるようプレッシャーをかけられたから、というだけでした。

あなたはこの話を聞いて、「なるほど。彼なら大丈夫。準備ができたら恋愛を始められる」と思うかもしれません。けれども、もっと詳しく話を聞いてみると、シェイはすでに準備万端であることがわかりました。大企業の弁護士を10年務め、経済的に安定しています。自分のことをよく知っており、人間的にも成熟している。趣味はギターを弾くこと(彼いわく「下手だけど」)。友人もおり、家族との仲もいたって良好でした。

私はこれまで、シェイのようなクライアントをたくさん見てきました。すごくモテそうなのに、積極的に恋愛をしないタイプ。私はこの手の人たちを尻込み型と呼んでいます。かれらが私に相談に来る理由は、恋愛をすべきだと感じるけれど、なかなか行動に移せないからです。デートに出かけない理由を尋ねられると、「〜したら」の言い訳を繰り出すのです。

「あと5キロ痩せたら……」「仕事で昇進したら……」「大学院を卒業したら……」「出会い用のプロフィール写真を撮り直したら……」「仕事が一段落ついたら……」

誰もが何かしら改善したいと思うものです。しかし、そのような向上心が言い訳になることもあります。たしかに、恋愛を始めるのは怖いもの。恐怖心が尻込み型を怖じ気づかせます。拒絶される恐怖、失敗する恐怖、完璧でない恐怖。かれらが恋愛を避けるのも無理ありません。挑戦しなければ失敗することもないのですから。

けれど、100パーセント準備が整うのを待っている人は、自分が見逃しているものを過小評価しています。

待つのはなぜ「間違い」なのか

どんなことでも――おそらく恋愛はとくに――準備が完璧に整うことはありません。完全に自己実現できたと思えるまで待ちたい気持ちはわかります。せっかく理想の相手に出会えたのに、時期尚早で拒否されるなんてたまりません。尻込み型の人は、いつか、朝目覚めると「準備ができた」と思える日がくると思っています。けれどそんなことは現実には起こり得ません。人生とはそのようなものではないからです。

気後れすることは誰にでもあります。大半の人はプレッシャーのかかる状況で不安を感じます。多くの人が、人には見せたくない一面をもっています。それでも、そのような人たちが、デートに繰り出し、キスをし、恋に落ち、別れを経験し、また恋に落ち、結婚するのです。つまり、どれだけ自分が完璧でなくても、とにかく外に飛び出して恋愛を始めなくてはならないのです。みんな、完璧ではないのです。あなたが生涯をともにする人でさえも。

それに、昇進や5キロの減量など、あなたが思い描く「完璧な状態」を達成し、恋愛関係を始めたとして、その愛は条件付きなのでしょうか? あなたの恋人は、あなたが無職になったり、金銭的なピンチに陥ったり、チェダーチーズをむさぼり食うのがやめられなくなったり、10キロ太ったりすると、あなたを捨ててしまうのでしょうか?

恋愛するのを待ってばかりいると、あなたが思っている以上のものを逃します。経済学者がよく使う言葉を借りると、意志決定における機会費用(Opportunity Cost)というもので、ある選択肢を選んだときに払う代償を指します。

たとえば、選択肢A と選択肢B という、相反する選択肢のどちらかを選ばなければならないとき、選択肢B を選んだ場合、選択肢A をあきらめることにより生じる代償が機会費用です。この概念を理解するために、簡単な例を考えてみましょう。

あなたは、大学院に進学すること(選択肢A )と現在の仕事を続けること(選択肢B )のどちらかを決めるとします。二年間の授業料と生活費は、20万ドル。そこで、大学院進学にかかる費用はどれくらいかと尋ねられれば、あなたは「20万ドル」と答えますね?

それは間違いです。機会費用を含めていないからです。大学院に進学するとフルタイムで働き続けることができないので、大学院進学にかかる総費用には、あきらめざるを得ない現在の給与額も含まれます。つまり、大学院進学の総費用は、授業料と生活費の20万ドルに、進学せずに働き続けた場合に二年間で稼ぐ金額がプラスされるのです。「20万ドル」プラス「二年分の年俸」というわけです。

あるいは、友人のサマンサがバーで行う誕生日パーティーと、職場の同僚、デビッドの引っ越しパーティーのどちらに行くかを決めるとしましょう。サマンサのパーティーに行く場合の費用には、そこで過ごす時間だけでなく、バーで使うお金や、翌日の二日酔いの気分の悪さも含まれます。デビッドや他の同僚と仲良くなるチャンスを逃すことも、機会費用になります。

恋愛に当てはめて考えると、尻込み型は、「もっと自分に自信をもててから」「もっとお金ができてから」と、そのときが来るのを待ちます。けれどもそれは、始めないことの機会費用を軽視していることにほかなりません。

学ぶチャンスを逃している

機会費用の一つ目は、学ぶ機会を逸していることです。さまざまな人と付き合ってみなければ、自分の好みがわかりません。デートの大半は繰り返しなので、時間をかけて学びながら少しずつ変えていくものです。とくに、パートナーに対する好みや価値観は間違っている可能性が高いものです。何かを欲して、試してみてようやく、それを望んでいないことに気づく。学んで、前に進むのです。

たとえば、マダガスカルをヒッチハイクで旅したことがあり、自分でズボンを縫う、自由奔放で浮世離れしたシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーのようなミステリアスな人物に惹かれるかもしれません。

数ヶ月ほど付き合った結果、神秘的な雰囲気に最初は惹かれたけれど、本当は温かくて愛情にあふれた(かっこいいズボンを持っている)パートナーを求めていることに気づくかもしれません。付き合ってみなければ、どういう人物と長い時間をともに過ごしたいか気づけないのです。

私のクライアントのジンを例に見てみましょう。彼女は31歳で、初めての恋愛に挑んでいます。彼女は子どもの頃から引っ越しが多く、長く付き合う友人グループはおろか、女友達一人もできませんでした。勤勉で、ひっこみじあんな大学生活を送りました。新しい友達はできましたが、大学生の恋愛や求愛活動にはとうていなじめませんでした。

「どうアプローチすればいいかわからなかった」とジンは打ち明けました。「そんなの一度も習ったことがないもの」

大学卒業後、ジンは広告代理店にインターンとして入り、トップのコピーライターにまで上り詰めました。彼女はあこがれの自分――都会的でおもしろく情熱的――へと成長しましたが、恋人はいませんでした。あまりにも気後れしすぎて、挑戦するのを先延ばしにしていたのです。

いま、ジンは自分の経験不足がパートナー探しを難しくしていることを実感しています。「私は実験し損ねたのね。自分の好みのタイプがわからない。その情報が不足しているから、パートナーを見つけるのがほかの人よりずっと難しいみたい」

ローガン・ウリー 恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクター

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