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生涯の伴侶に「共通の趣味」は必要ない…“いつまでも仲良しなカップル”の意外な特徴【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月9日 18時30分

生涯の伴侶に「共通の趣味」は必要ない…“いつまでも仲良しなカップル”の意外な特徴【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

恋愛をするとき、趣味が同じかどうかを重視する人は多いでしょう。共通の趣味がない人とは、結婚してもうまく行かないと考えてしまいがちです。しかし実際は、趣味や見た目よりも大切な“条件”があるそうで……。本記事では、ハーバード大学とグーグルで行動科学を研究したローガン・ウリー氏の著書『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集し、長続きしやすい相手の特徴について解説します。

共通の趣味は重要なのか?

以前、古い友人とドライブ旅行をしているとき、彼女とその夫がどれだけテニスが好きかという話題になりました。二人でテニスの話をしているうちにガソリンスタンドに着きました。彼女は車から降り、ガソリンが満タンになるのを待ちながらスマートフォンを見ていました。そして車内に戻ると、私の目の前にスマホを突きつけて「見て、うちの義理の両親。かわいいでしょ?」と言いました。ディスプレイに映っていたのは、60代の夫婦の、ピンボケした下手な自撮り写真でした。

彼女は車のエンジンをかけながら「正直、夫の両親がこんなに長く結婚しているなんてびっくり。共通点が何一つないっていうのに」と言いました。

「みんな、必要以上に共通の趣味が大事だって思ってる」と私は答えました。「実際に共有しているものを見過ごしている可能性もあるのに」。その頃までに、彼女は私からゴットマンの話をすでに聞かされていました。 

ジョン・ゴットマンは、著名な臨床心理学者のジュリー・ゴットマンと結婚しています。ジョンは人生の多くの時間を実験室で、カップルのかすかな表情を解読して過ごすことを選びました。彼が自分のことを「熱烈なインドア派」と呼ぶのも当然。「ピクニックで死ぬ方法なら1000通りでも思いつける」というのが彼の定番ジョークです。

ジュリーはカップルの役に立ちたいというジョンの情熱に理解を示しています。けれどジュリーにとっての楽しみといえば、大自然の中で過ごすこと。大学では競技スキーをしており、50歳の誕生日には、エベレストのベースキャンプまで登ることを夢見ていました。ピクニックさえ恐れるジョンが、アイスピックを手に、ジュリーとエベレストを登るところを想像してみてください。

もちろん、ジョンとジュリーは結婚前にこのような違いを知っていました。それでも、自分たちの職業柄、夫婦が長期間にわたって幸せな関係を築くのに共通の趣味は必要でないことを理解していました。かれらは三〇年以上、幸せな結婚生活を送っています。

重要なのは、自分の好きなことに時間をかけすぎて恋愛への努力がおろそかにならないかぎり、異なる趣味をもつことは問題ではないということです。もしあなたがワイン好きで、パートナーがワインに興味がなくても大丈夫。ソムリエと結婚する必要はありません。

大事なのは、あなたがワインを味わったり、貴重なカベルネ・ソーヴィニヨンの新作を試しにナパへ旅行に出かけるとき、パートナーがあなたに罪悪感を抱かせようとしたり、「どうして年がら年中ワインを飲まなきゃならないんだ」と非難したりしないことです。よい関係には、お互いが別の趣味を楽しむ余裕があるものです。

【パートナー選びのための大切なヒント】 共通の趣味をもつ人を探す必要はありません。互いに趣味を追求する自由と余裕があれば、異なる活動を楽しんでもいいのです。

自分の欲求すべてを、パートナーへ期待しない

《ヒント》別の重要な他者

互いに異なる趣味をうまく調整するテクニックの一つとして、人間関係学者のイーライ・フィンケルが考案した別の重要な他者(Other Significant Other)という考えがあります。

現代のカップルは、恋愛相手が自分の欲求すべてを満たしてくれると考えがちです。一人の相手がたくさんの帽子、実際にはほぼすべての帽子をかぶることを期待するのです。しかしそれらの帽子は、結婚前には社会的なネットワークの中で分散していたものです。

パートナーがすべてのニーズを満たしてくれることを期待すると、二人の関係に大きなプレッシャーが生まれます。そこで別の重要な他者という概念がそのプレッシャーを和らげるのに役立つでしょう。

このように考えてみてください。一人の人の頭の上に何十個もの帽子を積もうとすると、その山は(そしておそらくその人も)倒れてしまうでしょう。代わりにスポーツ好きのいとこに野球帽を渡し、タイムリーヒットについて話したいときはそのいとこに電話するようにしましょう。カントリー音楽が好きな友人にはカウボーイハットを渡し、ツーステップダンスのパートナーが必要なときは、その友人と約束すればいいのです。

社会心理学者のエレイン・チャンとウェンディ・ガードナー、ジェイソン・アンダーソンの研究がこの考えを裏付けます。その研究によると、感情的な欲求を満たしてくれる人が、一人や二人でなく複数人いると、全体的な幸福度が高まるそうです。たとえば、怒っているときにはルームメイトに相談し、悲しいときは妹に頼る、といったふうに。

誰かと付き合っているときに別の重要な他者をあなたの人生に取り入れることもできます。まずは、あなたがパートナーに期待するけれど、相手にその気がない事柄を考えてみてください。たとえば、少人数での集まりを好むパートナーを、にぎやかなパーティーに誘っていませんか? あるいは、アートに興味のない相手が、美術館・博物館めぐりに誘ってくれることを期待していませんか?

趣味が合わないからといって、相性が悪いというわけではないことを覚えておいてください。パートナーに向いていない役割については、代わりの友人や家族のメンバーを探しましょう。そうするとあなたのニーズが満たされるので、結局はあなたが幸せになれます。また、パートナーは自分のスキルや得意な役割に集中できるので、パートナーの幸せにもつながります。

思っている以上に大切なこと

クライアントの話を聞いていると、「情緒の安定した人を見つけることが第一目標」と言う人はほとんどいません。「難しい決断をくだせる人」を望む声もめったに聞きません。「優しさ」を挙げる人はいますが、たいていの場合、期待する最低(あるいは最高)身長を語ったあとです。

しかしそれらは、人間関係学者が、見た目の特徴や共通の趣味よりも、長期的な関係の成功に寄与すると発見した資質の例なのです。

それらの資質の重要性が知られていないわけではありませんが、恋愛対象を決めるとき、これらの資質の価値が過小評価される傾向にあります(その理由の一つは、これらの資質は測定しがたいからです。いっしょにときを過ごして初めて気づくかもしれません。だからマッチングアプリは、測定しやすく、思っているほど重要でない特徴に重点をおいているのです。)

生涯の伴侶を見つけたい人は、次のような資質に目を向けましょう。

情緒の安定と優しさ

著書『­The Science of Happily Ever After』の中で、タイ・タシロは何がパートナー選びに重要なのか、既存の研究成果を調べました。

その結果、情緒の安定と優しさがもっとも重要でありながら過小評価されている特徴であることがわかりました。情緒の安定とは、自己制御力をもち、怒りや衝動に流されないこととタシロは定義します。情緒が安定した組み合わせのカップルは、互いに満足し、安定した関係を築くことが予測されるのです。

また、タシロは2017年のTEDトークで「優しいパートナーは最高です。かれらは寛大で、共感的で、あなたの支えになりたいと思うのです」と述べました。優しさと情緒の安定をそなえた人は、気遣いと思いやりをもってパートナーに接することができますが、それこそ、長期的な関係の成功の鍵だとゴットマン夫妻の研究で指摘されています。

【パートナー選びのための大切なヒント】 その人がどれだけ優しいのか知るには、見返りを求めない相手への接し方に注意してみてください。彼・彼女はウェイターに親切にしていますか? 地下鉄で席をゆずるでしょうか? 職場の新人が要領を飲み込むのを辛抱強く待っていますか? 友人や両親に思いやりのある態度で接しているでしょうか? 情緒の安定性を測るには、ストレスの多い状況への対処方法に注意してみましょう。パニック状態になるのか、冷静さを保つのか? 情緒の安定した人は落ち着いて対応します。衝動的な反射ではなく、時間をかけて考えて対応します。 このことをクライアントに説明するとき、私はホロコーストを生き延びた著名な精神科医、ヴィクトール・フランクルの言葉を引用します。「刺激と反応のあいだに空間がある。その空間の中に、自分の対応を選ぶ力がある。自分の対応の中に、成長と自由がある。」情緒的に安定した人は、その空間を活用するのです。

ローガン・ウリー 恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクター

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