日本人が失明する原因第1位の「緑内障」…なかなか症状に気づくことができない「意外なワケ」【眼科医が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月28日 11時0分
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白内障は水晶体が白く濁り視力が低下する病気で、原因もさまざまです。50代以降になると多くの人に症状が現れるなど、めずらしくない病気であることから、「白内障の手術は簡単」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、眼科医の窪田良氏は「決して簡単な手術ではない」といいます。本記事では、窪田氏の著書『近視は病気です』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、白内障の手術についての見解をご紹介します。
少しずつ視野が欠けていく「緑内障」
白内障と並んでよく知られた病気が「緑内障」です。緑内障は、日本人の失明の原因の第1位となっています。目の圧力(眼圧)が相対的に高まることで、網膜から脳に通じる神経が一つひとつ死んでいってしまう病気です。あるいは眼圧が正常でも、視神経が耐えられる眼圧が低いことでも起こります。
適切な眼圧を維持することはとても大切な一方で、眼圧が高くなりすぎてパンパンになってしまうと、今度は圧力で神経節細胞が死んでしまいます。その細胞が死んでいくプロセスで、独特の視野狭窄を起こしていきます。
40代以降は、そうでなくても神経節細胞の圧力に対する耐性が弱くなってくるので、通常の圧力でも死んでいくような状態になることもあります。正常眼圧緑内障と呼ばれており、高い報告だと、日本の患者さんの90%以上がこれだとされています。
緑内障のタイプやステージにもよりますが、多くの緑内障はじわじわゆっくり進む病気です。自分の目が少しずつ、10年、20年とかけて視野が狭くなっていきます。
これはいいことでもあり、悪いことでもあります。早く発見さえすれば、適切な治療で一生失明することなく過ごせます。逆に言うと、本当に少しずつ視野が狭まっていくため、気づきにくいのです。自覚症状が出たときには、もう失明直前だったというケースも、まれですがあります。
驚かれるかもわかりませんが、片目の視力がかなり低下していても気づかない人もいます。通常は、両目でものを見ているからです。片目が見えにくくなっていても、脳は像を合成してつじつまを合わせてしまうのです。
久しぶりに一眼レフカメラのファインダーを片目で覗いたら、知らない間に片目が網膜剝離になってしまっていて、視力が低下していて見えなかった……そんな方もいます。
緑内障に気づくためには「定期検査」が重要
緑内障に気づくためにも大切なのは、定期検査です。眼圧検査をし、眼底写真を撮り、特殊な装置で視神経の細胞が減っていないかをチェックしてください。
こうしたスクリーニング検査で緑内障が疑われたら、次は視野検査を行い、視野欠損があるか確認して、最終的に緑内障かどうかを診断して治療方針を決めていきます。スクリーニング検査は健康診断に組み込まれていることが多いですが、そうでなくても眼科で精密検査をしてもらえます。
緑内障はとても特徴的な視野変化を起こすため、初期の段階から見つけることは可能です。視神経が少しでもダメージを受け続けている場合は、眼圧を下げる点眼薬が処方されます。
緑内障は遺伝的な要素が強く、家族歴がある方はなりやすいことがわかっています。また、正常眼圧緑内障はアジア人、特に日本人に多い病気だといわれます。そして、近視の人もリスクが高くなります。
世界で初めて緑内障の原因遺伝子を見つけたのは、幸運にも私でした。私の見つけた遺伝子の変異を持つ人は大変まれですが、非常に高い確率で若年性の緑内障になります。ただ、これは特殊な緑内障で、多くの緑内障は中高年以降に多い疾患です。
窪田 良 医師・医学博士
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