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長期・分散・積立投資に飽きた人!「個別株×長期保有」で、リスク低めな〈攻めの投資〉を楽しむ方法【経済評論家が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月30日 9時15分

長期・分散・積立投資に飽きた人!「個別株×長期保有」で、リスク低めな〈攻めの投資〉を楽しむ方法【経済評論家が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

新NISA等で老後資産形成に励む人が増えています。しかし「長期・分散・積立」一辺倒では飽きてきた…という人もいるかもしれません。そんなときはお小遣いの範囲で、「攻めの投資」をするのも面白いといえます。できるだけリスクを取らずに楽しむ方法を、投資経験豊富な経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

投資初心者は「投資の目的」を明確にしておこう

株式投資というのは「株を買って、売る」という行為ですが、目的は多様です。投資を始める初心者は、自分がなんのために投資をするのか、目的をはっきり認識しておくとよいでしょう。

筆者が最も頻繁に提案するのは「老後資金を守るための運用」です。大切な老後資金ですから、ガツガツ儲けようとしてリスクを背負い、大損してしまっては大変です。それよりも、「銀行預金はインフレに弱いリスク資産だから、全額を預金で持っているより株なども少し持っておいた方がむしろ安全」という観点からの投資です。

守りの投資の際には、銘柄分散と時間分散が重要です。多くの銘柄の株を買えば、上がる株も下がる株もあり、時間をかけて少しずつ買えば、高いときも安いときも買うので、大儲けは狙えませんが、大損のリスクが小さくなりますから。なお、実際に多くの銘柄の株を買うのは大変なので、ほぼ同様の効果が期待できる「投資信託の積み立て投資」をお勧めします。

一方、攻めの投資にはリスクが伴うので、大切な老後資金ではなく、小遣いの範囲内で楽しむことをお勧めします。攻めの投資には、短期売買と長期投資があります。「値上がりしそうな株を買って、値上がりしたら売り抜けよう」というのが前者、「儲かりそうな株を買って、長期保有しよう」というのが後者です。

前者については、ケインズが株価を美人投票に喩えたことをしっかり認識して、「真実を追求するよりも、他人の噂を探ろうと努力する」ことが重要でしょうが、本稿では短期投資については論じないことにします。

なお「長期投資による〈バクチ〉」は、ケインズの美人投票とは異なり、「10年後も利益を稼いでいそうな企業の株を買う」ことが重要です。といってもさまざまで、「10倍になるか0になるかわからない、新興ハイテク企業の株を買う」投資もあれば、「数年後に株価が5割上がると期待して、そうなったら売ろう」という投資もあり、「別に値上がりしなくても、配当や株主優待がもらえるから銀行預金よりいい」というレベルの投資もあります。投資を始める前に、自分がどれを狙うのか、よく考えることが重要でしょう。

実情がわかる「自社株」は投資しやすいが…

株を買うとなると、会社について調べる必要がありますが、慣れない人にとっては結構むずかしい作業かもしれません。その点、自社の株であれば、投資先の様子がわかりますから、初心者でも投資を始めやすいかもしれません。愛社精神から買う人もいるでしょう。しかし、筆者は自社株買いはお勧めしません。

かつて山一證券が倒産したときに元社員から聞いた言葉の受け売りですが、「会社が儲かれば給料もボーナスも増えて株価も上がるが、会社が損すれば給料もボーナスも減って株価も下がる(なくなる)」からです。「分散投資」の発想の真反対なわけです。

それでも「自社株を買って、会社に愛社精神をアピールしたい」「従業員持株会に加入すると会社から補助金がもらえる」から自社株を買う、という人については、本稿はコメントを差し控えます。

リスク分散の観点からは「異業種の株」のほうが好ましい

筆者の友人に「自社株買いはリスクがあるから避けて、ライバル企業の株を買う」という人がいました。ライバル企業であれば、自社株ほどではなくても様子がわかりやすいですし、「わが社がライバルとの競争に敗れて給料やボーナスが減った時に、ライバル企業の株価が上がっていれば助かるから」というリスクヘッジの意味もあるわけで、感心して聞いていたのを覚えています。

しかし、結果は悲惨でした。業界全体が「構造不況業種」になってしまったからです。ライバルとの競争という観点はよかったのですが、業界全体が不振に陥るリスクも考えておくべきだったのですね。

輸出企業の社員は、他の輸出企業の株は避けた方が無難でしょう。円高になると両社とも損失を被る可能性があるからです。輸出企業の社員が輸入企業の株を買えば、「円安なら給料が上がり、円安なら投資先が儲かるから株価が上がる」ということも期待できるかもしれません。

輸出企業であれ輸入企業であれ、日本企業であれば日本経済が不況に陥るリスクがありますから、外国企業の株を買うほうがさらに安心だ、という考え方もあるかもしれませんね。

ここまで読んで、読者のなかには「バクチを楽しむための投資なのに、なぜリスクを気にするのか」と疑問に思う人がいるかもしれませんが、筆者としては「抑えることができるリスクは抑え、その分だけ大きな金額をバクチに投じる」ほうが楽しいと考えています。

少しむずかしくなりますが、株式投資をバクチに使う場合、期待値がプラス(確率としては儲かる)なので、多くの金額を投入できれば儲かる可能性も高まる、ということも重要だと考えています。

本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。

塚崎 公義 経済評論家

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