「事後報告だが実は…再婚した」「うっ、うそでしょ!?」フィリピン帰りの70歳・父が仰天告白…さらにもう1人「きょうだいが増える」怒涛の展開に、48歳・長女も大混乱
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月28日 9時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
金持ちは大変だね……他人事と思っていた「相続トラブル」。しかし、裁判沙汰にまで発展するのは「遺産総額1,000万円以下」が最も多く、実は一般人のほうが相続トラブルに巻き込まれやすいというのが実情です。今回は高齢者の再婚に潜む相続の問題点をみていきます。
意気消沈の父…娘の励ましで元気を取り戻したが
10年前に母を亡くしたという、都内在住、48歳の女性。今年、古希を迎えたという父は、地元、九州で1人暮らしを続けています。
女性が幼少だったころ、父はまさに仕事人で、家のことは母にまかせっきり。家にいても新聞やテレビを見ているだけで、家事をしているところは一度も見たことがありませんでした。そのため、母が亡くなり、父がひとり残されたときは、きちんと暮らしていけるのだろうか、と不安になったといいます。
長女である女性は、ほかに妹と弟がいましたが、女性と弟は東京に、妹は関西に出てきていたので、九州の実家で父をサポートというわけにはいきません。
――お父さん、ひとりで大丈夫? よかったら、こっち(東京)に来ない?
そう父に言ってみたものの、「ひとりのほうが気楽でいい」と言い、頑として首を縦に振ることはなかったといいます。
しかし、どちらかと言えばひょうきんだった父、その姿はすっかり影を潜めて、あからさまに意気消沈しているのが、たまにかける電話からも伝わってきたといいます。また実家の近所の知り合いからも「お父さん、奥さんが亡くなってから家に引きこもりがち」と心配する電話があったとか。そのため、女性は1ヵ月1回ほど実家に帰省。2、3日泊まって父の世話をすることを続けたといいます。
そんな女性の気遣いも功を奏したのか、徐々に父は元気を取り戻し、母の死から5年ほど経ったころには地域活動にも熱心な昔のような父に戻ったといいます。
そんなある日のこと、突然、父が東京の女性宅に遊びにきたといいます。突然の訪問に、その理由を尋ねると、「海外旅行に行っていた」「お土産を渡したいから帰りは成田便を利用した」とのこと。パスポートを持ったこともない父が海外……なんて珍しいと思って聞いたところ、初海外だったとか。
――すごい! 初めての海外旅行だったんだ
――そう、ハネムーンも兼ねてフィリピンに
――ハネムーン!?
何やら雲行きが変わってきた気がした女性。さらに話を聞いていくと、父から「事後報告になって申し訳ないが……実は再婚したんだ」という衝撃告白。寝耳に水とはこのこと。女性は思わず絶叫してしまったとか。
どこで知り合ったのか尋ねると「よく行くパブでな」と父。相手は何歳か聞くと「27歳」と父。フィリピンには女性の家族への報告も兼ねてのものだったとか。さらに再婚相手には子どもがいて、近々、養子縁組をしようと考えているといいます。その理由は「連れ子の場合、相続の権利がないから」。
――再婚をする以上、責任を持たないとな
怒涛の展開についていけない女性。父が幸せならそれでいい……よく再婚する親にむけられる子のセリフ。とてもじゃないが、簡単にかけることはできないと感じたといいます。
再婚・養子は「相続トラブル」に発展しやすい
法定相続人には配偶者と血族がいて、配偶者は必ず相続人となります。血族には順位がついていて、第1順位は被相続人の子、第2順位は直系尊属となる父母、第3順位は被相続人の兄弟姉妹。先順位の人が相続人になります。
もし被相続人に離婚歴があり、前妻との間に子どもがいる場合、その子どもは第1順位の相続人となります。また被相続人が現在の妻との間にも子どもがいる場合には、その子どもも第1順位の相続人となります。
しかし再婚した配偶者の連れ子は血族ではないので相続人にはなれません。そのため、連れ子を相続人するには養子縁組を行う必要があるのです。
ちなみに、法定相続人が多いと相続税が安くなるため、養子を多数迎える事例が多く見られました。そのため、税法上は養子の数に制限が設けられ、被相続人に実子がいる場合は養子は1人まで、被相続人に実子がいない場合は養子は2人までとなっています。
女性の場合、父が亡くなった際の相続では、相続人はその子である3人のきょうだいだけ。法定相続分は3分の1ずつでした。
それが再婚をしたことで、配偶者に2分の1、養子含め子ども4人で残り2分の1を均等に分割することになります。つまり遺産の3分の1が相続できるはずだったのが、遺産の8分の1しか相続できないことになったわけです。
長寿化が進むなか、今後は高齢者の再婚も増えていくといわれています。お金が絡む相続はトラブルの元になりがちなので、遺す側も遺される側も、しっかりと対策を講しておくことが必要です。
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