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高齢者こそ、肉を食え…70代以降は「メタボのほうが長生き」な理由【東大卒の医師・和田秀樹が熱弁】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月11日 7時5分

高齢者こそ、肉を食え…70代以降は「メタボのほうが長生き」な理由【東大卒の医師・和田秀樹が熱弁】

(※写真はイメージです/PIXTA)

年をとるにつれて「年をとったら粗食で十分だし、そのほうが体によい」と、あっさりした食生活に切り替える人は多いでしょう。しかし、『老害の壁』(エクスナレッジ)の著者・和田秀樹氏高齢者は、これを「迷信」と切り捨てます。和田氏が掲げる70代以降の“理想の食生活”について、詳しくみていきましょう。

“年をとったら粗食で十分”は「迷信」

高齢者の多くは深刻な「たんぱく質不足」

高齢になると、「あんまり動かないから、カロリーはそんなにとらなくてよい」とか、「年をとると肉がそれほど食べたくなくなる」と考える人が多くなるようです。実際、そう感じている人もいるかもしれません。でも、そういう食事に慣れてしまうと、栄養不足に陥ってしまいます。

「今の時代に栄養不足なんてあるの?」と思われるかもしれませんが、高齢者の栄養不足というのは実際に起こっているのです。私たちが生きていくために必要な栄養素のうち、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質は、3大栄養素と呼ばれています。しかし、多くの高齢者はたんぱく質が不足しています。

たんぱく質は筋肉の材料になる栄養素でもあるので、足りなくなると筋肉が減少します。しかも、高齢になると筋肉が減りやすくなるので、若いときよりもたんぱく質をとらなければならないのです。

70代の人に必要な1日のたんぱく質の量は、体重1kgあたり1〜1.2gとされています。体重50kgの人なら50~60g。豚バラ肉100gに含まれるたんぱく質量は14gとされているので、豚バラ肉だけでたんぱく質をとろうとするなら、毎日350~450gくらい食べなくてはならないということになります。

もちろん、たんぱく質は魚や卵、豆腐などの大豆加工品にも含まれていますが、ここで言いたいことは、高齢者は意外にたんぱく質がとれていないということです。

「年をとったら粗食で十分だし、そのほうが体によい」という「迷信」を信じてはいけません。

どうしてこんな迷信がはびこったのかわかりませんが、日本の高齢者は、朝食はごはんとみそ汁と漬けものだけ、昼食はそばかうどん、夜も「アジの干物でもあれば満足」といった食生活をしている人が多いのではないでしょうか。これでは明らかにたんぱく質が不足します。

また、体を動かすためのエネルギー(カロリー)は、油(脂質)やごはん(糖質)などでとらないといけません。

高齢者は脂っこいものは体によくないと思っている人が多いのですが、これも迷信です。ごはんもあまり食べない人が多いので、高齢者はカロリー不足も深刻です。

心配すべきは「メタボ」より「栄養不足」…“太め”のほうが長生き

高齢者でも体重が増えることをものすごく気にする人がいます。これはメタボ健診の影響でしょう。メタボ健診で腹囲を測定して、少しでも太っていると判定されると、食生活の改善などの指導が行われるからです。

宮城県で5万人を対象にして行われた大規模調査によると、やせ形のほうが、やや太めの人よりも6〜8年早く亡くなることが明らかにされています。

また、アメリカで、29年間にわたって追跡した国民健康栄養調査によると、もっとも長生きなのは、太りぎみとされるBМI(体格指数)が25〜29.5の人で、BMI18.5未満のやせ型の人は、その2.5倍も死亡率が高いことがわかりました。

BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値です。例えば、身長170cm、体重80kgの人なら、80÷(1.7×1.7)=27.68(小数点第3位以下切り捨て)となります。体重が80kgというと、やや太めの印象を持たれるかもしれませんが、BMIでいうと、もっとも長生きできる数値に収まっていることになります。

しかし、日本では、BМI25〜30となると、肥満とみなされ、ダイエットを推奨されることになってしまいます。

アメリカのように心筋梗塞で死ぬ人がもっとも多い国なら、メタボ健診は有効かもしれませんが、日本はがんで死ぬ人がもっとも多い国です。無理に体重を減らして、たんぱく質やコレステロールまで減ってしまえば、免疫力も低下しますし、血管も脆くなって長生きできなくなります。

私は70代になったら、むしろ栄養不足に気をつけるべきで、栄養のとりすぎについては過敏になる必要はないと、以前から繰り返し言っています。

体重をコントロールするにしても、少々太めを目標にしましょう。BMIなら25未満にならないようにします。

和田 秀樹 精神科医 ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表

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