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夫が死去。舅姑や小姑と縁を切る「姻族関係終了届」を提出したいが…相続や遺族年金への影響は?【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 11時15分

夫が死去。舅姑や小姑と縁を切る「姻族関係終了届」を提出したいが…相続や遺族年金への影響は?【税理士が解説】

(画像はイメージです/PIXTA)

配偶者が亡くなったあとも、配偶者の血族とは姻族関係が継続します。それを完全に断つには、「姻族関係終了届」という書類を提出する必要があります。実際の手続きの方法と注意点を見ていきましょう。FP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

姻族関係終了届の書き方と提出先

先日、夫が亡くなりました。亡くなった夫の家族は、義両親とも健在なのですが、とくに義母とは折り合いがよくありません。顔を合わせれば嫌味をいうのに、買い物や通院のサポートなど、何かと私を頼ってきます。夫の遺産分割にまで口を挟んできて、もうガマンの限界です。夫の親族と縁を切りたいのですが、そういったことはできるのでしょうか? 50代・パート(さいたま市)

基本的に、配偶者が亡くなっても、配偶者の血族との姻族関係は継続します。そのため、亡くなった配偶者の親族との関わりを断つには、「姻族関係終了届」を提出する必要があります。

姻族関係終了届とは、夫婦の一方が亡くなった場合、生存する配偶者が死亡した配偶者の血族との姻族関係を終了させる届出です。姻族関係の終了を希望する場合は、必ず届出が必要です。

また、姻族関係終了届を提出しても、姓や戸籍の変動はありません。同時に結婚する前の旧姓に戻したい場合は、復氏届の届出も必要となります。詳しくは、前回の記事『夫亡きあと、ようやく自由に…「夫の名字とサヨナラして旧姓に戻りたいが、どうすればいい?」…具体的な手続きの方法』をご参照ください。

姻族関係終了届の提出先は、本籍地か居住地の市区町村役場に提出します。

提出の期限は定められていないため、配偶者の死亡届が提出されたあとであれば、いつでも出すことができます。提出には裁判所の許可などは必要なく、本人の意思だけで提出できます。

姻族関係終了届は、どのように書けばいい?

姻族関係終了届は、市区町村役場の窓口にあるほか、自治体のWebサイトからダウンロードすることもできます。

必要な記入事項としては、「姻族関係を終了させる人の氏名」の欄に届出人の氏名を、同様に住所や本籍を記入したのち、「死亡した配偶者」の欄に亡くなった配偶者の氏名、本籍、筆頭者の氏名を記入します。届出人の署名押印をして提出すれば、手続きは完了です。

これらの記入例も、自治体のWebサイトで確認することができます。

また、姻族関係終了届を提出する際には、「記入した届」「印鑑」「戸籍謄本1通」「運転免許証やマイナンバーカードといった身分を証明できるもの」の4つが必要となります。

姻族関係を終了させるメリット・デメリット

姻族関係終了届を提出すると姻族とは縁が切れるため、この手続きは「死後離婚」と呼ばれることもあります。

相談者の方ように、姻族との折り合いが悪かった場合は、メリットしかないと思うかもしれませんが、実はデメリットもあります。ここでは、姻族関係を終了させるメリット・デメリットについて解説します。

【メリット

まず姻族の扶養・互助義務、つまり姻族と助け合う義務がなくなります。配偶者が他界したあとも義実家の人とお付き合いを続けるのは煩わしい、と思われる方は多いかと思いますので、この関係を断つことができることがメリットといえるでしょう。

また、姻族のお墓を管理する必要がなくなるということもメリットのひとつです。相談者のように、日頃から人間関係がよくなかった場合などには、かなり大きなメリットになると考えられます。

【デメリット

なにかあっても、結婚していた相手の家に頼れなくなるということがあげられます。一度切ってしまうと、姻族関係は二度と復活させることはできません。

また、相手の家の人と顔を合わせるのが気まずくなるといったこともデメリットといえるでしょう。姻族関係終了届を提出したとしても、子どもがいた場合は、子どもからみた「祖父母」「おじ・おば」との関係は保たれます。子どもと義両親が顔を合わせる機会が多い場合などは、このデメリットを感じやすい可能性があります。

縁を切りたいと思いいたるには、それだけの感情があると思われますが、まずは冷静になり、これらのデメリットがあることを十分に理解したうえで判断をする必要があります。

姻族関係終了届を提出後も、相続や遺族年金は影響なし

姻族との関係を断つために、姻族関係を終了してしまうと、亡くなった配偶者の遺産を受け取ることができないのではないかと不安に思われる方もいるかもしれません。

しかし、姻族関係終了届を提出したとても、亡くなった配偶者の相続財産を取得することができるほか、遺族年金も受け取ることができます。

ご自身の状況やメリット・デメリットをよく考えた上での決断をおすすめします。  

岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

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