〈孤独な老人〉にならないために捨てるべき「たった一つのもの」【精神科医の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 7時0分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
現役時代の栄光を忘れられず、周囲の人たちを見下してしまい地域の仲間をつくることができない…。そんな人たちの足かせになっているのが「プライド」です。今回はシニア世代の名医・保坂隆氏の著書『お金をかけず気軽にできる 「ひとり老後」が楽しい77の習慣』(KADOKAWA)から、老後の人間関係で気をつけたいことや、プライドを捨てることで得られることについて解説します。
他人に対するよけいな詮索は「トラブルのもと」
「空間」の大切さは、自分の身のまわりだけではありません。人間関係でも同じです。
たとえば、私の学生時代からの友人は、長いつき合いを重ねてお互いをわかり合っているため、何でも言えたり、聞いてもらえたりします。損得抜きの話もできるでしょう。しかし、中高年になってからの知人の中には、距離を保ってつき合ったほうが、お互いのためにいいという相手がいるかもしれません。
年齢を重ねた人は、それぞれに自分の世界を持っています。そして、他人には立ち入ってほしくない部分もあります。ところが、親しくなったことをアピールしたいのか、ただのお節介なのか、他人の領分にまで口を出したがる人がいます。悪気はないのかもしれませんが、それだけに始末が悪いのです。
アパートを借りて、ひとり暮らしを始めた女性の話です。ご近所に挨拶してまわったときに、ある女性から、「どんな仕事をしていたの?」「だんなさんはどんな人だった?」「お子さんはどこに住んでいるの?」など、あれこれと質問をされて戸惑ったそうです。
「適当に返事をしておいたのですが、失礼だったかしら」と不安そうにしていたので、「大丈夫ですよ。初対面の相手に根掘り葉掘り尋ねるほうが、よっぽど失礼ですよ」と話しました。
普通の人なら、はっきりしない答え方をすれば、「あまり詳しい話は聞かれたくないらしい」と気づくものですが、なかには、遠慮のない人もいます。
そんなときは「今から出かけますので……」と逃げるにかぎります。もしかしたら「あら、どちらへ?」と食い下がるかもしれませんが「ちょっとそこまで」と、やはりいい加減に答えておけばいいのです。
いずれにしても、そういう人とは、ある程度の距離をおいたほうが賢明でしょう。逆に「他人に対するよけいな詮索は人間関係のトラブルのもと」と自分自身にも言い聞かせておきましょう。
年を取ったら、つまらないプライドは捨てること
ある小説に、主人公が退職後も「自分は大手企業の役員だった」というプライドが捨てきれず、偉そうな態度で周囲の反感を買ってしまうという話が出てきます。これと同じような人は、想像以上に多いようです。
今まで培ってきた経験や技術を周囲に伝えるというのは、とてもよいことですが、わざわざプライドをひけらかすというのはいただけません。
たとえば、地域のイベントやボランティアに誘われたときなどです。新しい人間関係のためには、こうしたものに積極的に参加するといいのですが、かつてのプライドが捨てきれないと、「彼らとは格が違うから」とか「なぜ、私がタダ働きをしなければならないのか」などと考えます。なかには、それを口に出す人もいるようです。
こんな理由で誘いを拒絶するのは好ましくありません。せっかく差し出された手を振り払ってしまったら、次の誘いはなかなかないでしょう。いざというときに力になってくれる人がいないのは、孤独力が高いというより、もはや単なる「孤独な老人」です。邪魔なプライドなど捨てて、「来る者は拒まず」の精神で、誘われたイベントに出かけてほしいものです。
あなたは、プライドの正体を知っていますか? プライドの高い人は「プライド=崇高なもの」と思い込んでいることが多いようですが、心理学的にみると、じつは間違い。プライドが高すぎる人は、自分に自信がなく、不安を感じています。
比較的に、プライドの高い人は「自慢話が好き」という印象があると思います。これも、自分に自信がないために、自らの強さを強調することで、自分自身を守ろうとする反応です。「弱い犬ほどよく吠える」とよく言いますが、まさにこれなのです。
「私はプライドが高いから……」とか「なかなかプライドを捨てられない」という人は、じつは弱い人間なのかもしれません。それがわかったら、つまらないプライドなんかにはこだわらなくなるのではないでしょうか。
保坂 隆 保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
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